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「ひみつ道具」をつくっています! 第7回:使用説明書


 ドラえもんに登場するひみつ道具は「未来デパート」でドラえもんが買ってくるものです。この道具を使って様々なストーリーが生まれています。「第4回:ひみつ道具とは?」で紹介したように、ひみつ道具を使うとオチがついてきます。このオチは多くの場合、誤った使い方や本来の目的とは異なる使い方をすることで発生しています。
 一般的に商品を購入すると説明書が添付されています。その冒頭には、説明書をよく読んで理解した上で使うように書かれていることが多いかと思います。のび太くんが説明書を読むシーンはありませんが、おそらくはドラえもんが使っているところを見て、そのオイシイところを体験すべく使いたいように使っている、その結果として良からぬ結果を招いているのでしょう。これではドラえもんも怒りますよね。

ドラえもん45巻「四次元くずかご」より

 さて、私たちの所属する東京都立産業技術大学院大学は高度専門職人材の育成を目的とした専門職大学院です。その中の創造技術コースでは次の二つの職能を持つ人材育成を目標にしています。
(1) マーケットの潜在的な期待に迫り、顧客に未来を語ることができ、次世代の製品やサービスのあるべき姿を描くことができる人材(商品企画責任者)
(2) 感性デザインと機能デザインの知識を駆使して最適設計から製造までをマネジメントできる人材(開発責任者)
 創造、ものづくり、デザインというと、アイデアの創出に目が向きがちですが、製品のライフサイクルから見たときには、顧客と長い期間接する使用説明書はとても重要なアイテムといえます。なぜなら製品の持つポテンシャルを引き出し、安全に使う、その道標となるからです。道具本体と説明書がセットになってこそ、あんなことやこんなことが「できる!」状態になるのです。


 使用説明書は製品の操作、取り扱いに関する情報が詰まっていることから、説明書の研究がすなわち製品の研究といえます。ひみつ道具に添付されている使用説明書はどんなものになるのか、この視点からひみつ道具の秘密に迫っていきたいと思っています。(槇岡)

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