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TomorrowWorks.の次なる形を“みんな“で考えよう!2️⃣|「産官民連携コモンズ」としての求人(しごと)サイト運営コンセプトとは?

こんにちは!TomorrowWorks.の北條です。

前回の記事では、現在の一般的な求人サイトが抱える課題面を整理し、「求人サイトの産官民連携型コモンズ化」の可能性を示唆しました。

今回は、私が運営するTomorrowWorks.の産官民連携型コモンズ化に向けた運営コンセプト(案)を考えていきたいと思います。

丸2年のサイト運営で見えてきた課題を整理し、新たなステージへと向かうための方向性を整理してみます。

● TomorrowWorks.の歴史

まずはこれまでの歩みを振り返りたいと思います。

【2021年2月|氷見市に特化した”求人ウェブサイト”としてオープン】

<参考記事>

【2021年5月|「編集部がピックアップする氷見の求人(現:編集部が見える化する氷見の求人)」をスタート】

  • サイト立ち上げ期における求人情報不足の解消を目的に開始

  • ハローワークインターネットサービスの情報をもとに求人情報を掲載

<参考記事>

【2021年9月|後継者マッチングサービス「氷見で継なぐ。」をスタート】

  • 「氷見で継なぐ。」は、Himigraph(筆者)が運営するサービス

  • これによりTomorrowWorks.は、”氷見の求人サイト”から”氷見の仕事総合サイト”

<参考記事>

【2022年5月|「TomorrowWorks. Ⅱ」をリリース】

  • 料金プランの改定やサイト機能追加などを実施し、サイトやサービスとしての使いやすさを向上

<参考記事>

【2022年9月|「氷見で継なぐ。」の第1号案件成約】

・TomorrowWorks.経由で「ボーノ・ペッシェ」の後継者マッチングが初めて成立

<参考記事>

【2023年2月|氷見の福祉の魅力プロジェクトを実施】

  • 社会福祉法人 氷見市社会福祉協議会と連携し、氷見市の福祉の魅力を伝える座談会を実施・記事化

<参考記事>

【2023年5月現在】

・求人特集記事総数(見える化された求人情報の総数)|計27本
→ TomorrowWorks.経由での求人マッチングおよび移住支援を実現

・後継者募集記事総数|計5本(うち2件が現在募集中[2023年5月時点])
→ TomorrowWorks.経由での後継者マッチングを実現

・コラム記事総数(「働く」を考える。)|計10本

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このように、TomorrowWorks.公開以後、氷見市の様々なしごとが見える化されただけでなく、求人および後継者マッチングやサイト経由での移住支援などの成果に貢献してきました。

● 現在のTomorrowWorks.が抱える主要課題点

サイト立ち上げから今日に至るまで、様々な取り組みを行ってきました。一方で、改善すべき点も顕在化しており、それらの課題解決がTomorrowWorks.を次なるステージへと導いてくれると考えています。

【運営負担の増加】

改めてTomorrowWorks.のコンテンツを整理すると、<求人部門><後継者マッチング部門><メディア部門>の3つの部門が存在しています。それらを全て運営管理しているのは、Himigraph(筆者)であり、扱う案件数が増えるにつれて、負担も増加する傾向にあります。

さらに、TomorrowWorks.としての業務には、広報およびメディア対応、ウェブデザイン作業、応募・お問い合わせ対応、営業・打ち合わせ対応などの細かい稼働も含まれており、今後は負担軽減および分散を行う必要が出ています。

しかしながら、氷見(人口約4.3万人[2023年5月時点])という市場規模の小ささや、企業における採用広報・マーケティングの浸透度の低さなどを考慮すると、いちビジネスとしてTomorrowWorks.を成り立たせるのは容易ではありません。

地域にとって重要な要素であるしごとを司どるウェブサイトが、いち個人によって運営されている構造は、改めて考えてみる必要があるのではないでしょうか。

【TomorrowWorks.運営主体の分かりづらさ】

TomorrowWorks.は誰によって運営されているのか?、という点は外部の人から分かりづらい状況になっています。改めて整理すると、

  • 求人部門:Himigraphと氷見市IJU応援センター・みらいエンジンによる共同プロジェクト(運営・実施はHimigraph)

  • 後継者マッチング部門:Himigraphが運営・実施するサービス

となります。後継者マッチングサービスが、サイトオープン以降に導入されたことで、運営体制が複雑化してしまいました。


● 現状課題を解消するには?TomorrowWorks.的「産官民連携コモンズ」の運営コンセプト(案)

現状を棚卸したことで、新たな可能性が見えてきました。それが「産官民連携コモンズ」というサイト運営方法です。

【コモンズ化するタイミングは今】

TomorrowWorks.の存在意義は、地域のためです。

ありがたいことに、TomorrowWorks.がきっかけで生まれたご縁は、地域全体に良い効果をもたらしています。移住者増、廃業阻止、新規出店、観光および関係人口増、地域経済への波及などなど、小さな成果が大きな効果となって地域を盛り上げている事実は、みなさんも認めてくださるはずです。

