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冒頭自己紹介型の物語
メタ発言に狼狽
物語を自作するようになってから、ライトノベルの市場の広さとか可能性を目にするようになった。気になったアニメの原作を調べるとラノベだったこともたびたびある。
かといってラノベを書ける気がしない。年齢的に勢いが出せないと思う。ラノベ独特の作法というか口語体とか構文を身につけるのは難しいだろう。
ラノベを読むこと自体難しい。学生時代にうっかり『キノの旅』を読み、昨今は墨香銅臭の『天官賜福』だって読んだけどさ……ラノベっていうか、これはそういうスタイルの物語だと思ってた。ラノベというジャンル指定で全てを受け入れることはできない。なんていうかやっぱり軽すぎるからだ。「軽いけどこれでいいんだっけ?」狼狽してしまって肝心の物語に入り込めない。
ラノベ作者が戦闘とか武器とか神話とか中世とかに詳しいことはリスペクトしている。単に私が「小説とはこういうもの」という枠組みから、ラノベがあまりにも型破りだから落ち着かない。読んでる自分が落ち着かない。褒め言葉である。
期待は捨ててない。「もしかしたらこの作品がラノベへの視点を根底から変えてくれるかも。垣根を何もかもぶっ壊すほど面白い作品があるとしたら、人生損してるかもしれないし」とnote小説とかを覗いてみることもある。
すると、引きが悪いのか高確立で次のような冒頭にぶち当たる。
オレの名前は〇〇XX。△△高校に通う、ごく普通の高校生だ!
お……おう……!
一体私は何を見せられたのだろうか?
何かの伏線で、深遠な意味が後々じんわり明らかになるのだろうか?
夏目漱石だって
吾輩は猫である──吾輩は猫である──って言い張っているしな。
戸惑いを押し殺して数行読んでも引き込まれるようなマジックは起こらない。一旦退散だ。ほんとに名作なら、引いたって追いかけてくる可能性あるしな。
物語の冒頭はとても重要だ。良かれ悪しかれ。10文字かそこらの文字列によって、後に続く物語全体の印象だとか前提が支配されるからだ。どんな冒頭を書いたとしても変わらない事実だろう。
冒頭で自己紹介という名のメタ発言をしている作品は、作品全体を通して「物語」と「読み手」という関係性が強く意識されるものだ。
この物語はそういうルールで行くからヨロシク! と暗に宣言しているのだ。その宣言が面白いかどうかは別として。
聖書の冒頭
聖書のことをほとんど知らない人に、まず何を紹介したら面白いと思ってもらえるかなぁと考える。「神の愛」はそれはそれで難解だ。「神」も「愛」もみんなが知っている単語の組み合わせなのに、聖書理解が積もれば積もっただけ効いてくる深みのある真実だからからだ。
5分くらいしか持ち時間がないと仮定して。
問題
「聖書のトリセツは、聖書内に2箇所書いてある。どこか?」と問題を出してみたい。
話の流れ的にヒントを出してしまったが。
正解
1つ目は冒頭。2つ目は最後だ。
①創世記1章1節 はじめに神が天と地を創造された。
②ヨハネの黙示録22章18~19節 ──これに付け加える者があれば、神はこの書物に書いてある災いをその者に加えられる。また、この預言の書の言葉から何か取り去る者があれば、神は、この書物に書いてある命の木と聖なる都から、その者が受ける分を取り除かれる。
初めに②から説明すると、聖書の預言は全て啓示されているので、付け加えても取り去ってもいけないよ、ということである。
①をもう少し説明したい。聖書の冒頭にして、通り過ぎてしまいそうなくらい短い文だからだ。でもちょっと立ち止まって何が書いてあるか眺めてみてほしい。
神という文字があるね……あるね……あるね……。
はじめに神が天と地を創造された。
これが聖書という物語を読み解く上での前提だ。
神が天と地を創造した世界についての物語。神がいること前提。神が世界を創ったこと前提。
聖書を読むときは、「吾輩」と一人称する猫の視点で描かれた物語を受け入れるが如く、神が天と地を創造された世界を一旦受け入れて読む。
聖書はとても長い物語なので、読み始めたいと思っても、どこから手をつけていいのかわからなかったりする。新約聖書の福音書からトライすることを勧める人もいる。
福音書はイエス・キリストについての証言なので、最初からキリストについての興味がない場合は読む意味を見出しにくいかもしれない。
「はじめに神が天と地を創造された。」という世界観に慣れるために、創世記から読むことをおすすめしたい。
聖書の終末預言が大好物なアラフォーが、聖書を学ぶうちに勝手に湧いてくる奇想・妄想を吐露します。