俳優に読んでほしい本10選
私は割と本を読む方、だと思う。
Kindle unlimitedで上限まで借りては読んで返すを週1くらいのペースで行っている。
他の娯楽はやめられても本を読むことだけはやめられないので、ちょっとしたお金が手に入ると本に注ぎ込んでいる。
そんな私が、表現に関わっている方に読んでほしい本をおすすめしていこうと思う。今回は俳優がメインだ。
直接的なものもあればビジネスチックなものもあるので、ちょっと読んでみたいかもと思ったら手に取ってみてほしい。
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演技関連のおすすめ本
有名なものばかりだが、まだ読んでいない方は是非。
1.俳優一年目が学ぶこと
「俳優一年目が学ぶこと」は、演技を始めたばかりの人から、もっと深く学びたい人まで、幅広い層に役立つ一冊だ。著者は、演技が「いかに上手く嘘をつくか」ではなく、「どれだけ嘘を無くせるか」という本質を丁寧に解説している。
この本が特筆すべき点は、その情報量と深堀りの度合いにある。70,000字を超える文字数は、演技に関するあらゆる側面を網羅しており、読者は具体的な練習方法や役作りプロセスを詳細に学ぶことができる。感情表現、キャラクター作り、読解力など、演技に必要なスキルを体系的に学べる点が魅力だ。
演技の基礎をしっかりと学びたい人にとっては、とても良い本だと思う。
2.演技と演出
『演技と演出』は格好の入門書だ。舞台裏で何が起こっているのか、なぜ観客は演劇に感動するのかといった根源的な問いに対する答えを与えてくれる。
平田氏が提唱する「平田メソッド」を軸に、演劇におけるコミュニケーションの重要性を深く掘り下げている点が特徴的。俳優と演出家、そして観客の間でどのようにイメージが共有され、演劇的な感動が生まれるのか。その過程は、具体的な事例や実験を通して丁寧に解説されており、読者は演劇におけるコミュニケーションの複雑さ、そして奥深さを実感するだろう。
また、本書は演劇の理論だけでなく、実践的な側面も重視している。ワークショップの重要性や、繰り返し実験を行いながら作品を磨き上げていくプロセスなど、実際に舞台を創り上げる際の具体的なノウハウも学ぶことができる。
3.俳優のノート
『俳優のノート』は、長年の役者としての経験に基づいた、役作りや人生観を綴ったエッセイ集である。同書は、単なる役者論にとどまらず、役者として生きるということ、ひいては人生をどのように生きるかという普遍的な問いに対する、著者の深い思索が記されている。
役作りに対する具体的なアプローチや、役者として生きていく上での心構えが、豊富なエピソードとともに語られる。特に、役への共感の深め方や、その人物をいかに生き生きと表現するかといった点については、具体的なテクニックが示されており、非常に参考になる。
読後感としては、自分自身を見つめ直すきっかけを与えられた、というものが大きいだろう。 山崎氏の言葉に触れることで、自分自身の仕事や生き方について、改めて考えることができるはずだ。
4.俳優の演技術
『俳優の演技術』は、単なる演技論にとどまらず、映画制作現場の第一線で活躍する監督ならではの視点が光る一冊だ。
具体的な役作りプロセスが詳細に解説されているのが特徴であり魅力だ。脚本の読み解き方から、役の背景を深掘りする手法、そして実際に役になりきって演技をするための具体的なテクニックまで、豊富な事例と共に丁寧に示されている。
本書は現役の映画監督が書いたという点が大きな特徴だ。理論だけでなく、現場での実践的なノウハウが惜しみなく披露されており、読者はまるで映画制作現場に立会っているような感覚を味わうことができる。
5.演技とレッスン
