現代の時間感覚は演劇にそぐわない
現代は、とても時間にシビアです。
電車が1分遅れたとか
画面のロードに5秒かかったとか
それだけでイライラしてしまう。
5分遅刻するとかいう時にもすぐに連絡できるし
待ってる側も5分間スマホで時間を潰せる。
スマホで誰もが自由にネットにアクセスできる世の中
時間も場所も演目も制限される演劇は
とても時代の流れに乗っているとは思えません。
そんな中で、演劇はどう発展していけばいいのか。
今、演劇をビデオで見ることができます。
それも、簡単に演劇に触れることが出来る良い手立てだとは思いますが
生の芸術としての演劇としては
本当の価値を伝えられないのではないか、と思います。
私個人の感想として
生で見る舞台とビデオで見る舞台は全く違うものです。
ビデオは、生でみたからこそ楽しめるもの。
初めて演劇に触れる人がビデオからだと
到底映画やドラマに敵いません。
では、生の演劇をどうやってみせるか。
先日、池袋西口公園で行われていた三文オペラを観に行きました。
チケットは取れなかったので、立ち見で。
舞台の内容を見るというよりかは(もちろん観ていたけれど)周りの人を見ていました。
10人程度は私と同じ、「観るぞ!」という気持ちで来ていた人。
残りの10人程は、なんとなくそこにいた人。
この人達が面白かった。
喫煙スペースがすぐ近くにあったためか
ちょっと出てきた人がまじまじと舞台を観る。
友達との待ち合わせでいた男子大学生が、そのままビール片手に芝居を観る。
仕事帰りのおじさまが、休憩がてら観ていく。
これって、現代に合ってるんじゃない???
ちょっとした空き時間に、タダで時間を潰す。
そこにスマホではなく演劇が入る。
今ではYoutubeの方が効率が良いのですっかり少なくなってしまった
路上ライブのようなものが
もしかしたら、これから演劇が発展していくには大切なのかもしれない。
劇場で客席に座って観劇するというのは、上級者向けに思えるのかも。
そうしたら、街中のパフォーマンスや配られるチラシみたいな
その場にいたから触れ合える、偶発的なものが演劇には求められるのかも。
隙間時間に演劇、というのはもしかしたら
ビデオで見ることではなく
日常全体が演劇になるように、
まるで街頭広告のようなものが必要なのかもな、と思いました。