ボイストレーナー25年を経て想うこと。
過去に
ボイストレーナーになりたいと相談されたことがあります。
私は自分がボイトレの生徒ちゃんにプロデビューしたい、〇〇になりたいと言われたら、絶対に応援すると決めています。可能性は0ではなく無限大で、私がコントロールするものでもない。
でも、この相談にだけは唯一首を振りました。
ボイストレーナーにとって絶対に必要な唯一の条件を確実にクリアできていなかったから。
どんなに歌唱力があっても。
筆記で理論を学んでも。
結果、ボイストレーナーとして活動しても。
私だけは絶対に首を縦には振りたくない、と思いました。
逆に
私がおもう唯一必要な条件を持っていたら、
歌唱力が多少劣っていたとしても
机上のお勉強不足だったとしても
背中を簡単に押せたということです。
愛媛県にも県外にも、私が知る尊敬するボイストレーナーさんはたくさんいらっしゃいます。
その方達はやはり私から見る必須条件をお持ちなんです。
その必須条件とは。
『自分を思いやる前に
人に対して偏りのない思い遣る心を持っていること』
思い遣る行動には色々あるのです。
私が首を縦にふらなかったのも私の思いやりです。
いずれ大人になればわかると思います。
最悪、ずっとずっとなぜ無理だと言われたかをいつも考えてくれさえすればいいと思っています。
私のお仕事は出来うる限りの思い遣る心で人の話に耳を傾けるお仕事です。
これから来る生徒さんたちのことを思うとどうしてもGOサインは出せなかったのです。
彼女がほしい言葉ではないことは重々承知だったので
お互いに辛い一コマとなりました。
大変鈍感力に長けている人でしたから。他業種であれば成果を大いに残せるタイプ。
鈍感力に長けていてはできないのがこの仕事だというのが私の考え。
25年続けてきて改めて思う今日この頃。
一匹狼の多い職業ですが、共鳴できることの多いお仕事。
関わる生徒さんたちのために日々努力されているボイストレーナーの皆様へ
尊敬の念を込めて。
ボイストレーナーは
人の生き方の支えになる素敵なお仕事です。