『演技と演出のレッスン』は、演技の基礎から応用までを網羅した、実用性の高い一冊である。アマチュアからプロの俳優を目指す人まで、幅広い層に支持されている本書は、演劇の世界への入り口を優しく照らしてくれる。
発声や身体表現、感情表現といった基本的なスキルから、役へのアプローチ方法、共演者との関係性まで、具体的なテクニックや演習方法が丁寧に解説されている。
脚本を読み解き、役の背景や心理を深く掘り下げる方法論が面白い。鴻上氏は、単にセリフを暗記するだけでなく、役の置かれた状況や感情を徹底的に分析することの重要性を説く。このアプローチは、役者として深みのある演技をする上で不可欠な要素である。
また、本書は演技のレッスンにとどまらず、演出の基礎についても触れている。脚本から舞台を作り上げるプロセスや、演出家の役割について、わかりやすく解説されているため初心者やこれから俳優になりたい人にもおすすめだ。
6.あなたの魅力を演出するちょっとしたヒント
『あなたを魅力的にするちょっとしたヒント』は、俳優にとって、日々の演技に活かせるヒントが満載の一冊である。長年の演出経験から得られた知見を基に、外見だけでなく、声、体、感情、言葉といった内面的な魅力を引き出すための具体的な方法が示されている。
本書では、例えば「声」一つとっても、大きさ、高さ、速さ、間、音色など、様々な要素を細かく分析し、効果的な使い方を解説している。舞台上でのキャラクター作りや、セリフの表現において、これらの知識は非常に役立つだろう。また、「体」については、体の動きや姿勢が相手に与える印象、そして、自信に繋がる体の使い方について解説されており、より説得力のある演技へと繋がるヒントが得られる。
さらに、感情表現についても深く掘り下げており、自分の感情をコントロールし、相手に伝えるためのテクニックが紹介されている。役者の仕事は、様々な感情を表現することが求められる。本書で紹介されているテクニックを参考にすれば、より幅広い感情表現が可能になるだろう。
本書は、俳優としてのスキルアップを目指す方だけでなく、日頃からコミュニケーションを円滑に行いたいと考えている方にもおすすめ。鴻上尚史氏の豊富な経験と深い洞察が、読者の心に響き、新たな発見をもたらしてくれることだろう。
演技論以外のおすすめ本
7.僕らはSNSでモノを買う
『僕らはSNSでモノを買う』は、ビジネス書という枠を超え、俳優という特別な職業に携わる皆様にこそ読んでいただきたい一冊である。
本書では、SNSという現代社会に欠かせないツールが、どのように人々の購買行動を左右しているのかを詳細に解説している。このメカニズムを理解することは、俳優が自身の魅力を最大限に伝え、より多くの人の心に響くために不可欠である。
特に注目すべきは、SNSを活用したマーケティング戦略である。本書では、具体的な事例を交えながら、フォロワーを増やし、影響力を高めるためのヒントが満載である。これらを実践することで、あなたはより多くの人の目に触れ、共感を得られるようになるであろう。そして、それはすなわち、より多くのオファーに繋がり、あなたのキャリアを新たなステージへと導くことに繋がるのである。
また、本書では、UGC(ユーザー生成コンテンツ)の重要性にも触れられている。ファンがあなたについて発信する内容が、あなたのキャリアを大きく左右するのである。本書で学んだことを活かして、ファンと積極的にコミュニケーションを取り、共創していくことで、より強固なファン基盤を築くことができる。
SNSをもっと効果的に活用したい、ファンとの距離を縮めたい、自分の魅力を最大限に伝えたいと考えているなら、ぜひ本書を手にとってみていただきたい。本書は、俳優としてのあなたの可能性を最大限に引き出すための、強力なツールとなるであろう。
8.演劇は仕事になるのか?
