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天使の黒い戯言

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2018年7月の記事一覧

黒い戯言13 大口病院事件で思うこと

「同じことが起こる」  以前『てんてきから身を守る』でも記しましたが、同じ事件は起こると思います。医療従事者である限り空しさや憤り、絶望・疲労にさらされます。それに耐え切れず、体を壊したり辞めていく看護師を何人も見てきました。その負の感情の発露の形のひとつが大口病院の事件だったのだと私は感じます。容疑者の元看護師が特殊、大口病院だけが特別……という方もいるかもしれません。ただ、看護師は約166万人(2016年)いて、病院は約178000箇所(2017年)あります。私にはこの

黒い戯言11『てんてき』から身を守る

 天敵でなく点滴です  今、巷を賑わせている『白衣の天使』が起こした事件に関連して点滴についてお話。タイトルほど仰々しいものではないのですが……。生きている限り、病気・怪我を治そうとする限りいつかは点滴をすると思います。そもそも点滴というのは血管に専用の針を刺して、そこから薬液を入れることです。飲み薬よりも速攻性があり、1分もたたないうちに効果が現れる薬剤もあります。なので点滴ってけっこう怖いものなんですよ。そしてその点滴を処方する医師も、実施する看護師も人間。故意じゃなくて

黒い戯言10 お医者様は給料○○

「その骨折は別の先生にお願いして」  骨折の患者様の診察を看護師がお願いしたところ、当直の『整形外科』医師はそう言いました。あれ、骨折って整形外科の仕事じゃなかったっけ?  他にも別の病院では救急受け入れの問い合わせがあったとき「それ面倒なことになりそうだし、適当に断って。これから俺シャワー浴びるし」。  経験してきた病院の中で時々聞かれる言葉、『寝当直』。そのまんまの意味で医師が当直としてはいるが、仕事をしない(仕事がない)まま朝まで寝るだけ……というもの。聞く話による

黒い戯言9 歌丸師匠の凄さ

 好きな落語家さんである歌丸師匠がお亡くなりになった。好き……といっても落語をされている姿を見ることができず、円楽師匠(楽太郎師匠)との掛け合いが本当におもしろかったなぁ、というくらい。でもこの喪失感はなんだろう……。  さて落語をほとんど知らない私でも、師匠の凄さを伝えることができる。医療に携わる者だからできること、小さなことだけど私ができること。 ①「溺れる苦しさ」  ご存知の方は多いが師匠は肺を患っていた。それでも高座につとめていた。それが凄い。同様の病の患者様は喋る