人間だって、ユスリカだって、みんな一緒だ。
朝起きて窓枠を見ると、命尽きたユスリカがたくさん落ちている。
毎日掃除しても、毎日新しい亡骸が落ちている。
虫除けを設置しても侵入してくるユスリカに、正直うんざりしていた。
旦那曰く、マンション廊下に設置された蛍光灯に毎夜集まってきては、力尽き、近くの我が家を最期の場所としているようだ。しかも、ユスリカの寿命は短いという。
「ユスリカって何のために生きているんだろう」と私がポツリとつぶやくと、「人間だって同じじゃん」と旦那に言われた。
確かに「何のために生きているのか」と問われたら、私は即答できる自信がない。ほら、ユスリカと同じじゃん。
そう言われてから、ユスリカに対してうんざりというよりも、変な親近感を持つようになった。
ユスリカよ、昨日はどんな夜だったのさ。
そう思いながら今朝も亡骸を掃除した。