【書評】映画の裏側:森下典子『茶の湯の冒険』を読んで
森下典子さんの『茶の湯の冒険』は、映画『日日是好日』の製作裏話に興味がある方にとって、きっと心を惹きつける一冊です。
映画をより深く味わいたい方にぜひ手に取っていただきたい作品です。
映画『日日是好日』という特別な舞台
著者の森下典子さんは、作家として活動されていますが、自身の作品が映画『日日是好日』の制作されることになりました。
作者の森下さんは最初「バンザ〜イ気分」でしたが、作品の基本のキとなる「茶道ところの監修」という、まったく新しい経験をすることになります。
映画のプロデューサーから「茶道に間違いがあってはならない」と依頼され、撮影現場に飛び込んだのです。
プロの現場で感じた戸惑いと喜び
映画の現場は、森下典子さんにとって未知の世界でした。
緊張と緊張と緊張…(大変だっただろうなあ)と期待を抱きながら、
プロの役者やスタッフたちと仕事をする中で、様々なこと目にします。
あまりにも表現がお上手なので、この本を題材に映画を作ってほしいなあ~と思ったほどです。
劇中劇みたいな映画。
映画監督だけでなく、スタッフ全ての裏方の姿が描かれていて、すんごく面白かったです。
女優達の光る演技
この本では、主演の黒木華さんや、茶道の先生役の樹木希林さんについても深く語られていました。
特に樹木希林さんの演技の底辺あるものに気づいた時、森下典子さんにとって大きな衝撃がありました。
役者としての、その人物の深層心理の表現が素晴らしいものになっていると。
樹木希林さんの演技を通して、役者の奥深さを知ることとなります。
茶道と映画の人生が交差する瞬間
映画制作を通して、森下典子さんは茶道が持つ美しさを改めて気づきます。
この本を読んで、あなたもきっと映画『日日是好日』を見る目が変わると思います。
もう一度見たいと思うのではないでしょうか?
映画の中に込められた役者たちの思いや、スタッフたちのこだわりが見えてくるし、作品の裏側の裏側がわかると
「なんて面白いの!」と思わず声が出たほどでした。
茶道が単なる「お稽古」ではなく、深遠な世界であること感じると思います。
また集中力や丁寧さといった、日々の生活の中で見失いがちな大切なことにも気づかされるでしょう。
樹木希林さんの言葉に触れてみたいあなたへ
この本を読んでいると、樹木希林さんの言葉の重みや深さに惹かれるかもしれません。
そんなあなたには、樹木希林さんの著書もおすすめです。きっと、人生のヒントが隠されているはずです。
あとがき
『茶の湯の冒険』は、お茶、映画、そして人生という、一見異なるものが複雑に絡み合う物語です。
この本を読むとあなたの新しい世界が見えてくるかもしれませんよ。