かけがえのない人に出会って結婚する方法
フリーライター&イラストレーターの陽菜ひよ子です。
久しぶりに、恋愛や結婚の話を。
わたしには、9歳年下のオットがいる。
彼はサラリーマンだったが、写真の専門学校で学んでフリーのカメラマンになった。二人してフリーランスなので、寝ている時間以外は、ほぼずっと一緒にいて、平和に暮らしている。
「よほど相性がよかったのね」
といわれそうだが、結婚した相手と「たまたま相性が良かった」という話ではない。この人ならうまくいく、と確信できる相手と結婚しからこそ、の結果だ。
周りを見回しても「結婚生活がうまく行っている人」には共通していることがあると思う。
「モテ」と「シアワセ」はイコールなのか?
わたしには「モテ」がわからない。
正確に言うと「モテること」に良さや必然性を見いだせないのだ。
もっと厳密に言うと、不特定多数に「モテ」て、本当にうれしいのだろうか?と思う。
自分にとって「どーでもいい人」に1ミリもモテなくても、自分が本当に好きな人に愛されれば、人生はバラ色だ、と思うのだ。
わたしはモテない。
合コンや飲み会で誰かに狙われたり、お持ち帰りされたりしたこともなければ、突然呼び出されて告白された経験なんてのも、ない。
と言うと「なんだ、ひがんでるだけじゃん」と言われそうだけど。
それでも、38歳の時に「この人以外にありえない」と感じる人と出会い、結婚して15年。その想いは一瞬たりとも揺るぐことなく暮らしている。
それではどうすれば、「この人以外にありえない」と感じる人と出会えるのか。その人と結婚し、揺らぐことない幸せを実感できるのか。
自分の経験から書いてみようと思う。
想定外なことだらけの結婚において、確信できるということ
結婚はしてみないとわからない、というのは真理だし、15年の結婚生活には、想定外のこともたくさんあった。それでも、この人となら乗り越えられると信じてここまで来たし、その気持ちは揺らぐことはない。
ポイントは、この結婚が二度目であるということかもしれない。特別賢かったわけではない私は、一度の結婚で、幸せになることはできなかったのだ。
二度目の結婚を幸せに導いたのは、最初の結婚から離婚を経て、自分なりの「ルール」を決めたこと。そうした自分なりのルール(信念やセオリー)失くしては、真の意味の幸せにはなれない、と私は思う。
そんなことグダグダ考えなくても、別に幸せだしぃという人も一定数いるのだろう。そういう方にはこの記事は全く不要だ。
結婚後に後悔したくない人に、何かしらのヒントになればと思う。
最初の結婚と離婚、それによって、自分がどう変わったかを振り返ってみることにする。
型にはまった「モテ」に振り回された20代
若いころ、何度かこう言われた。
「あなたは、もっとぼんやりしていたらモテるのに」
自分に何の価値も魅力も見いだせずにいたわたしは、ネコをかぶりまくった。大いなる「カン違い恋愛道」がはじまったのだ。
それだけではない。10代の頃はオリーブ少女で、前髪ぱっつんにボーダーの二―ハイをはいて闊歩していた「モード系」のわたしが、ピンクのニットにベージュのフレアスカートという「超コンサバ」路線にシフトしたのだった。
ここで大事なのは、内面的なことだけでなく、ファッション面でも強く「モテ=万人に愛される」系を目指したということ。
モテる自分になれば、強く愛してくれる人も現れるに違いない、と信じていたのだ。
結婚の誤算
その結果どうなったか。
社内恋愛で、7歳年上の3高男(古っ)をゲットし、庭付きの一軒家に住む優雅な専業主婦の地位を手に入れた。それはそれで、我ながらスゲーと思う。
誰も予想しなかった一発逆転ホームランのような結婚だった。
でもね、そうそういいことばかりではないのだ。うまい話には落とし穴がある。
元夫は、エリートだけあってプライドの高い男だった。
最初こそ、若い妻が何をしても許す寛容さを見せたが、だんだん不満を口にするようになった。
女は結婚すると強くたくましくなる。もともと猫をかぶっていたわたし。その化けの皮がはがれればどうなるか。猫の着ぐるみをはげば、獰猛な雌豹のようなアマゾネスが現れる。
アマゾネスでも、いかにも強そうな顔した女性であれば、それなりに様になるが、私は間抜けなひよこ顔の女である。
失礼を承知で女優さんに例えてみると「菜々緒さんがきついことを言ったら納得するけど、黒木華さんが気が強いと違和感を抱く」、みたいな。(実際のお二方の性格は置いておいて、ね)
よく恋愛に「意外性は大事」だというけれど、あれは、先にマイナスポイントが来るのが肝なのだ。
菜々緒さんのような強い感じの女性が弱い部分を見せた時に男性はグッとくるのであって、見た目がほんわかした女性が実は気が強いのは、「ガッカリポイント」でしかない。