米屋尚子著『演劇は仕事になるのか?』は、俳優として生きていくことを夢見る人にとって必読の一冊だろう。この本は、華やかな舞台の裏側で、実際の演劇の世界がどのような経済状況にあるのかを、具体的なデータに基づいて詳細に解説している。
単に演劇の仕事が厳しいものであると警鐘を鳴らすだけでなく、劇団の経営状況や、チケットの売り上げ、補助金、そして俳優の収入といった具体的な数字を交えながら、演劇の世界の現実をありのままに描き出している。
俳優として長く活躍するためには、自分自身をプロデュースする能力が不可欠である。そして、演劇が社会からどのように評価され、どのような支援を受けているのかを理解することで、より広い視野で自分のキャリアを考えることができるだろう。
この本は、単なるハウツー本ではなく、演劇の世界で生きていく上で必要な「知恵」を与えてくれる一冊になっている。厳しい現実を知った上で、それでもなお演劇の世界で活躍したいと願うあなたにとって、この本は道しるべとなるだろう。
9.芸術脳の科学
『芸術脳の科学』は、脳科学の視点から芸術、特に創造性を深く探求した一冊である。本書は、科学者でありながら芸術家でもある著者のユニークな視点から書かれており、俳優にとっても非常に示唆に富む内容と言える。
本書では、芸術的な才能は生まれつきのものではなく、脳の可塑性によって後天的に培われるものであると説く。これは、俳優が日々のトレーニングや役作りを通して、表現力や感受性を高めていく過程と重なる。また、脳内に形成される外界の再現と、新たな情報を創発する過程がどのように相互作用し、創造性を生み出すのかを解説している。このメカニズムを理解することは、役に入り込み、そのキャラクターを生き生きと表現するために役立つだろう。
さらに、著者は芸術を「自己の存在証明」と捉える。これは、俳優が舞台上で演じることで、自分自身を深く理解し、表現していくという行為と通じる。本書を読むことで、俳優は自分の表現活動に対する理解を深め、より主体的に演じることができるようになるだろう。
本書は、脳科学の専門用語も含まれるが、平易な言葉で書かれており、文系の人でも読みやすいので興味がある人は読んでみてほしい。
10.シュガーマンのマーケティング30の法則
「シュガーマンのマーケティング30の法則」は、ダイレクトマーケティングの巨匠、ジョセフ・シュガーマン氏が長年の経験から編み出した、顧客の心を動かす30の法則をまとめた一冊である。この本は、商品を売るためのテクニックにとどまらず、人々の心を捉え、行動を促す普遍的な法則が書かれており、俳優という職業にも多くの示唆を与えてくれる。
俳優は、舞台やスクリーンを通して、観客の心を動かし、共感を得ることを仕事とする。それは、いわば、自分自身という「商品」を観客に「販売」するようなものだ。この点において、シュガーマン氏のマーケティングの法則は、俳優が自分の魅力を最大限に引き出し、観客の心に響く演技をするためのヒントとなる。
本書では、人間の心理に関する深い洞察も得られる。人はなぜ特定の商品を購入するのか、なぜ特定の行動を取るのか。その根底にある心理メカニズムを理解することは、観客の心を掴む上で非常に重要だ。
もちろん、俳優の仕事は、マーケティングの理論だけでは完結しない。感情表現、身体表現など、俳優独自のスキルも必要となる。しかし、シュガーマン氏のマーケティングの法則を参考に、自分の表現力を磨くことは、俳優としてのキャリアを大きく飛躍させるための貴重な経験となるだろう。
俳優が自分の魅力を最大限に引き出し、観客の心を掴むためのヒントが満載の一冊である。言葉の力、心理、創造性など、本書で学んだことを実践することで、俳優はより深く観客と繋がり、記憶に残る演技を創り出すことができるだろう。
情報が簡単に手に入る時代だからこそ本を読もう
俳優としてのスキルは、実際に動かないと身につかない。
しかし、「情報として知っておく」だけでも有用だ。
知識を得た上で実践ができるようになれば、再現性が生まれて安定して良い演技ができるようになるだろう。何よりも知ることが大事だと私は思う。
ちょっとでも読んでみたい本があったら、ぜひ手に取ってみてほしい。きっとあなたの役に立つ。
いただいたお金は!!!全て舞台裏のためのお金にします!!!!殺人鬼もびっくり☆真っ赤っかな帳簿からの脱却を目指して……!!!