しかしながら、今ほど述べてた課題などが影響して、TomorrowWorks.が前に進もうにも進めない状態が生まれています。

この2年間で生まれた好循環を継続していくためにも、TomorrowWorks.のコモンズ化を推進していきたいと筆者は考えています。

将来的に、コモンズ化したTomorrowWorks.による成果は、より“地域みんな“にとっての成果になる運営体制を模索していきます。

【産官民連携によってTomorrowWorks.を拡張する】

これまでのTomorrowWorks.は、しごとの情報および魅力発信やマッチング支援を主な役割として担ってきました。しかし、単に情報を発信するだけでは「氷見で働く暮らし」は実現しません。

ひとりの方が地域で働けるようになるまでには、幾多のステップが存在します。つまり、「地域(氷見)で働く」までを支援するには、様々な分野の組織・団体との協力が不可欠です。

今こそ、産官民連携で、氷見のしごと支援のあり方を変革しませんか?

【TomorrowWorks.の分散型運営】

今までは筆者個人で運営されていたために、負担が集中するだけでなく、情報や権限も集中していました。それを分散させることは、サイト運営の健全化・透明化を図る上で重要要素になります。

とはいえ、完全な自律分散型で運営するのは現状不可能なため、デジタルツールを上手く活用しながら、部分的な分散型運営を取り入れていきたいと考えています。(いずれはweb3やDAO的な運営ができたらと考えています)


● コモンズ型TomorrowWorks.の運営方針(案)

コモンズ型TomorrowWorks.では、現在のサイト運用に新たな要素を加えることで実現します。(※本来であれば、専用の技術開発が必要かもしれませんが、そのようなリソースはないため、すでにあるサービス[Googleフォームやnotion]を活用して実現する予定です)

【「氷見のしごとマッチングポータル(仮称)」の新設 / 扱う求人情報の一元化および多様化】

新しくポータルサイト「氷見のしごとマッチングポータル(仮称)」(利用無料)を導入し、地域のしごと情報が一元的に集まる状況を作り出します。

【求人情報の自動掲載】

ハローワークと異なる点は、デジタルツールによって実現する求人掲載の自動化です。求人者がフォームを使って記入・送信すれば、新ポータルサイトへ自動掲載される設計を施します。

一方で、適切な内容の求人情報が掲載されているかを確認する必要があるため、最終的な掲載権限は運営側が持つことになります(「コモンズの悲劇」を回避するため)。

【求人者と求職者が直接やりとりを行う自律型運用】

採用に至るプロセスでは、求人者と求職者間で直接行われます。運営側が介入・支援することはありません。


● TomorrowWorks.本サイトのこれから / 真の産官民連携へ向けて

それでは、本サイトにおける今後の運用方針を提案したいと思います。TomorrowWorks.の持続可能性を高めていくためのアイデアです。

【ひきつづき「氷見で働く。(求人特集記事)」で収益化】

従来通り、「氷見で働く。」の求人特集記事制作で収益化を行います。求人条件だけでは判断できない部分を求人特集記事が補うことで、採用マッチングを推進していきます。

ライターやフォトグラファーなどのクリエイターさんが輝ける場としても、TomorrowWorks.はひきつづき存在していきます。

【サポーター制度の導入(状況によって)】

サポーター制度の導入では、サイト運営の持続性を確保することにくわえて、メディア部門の強化にも繋げていきます。地域全体で人材不足を解消するためには、金銭のやりとりだけでなく、様々な形でのサポートが不可欠です(例:SNSでのシェア、リンクやバナー共有など)。

ちなみに、採用に注力している事業者と、注力していない(またはできない)事業者との格差は広がっていきます。サポーター制度は、サイト自体のサポートにくわえて、地域全体の人材不足解消のサポートも意味します。

【メディア部門の強化】

広告収入に頼らないサイト運営は、メディアとしての役割を高めていきます。たとえば『「働く」を考える。』の充実化や、求職者にとって有益な情報提供も可能にします。また、地域にとって欠かせない仕事や後継者・担い手不足で悩む事業者や団体などへ独自取材することで、本サイトにおける情報の質は向上するでしょう。

【運営体制の連携強化】

運営側(編集部)の連携も欠かせません。たとえば、採用コンサルタント、採用広報・マーケター、ライターやフォトグラファーなどのクリエイターなどが、運営側(編集部)に入れば、より質の高いサイト運営、情報提供が実現することでしょう。さらに、デジタルスキルなどを教えられる人たちが運営に加われば、人材育成や就労支援にも間口を広げることが可能になります。

もちろん、運営のガバナンスも議論していく必要があります。一部の個人に権限や利益が偏らない、公平な運営が求められます。

● 未来の仕事 🟰 なくならない仕事

最後に、この2年間でTomorrowWorks.で掲載してきた「しごと」は、どれも地域になくてはならない仕事が大半でした。

AI技術の普及により仕事や働き方が大きく変化するなか、人間が暮らしていく上で無くならない仕事未来の仕事になりつつあります。そして、無くならない仕事を繋いでいくことは、地域全体の使命でもあります。

TomorrowWorks.がコモンズ化するのは自然の流れであり、地域の営みを存続するためには、地域全体が助け合うこと(共助)が今求められています。

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北條 巧磨@ましこ/もてぎ
いつも応援いただきありがとうございます❗️