「ひみつ道具」をつくっています! 第6回 雨男晴れ男メーター
「ひみつ道具」を作るというと、「ひみつ道具」とは?ということがどうしてもついて回ります。この漠然とした問いに答えるのは大変な思いをしそうなので、まずマンガに出てくるものを再現してみようということで選んだのが「雨男晴れ男メーター」です。
初めは公開されているイラストから忠実に絵をかき、段ボールを切り貼りしてそれらしき形を作ってみました。この後、チームでの議論の流れから、異なる方向へと分岐しながら現在至るわけですが、ここで紹介するのはその一つ、別名PCR検査機と強引に名付けた怪しい装置です(PCR:Potential Competency as Rain maker)。
PCRの名の通りレインメーカーとしての潜在能力を測る装置です(雨男雨女のことを英語圏ではRain makerと言い表すそうです)。
右の画像では、なぜか龍の顔みたいなものが見えると思います。これはチームで議論を進めるうち、雨との親密度は手相でも評価できるのでは?という指摘から、そういえば水難の相なんてよく聞くよね、とつながり雨をつかさどる神様=龍神に行き着いたという経緯があります。ただ、龍神を付けることでスピリチュアル感が強まるので、冗談でももっと科学的論理に基づく道具であることを強調するためにはこの飾りはない方が・・・という意見もあり、当日は消えているかもしれません。
さて、一番の問題は ” 基準がない” ことです。手相の画像をとりこみ、水難の相の特徴点を検出、数値化して” 基準”との乖離を視覚化するというプロセス、アルゴリズムは何とかなるかもしれません。しかし何と比べればいいのでしょう。世の中には雨男雨女、晴れ男晴れ女として認定された人もいるのですが絶対的な基準があるわけでもなさそうです。1)
現在のAI技術をもってすれば、コンピュータに大量の手相データを学習させることで基準が見つけられるのではないかとか、MT(マハラノビス-田口)法が使えそうだとか、そもそも手相は個人情報だから集めるのは簡単じゃないだろうとか・・・、話は膨らみます。しかし、解決策を見つけられず展覧会も迫り、とうとう苦し紛れにプロジェクトメンバー中の自称雨男(Y氏)のデータを基準にしてしまえ、という暴挙に出るか!? はたして、展覧会当日までにこの「ひみつ道具」は出来上がっているのでしょうか。奮闘中です。(水野)
1)雨女雨男協会 https://rainypower.jp/
全日本晴れ男晴れ女協会 https://www.hareotokokyoukai.com/
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