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暮らしに役立つ栄養療法⑮ カルシウムとマグネシウムは兄弟

前回まではカルシウムの働きや調節機構について説明してきました。
今回はマグネシウムのお話です。
 体内のイオンの多くは影響し合って働くペアのイオンを持っています。
亜鉛と銅、カリウムとナトリウムなどが一例です。これらのイオンはバランスをとって互いを牽制しあったり働きを調節したりしているのでブラザーイオンと言われています。

カルシウムのブラザーイオンに当たるのはマグネシウムです。カルシウムの細胞内の濃度の調節が血管の収縮やホルモンの調節に関わっていることは前回お話ししましたね。マグネシウムにはカルシウムの細胞外へのくみ出しを促進したり、カルシウムチャネルから細胞内に流入するカルシウム量を調節したりする働きがあります。カルシウムにとってマグネシウムはゲートキーパーの役割があるのです。

マグネシウムは筋肉内に多く含まれていて、血液中の濃度が下がるとすぐに補充されるのでなかなか欠乏に気づきません。カルシウムと同様、ストレスや高血糖の時には尿中の排泄が増えて体内のマグネシウム量はかなり減っています。カルシウムの重要性はよく知られているのでカルシウムの摂取を増やす方は多いのですが、カルシウム摂取量だけを増やしてしまうとカルシウム、マグネシウムのバランスが極端に悪くなります。摂取比は1:1が理想的ではないかと栄養医学では考えます。

マグネシウム不足で起こる症状は疲労感、こむらがえり、意欲減退、食欲不振、不整脈など多彩で漠然としています。蟻が這っているような神経痛を訴える方もいます。また心筋梗塞や脳梗塞になった時にマグネシウム不足の人はより重い障害が出ることが多いようです。虚血の場所に血液が再び流れるようになった時、血液中のマグネシウム濃度が下がるのでその影響がより出やすいからと考えられています。

日頃注目されることの少ないマグネシウムですがカルシウムの兄弟分として大切にしてあげてくださいね。

オーソモレキュラーjpより


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