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【五感を解説1】視覚の機能について


合理的配慮を求められるなか、人間の身体の仕組みをきちんと理解して保育や療育を行っているでしょうか?

生物学的な目線で人間を理解すると、関わりの質が大きく変わります。まずは「視覚」についてわかりやすく解説します。

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「視覚」とは見ることに関する様々な働きのことを言います。

目で情報を受け取るためには目を自由に動かす眼球機能、情報を正確に受け取る視力、広い範囲の情報を受け取る視野、明るさの情報を受け取る、
などの様々な力が必要です。

犬や猫のように赤ちゃんは生後しばらくの間は目を閉じたままで外界を見ることはできません。
生後4週間以下の新生児でおおよそ0.02~0.03程度の視力があると言われています。

生後0~1か月では
まだ視野が狭く、物は平面的に見えているとか。動くものを追ってみることは出来ませんが目の前のものをじ~っと見ることは出来ます(選好注視)。30㎝の距離にピントが固定されていると
言われています。おおよそ人の胸に抱かれたときにやっとピンとが合います。

生後2か月では
人や自分の手の動きを目で追えるようになります。

生後3~4か月では
物を立体的に見えるようになりますが陰影の重なりなどは認識できません。

生後6か月では
ものが動かなくとも、物の形がわかります。陰影の重なりなどを認識できるようになります。

新生児は視力が弱いものの、色や形を区別することが出来ます。赤ちゃんの絵本はカラフルなものが多いのはそのような発達に合わせた結果のようです。
また、アメリカの心理学者ファンツは赤ちゃんの形の好みを調べました。

すると、単純なものよりも複雑なものを好み、特に人の顔が描かれたものを好んだようです。
※ここで言う好むとはじーっと見た時間が長いことをさします

赤ちゃんは本来生まれたときから人間に興味があるのでしょう。

徐々に脳の機能が発達し、ピントを合わせることも発達すると以下の眼球運動も発達します。
じっと見続ける運動(注視)、
動くものを目で追う運動(追視)、
素早く見比べる運動(サッケード)、
ピントを合わせる運動(輻輳:フクソウ/寄り目)

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ボールや風船・シャボン玉を目で追ったり、探し絵絵本やカルタを楽しんだり、といろんな遊びの中で眼球運動が必要となります。

目も筋肉で動かしているので全身の筋肉と同様に
色んなものを見る経験から筋力や調節力を高めると言われています。

テレビやタブレット教育を早急に受けることが良くないと言われる原因は同じ枠の中しか見なくなることで視野が狭くなること、遠近調節が苦手になることが危惧されているのです。

そして視野とは、人がじっと見続けている時に見えている範囲のことです。見たものの色・形・大きさ等何を見ているか判断したり正確な視覚情報を受け取れる範囲を有効視野(中心視野)と言います。
正確には見えてなくとも、ぼんやりと見えている範囲のことを周辺視野と言います。


この範囲ですが、難しい課題や新しい課題などの時間には注意が集中し有効視野が狭くなります。
メガネが無い!!!!なんてときに実は近くにあったなどという体験はありませんか?
その場合、注意が集中しすぎているということが考えられます。

集中しすぎるのも難点になるのです。
もちろんその場合には判断が遅くなったりボールに気付かない、塗り絵の塗り忘れなどの姿が出てきます。

ウォーリーのように探し絵ブックなどで眼球運動を鍛えると良いかもしれません。

また、カルタもカードを探すので眼球運動となります。絵本やテレビに比べて視野も広いのでおすすめです。


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ヒミズ
お掃除係の実習を体験した保育士さん、きちんとした指導・教育を受けられずも頑張る支援者さん…など現場に困り感を持っている方へサポートすることで、子どもたちに還元されるものがあるのではと信じています。よろしくお願いします。