味覚と記憶。
暑い日々が続き徐々に夏本番が近づいて来ているなと感じる今日この頃。
私が子供の頃は30度を超えるととんでもなく暑く外に出るな言われたが、今では悠々と30度を超える。
最近、妻の実家からスイカを頂いたので家族で食べてみた。私はあまりスイカが好きでは無いのだが、頂き物のなので恐る恐る食べてみたのだ。
口に入れた瞬間、甘い香りと共に幼少期の記憶がフラッシュバックした。
夏の実家、涼しい風が吹き抜ける中家族全員でスイカを食べている。
縁側で、立って食べいる者もいれば座っている者もいる。
子供の私は、外で立って食べていてタネを思い切り飛ばして遊んでいる。
母はスイカが好きで無いのて、1人お茶を啜っているが楽しそうに話しながらスイカを食べる私を見ている。
我にかえる。
その次の日、食卓にとうもろこしが並んだ。
私はとうもろこしもあまり好きでは無く、普段は好んで食べることもないが、その日は子供と一緒に食べてみた。
かじりついた瞬間、再び幼少期の記憶がフラッシュバックした。
夏の夜。
食卓に茹で上がったとうもろこしがザルに乗せられて並ぶ。
汗ばんだ私と祖父がとうもろこしを手に取りかじりついている。
テレビはなんとなくついているが、誰も興味を持ってみてはいない。
網戸から、涼しい風が通り抜け、手作りの風鈴が心地のいい音を立てている。
チリリン。チリン。チリン。
我にかえる。
我に戻った瞬間、とても幸せを感じた。
また、もうあの瞬間には戻れない寂しさも感じていた。
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