男と女と旅の法則
好きになってしまうと、周りが見えなくなるのは、私の悪い癖だ。その対象が男になってしまうと、その恋は上手く行かない。
男なんてどうでもいい!と夢中になって仕事をしていると、決まって次の男が現れる。
男は「夢中になっているキミが好きだ」と言いながら、その夢中になっている対象が「自分」に代わると、すべからく逃げ出す。
上手く行っているときの恋は、独り分の旅支度をするようなもの。
私は男の支度を甲斐甲斐しく手伝ったりなどしない。彼は彼で好きな服やカメラなどを詰め込んでいるが、気にもかけない。
私の心はそこにはなく、旅先に向かって飛んでいる。滞在先の景色や待ち受けているであろう出会いに胸を焦がしている。
そこにいるのは、旅に恋をしている私。
彼は私の行動を逐一見守っている。私の忘れ物を見越して自分の荷物に詰めておくのは当然のこと。
「自分以外のナニカ」に恋して「大童」な女と一緒にいるのが、彼には心地良いのだ。
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