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またぞろ。が突き刺さって抜けなくなったオタクのnote

またぞろ。という漫画を読みました。

前にけいおん感想記事を書いた時にも言ったのですが、私はきらら作品を割と読みます。

かつてあんハピ♪に救われたことをきっかけにきらら作品には大変お世話になっているのですが、ここ1年くらいは「ななどなどなど」や「mono」「ぼっち・ざ・ろっく」辺りしか新規で読めていませんでした。

けれどここ数ヶ月で急激に現実でのメンタルがキツくなってきました。そこで早急に何かきらら作品に逃亡したいと思って色々と探っていた時に「またぞろ。」を見つけました。
実際、前々からタイトルと作品の概要は知っていた事もあり、「今の自分を救えるのは同じ低みにいてくれるそんな作品しかない!」と考えこの作品に手を出しました。

「またぞろ。」は高校1年で留年してしまった穂波殊と六角巴と広幡詩季の3人と新入生ながら留年予備軍の阿野楓を中心とした日常系コメディです。

https://www.amazon.co.jp/またぞろ%E3%80%82-1-まんがタイムKRコミックス-幌田/dp/4832272748


現在2巻まで出ているこの作品なのですが、エピソードの焦点の寄せ方が非常にリアルでした。それでいて、穂波殊の行動や思考にあるあると思ってしまうことが多く、読んでいて非常に苦し良いです。はい、苦し良いんです。
多分、生きるのが下手くそな人や人生きっついと思ってる人ほど、この作品に深く浸かることが出来ると思います。

読み始めてみると、やっぱり穂波殊の朝起きることが出来なかったり忘れ物が多かったり自己肯定感は低いけど自意識は中途半端に高いところなんて自分の鏡のように思えるほどで、それをきららの可愛い作風に落とし込んでいるからダメな自分がマイルドな世界によって肯定されている気になれました。

そう、最初の内は。

そもそも、留年した3人の内の2人はある程度留年した理由がまともだったりするんです。
片方の広幡詩季は体が弱く入院が多くて留年、もう片方の六角巴はプロカメラマンとしての仕事が忙しくて留年と、ただひたすら生活力の無い穂波殊とはステージが違いすぎる。
そこで既に穂波殊に共感を覚えてしまっていた一読者の私は苦しみの中にいました。
あぁ、結局ほんとにヤバいのは穂波殊だけだ。穂波殊だけが自分の縋るたった一つの糸なんた、と。

でも読み進めていくとそれも間違っていた。

またぞろではあるエピソードを境に主人公である穂波殊の幼馴染の麻里矢というキャラが出てくる。
詳細は読んでいただければ分かるので省くが、穂波殊の生活力が無い理由というのにこの子が大きく関わっていたのである。
そしてこの子と穂波殊の関係性の描き方が凄かった。
濃度の高い共依存の末の堕落。不安定なほどの一方的な矢印の大きさ。それに対する穂波殊の負い目。それすら飲み込む麻里矢の過保護な思い。
でもこれ、正直覚えがある。これまで生きてきた中で経験したことのある胃が痛くなるようなことやモヤモヤしたことがエピソードとして煮詰まっている。
そういう部分での関係性描写が「またぞろ。」は凄い。
そして特に文化祭抜け出した時に穂波殊が「どうしたい?」と聞かれた時のあの最悪の返し、あれなんてそのまま自分が言ったことあるもの過ぎて笑えなかった。酷すぎて。苦しかった。そしてそれを受け入れてくれる人たちが穂波殊には存在することが嬉しかった。
それが一読者の私には1人も存在しない事実が悲しかった。苦しかった。

ここで理解った。

穂波殊には広幡詩季がいて、六角巴がいて阿野楓がいる。そして何よりあれ程までに自分の理解とは別のところにいることに気付いても尚、親友で居続けるといってのける麻里矢がいる。

穂波殊は周囲の人間に恵まれている。

勝手に重ねて、勝手にあるある〜とか笑いながら読んでいたが、穂波殊のさらに下に自分がいるのだ。

でもそれでいい。だって漫画だから。
むしろそれくらいの救いがあってくれないと読んでいられない。毎週ジャンプを読んでこのキャラのように頑張るぞ、なんて思っている少年がいるように穂波殊が存在しているからこそ今日生きるか…と思える人間がいてもいいのだ。
だからこの「またぞろ。」に出逢えたのは今年の功績のひとつと言ってもいい。

正直このnote自体、今年の夏に書いてたのに300字くらいで投げ出して半年くらい放置していた。
ほら、似てるだろ。
そういうとこだぞ。
コミケの申し込みもぼざろのTシャツの販売期間もやろうやろうと思って結局期限が切れているような私ですが、今日も穂波殊のように生きてます。

あ、それと今月のきららキャラットは初の「またぞろ。」表紙回でした。
冬の空気感が感じられる最高の表紙でしたね。
こういう冬の空気感や夜のコンビニなどの穂波殊のような人間が大切にしている日常の瞬間を上手く切りとって作風に落とし込んでいるのが本当に好きです。
ちなみに私はゲーマーズで購入し、特典も貰えて嬉しかったです。

とりあえず「またぞろ。」noteは1度こんな形で終わります。もしかしたら新巻発売時にまた書くかも…。

それと今年こそ、今年出会えてよかったものリストを書けるように頑張りたいです。

今年こそは…頑張り…たいです…。






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