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古墳時代の木装大刀の制作

ここでは古墳時代の木装大刀のレプリカについて、その制作背景を記述いたします💁

まず、一作目は、素環頭大刀。

制作計画は、太極拳の柄頭にリングが付いたタイプの練習用刀剣を改変したら、素環頭大刀が作れるのではないか、という思いつきから始まったのですが、その他、その時ちょうど、白銅を使った模造刀の制作をしてみたかったというのもあり、シンプルで比較的作りやすいこちらのデザインで白銅製の模造刀第一号を試してみることになりました。

太極拳の南刀の刀身の幅を調整して鞘を付けて貰うだけだったので、工房様的には慣れた内容で、特に難しい課題も無く、結果、思っていた通りに仕上がりました。

次にニ作目は、楔形柄頭大刀。

工房様から、刀身以外のパーツについて、金属製は金型が必要なのでオリジナルは難しいが、木製ならば可能だと伺い、何か試作してみようと考えていた中、ふと見かけたのが楔形柄頭大刀で、一目惚れ的に制作を開始しました。

ただ、こちらのレプリカは、大まかな雰囲気の再現に留まっています。

例えば、古墳時代の木装大刀には、柄の背中に割れを作って刀身を落とし込む手法や、柄紐の巻き方、帽子状のパーツが両側に付く鞘の形状など、様々な独自の特徴がありますが、これらの再現具合は、正確とは言い難いです。

ここには、予算面や資料収集などにおける当方の取り組み姿勢の中途半端さがあり、というよりは、初めはそんな感じでいいかなと思っていたのが、資料を読んでいる内に、本気度が増していき、次第に細かい点が気になるようになり、この心残りがきっかけとなって、三作目の木装頭椎大刀の制作に繋がります。

兵庫県立考古博物館や天理の参考館、その他、展示イベントや、論文、参考文献などを漁り、慎重に準備をして、その資料を基に完成したのが画像の木装頭椎大刀で、予算を掛けたのもあり、こちらは前作と比較して、かなり正確に、古墳時代の木装頭椎大刀が再現されています。

ただ、いくつか改善点もあり、まず、この時代の刀は本来平造りなのですが、若干刀身に鎬があるという点(研磨したら恐らく消すことは可能)、また、皮バンドの付け方が取り外しに向いた形になっていないという点、その他、ジュラルミン版の方が、若干タングの長さが白銅版より短かい点があります。

これらは、次回楔形柄頭大刀改良版や、鹿角装大刀に挑戦する際は、制作工房様とより密なコミュニケーションを取って、修正するつもりです。

とはいえ、この古墳時代の木装大刀を作るプロジェクト自体、客観的に見れば、個人的趣味に傾き過ぎているので、ひとまず、これくらいで置いておこうと考えています。

ただ、今後も余裕があるときには、こうした制作にも挑戦して行きたいと思います💪

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