結婚するために取り繕っても、その先の長い人生、相手をずっと騙しとおすことなどできはしないのだ。
「成功したい女」と「成功させたくない男」
元夫こそ「こんなはずじゃなかった」と思ったことだろう。世間のことは何にも知らず、自分の言うことをなんでも素直に聞くと思っていた若い妻は、ふたを開けてみれば、やたら気が強いし野心家だ。
俺は妻が家で楽しそうにしていてくれればよかったのに、何でそれだけじゃ不満なんだと思ったことだろう。
不満だよね。
なんで、自分は仕事をして当たり前に周りに認められてるのに、女は家で認められることなく、ただ家事だけこなしてれば満足なんだって思うわけ?意味わかんないよね。
最近のカップルは、専業主婦を好む男性は少なくて、妻にも働いて欲しいと考える男性がほとんどのようだ。だからといって、妻にキャリア志向でいてほしい男性は少数派ではないか。できれば仕事はそこそこにして、家庭を優先して欲しいなんて、ムシのいい考えの男性が多いのではないか(もちろんすべての男性がそうだと言っているわけではない)。
つまり、男性の多く(すべてではないが)は、妻に働いては欲しいけど、自分より仕事で成功して欲しくはないのだ。
彼はオトナな分、包容力があって、わたしのやりたいことは何でもやらせてくれると思っていた。でもそうじゃなかった。わたしは広い世界に出て行きたかったのに。ここにいては無理だ。
花に囲まれた瀟洒な家に住むわたしは、籠の中の鳥、いやひよこだった。
結局、最初の結婚生活が破たんしたのは、お互いに相手を理解せず、相手の持つ本質とは違うものを求めていたからなのだと思う。
30代で離婚~何を捨てて何を得たのか
36歳まで11年結婚して離婚。生まれて初めて一人暮らしをして、自分が何者なのかがよくわかった。
38歳で今のオットと出会い、8カ月後に電撃婚をした。結婚式も婚約指輪もないジミ婚。前の結婚生活で当たり前に享受していた、あらゆる贅沢はできなくなった。けれど、代わりに手に入ったものがある。
それは、わたしの仕事の成功を、心から喜んでくれるオットだ。家族なんだから当たり前だと思うかもしれないが、そんなことはない。妻の方が活躍するとDV男に豹変する夫の話は珍しくはない。
彼と出会った時点で、わたしはイラストの仕事をしていて、デートも3回に1回は仕事で断ったりした。計算ずくではなかったが、それも今思えばよかったのかもしれない。
恋愛初期の一番盛り上がる中でも、恋愛を「最優先」はしない。そんな強い意志を持つことも重要だ。わたしと結婚するなら、仕事を思いっきりさせて欲しい。そんな無言の意思は伝わったと思う。
その代わり、わたしは彼に過大な経済力は求めなかった。(当時は会社員で、30代男性の平均程度の収入はあったけど)
夫の経済力と彼に寄りかかって生きる生活を捨てた代わりに、2人で稼いでお互いに認め合う生活を手に入れた。
苦労がなかったわけではない。オットが10年もの間闘病生活をしていたこともあり、このまま2人で死んでしまおうかと思ったこともある。
それでも、この15年間、1ミリの後悔もない。
大切なのは「ありのままで認め合える」ということ
どうすれば、後悔のない結婚ができるのか?
答えは簡単だ。
「モテるための方法」や「恋愛指南書」「ファッション誌のモテ特集」をかなぐり捨てること。誰の目も気にせず、ただ、好きな服を着て、好きなことをすること。
自分が「どんな人生を生きたい」のか、男性の添え物ではなく、どんな野望を持っているのかを、堂々と伝えること。それと同時に、相手にも「男性ならこうでなくては」という価値観を押し付けないこと。
わたしは「仕事をしたい人」だったので、こういう書き方になったけれど、人それぞれ価値観は違うので、経済力を重視したいなら、それはそれでよいと思う。
自分が「何が好き」なのかわからない人へ
「自分が何が好きなのかがわからない」「野望なんてない」人は、3カ月くらい休日に誰にも会わずに一人で過ごしてみて欲しい。
友だちや家族の付き合いでなく、自分一人になったときにやりたいと思ったことが、自分の本当に好きなこと。
余談だが、わたしも一人暮らしをしてみてはじめて、自分が本当に好きなことがわかった。美術館やライブに行くことだ。今のオットがどちらも大好きなことは、結婚を決め、今も幸福であるすごく大きな要因だ。
熟成下書きよ、こんにちは
本日のこの記事も熟成下書き(2019/8/23下書き。う~ん、香ばしい)。
この記事の前の恋愛記事として、2019/8/16の記事が引用されていたが、今では有料記事になってしまった・・・
9/18(月)追記:先週特に「スキ」を集めた「#熟成下書き」だそうです!ありがとうございます☆