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編集・ライター養成講座を受けて

先日、昨年12月から受講していた、宣伝会議の「編集・ライター養成講座 総合コース」を修了しました。

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この講座は、編集・ライティングのノウハウを、半年間かけて学ぶものです。業界最前線で活躍する著名なメディア関係者が先生になり、プロの目線で教えてくださいます。全40回の授業で、後半は少人数に分かれて文章トレーニングの演習授業があり、最終的には一人以上取材し、約6000字を書きあげる卒業制作を行います。

今日は、この講座を受けた経緯や感想を綴りたいと思います。受けてみようかなと考えている方の、ご参考になれば幸いです。

講座を受けた経緯

私がこの講座の存在を知ったのは、今から10年以上も前のこと。中学生の時でした。中高一貫の私立校に通っており、その帰宅途中、駅でポスターを見かけたのです。

私は子供の頃から、読み書きが大好きで、小学生くらいの頃には既に、文章に携わる仕事がしたいと考えていました。当時は趣味で物語を書いたり、家にあった400字詰め原稿用紙に、その日起きたことを綴ったりする日々を送っていました。幼稚園の頃から絵本に親しみ、大の読書家だったので、作家になりたいと考えていたこともありました。

作文は得意で、小学校の頃は転校生に宛てて書いた手紙を、クラスのみんなの前で代表として読み、中学では、中高部で発行する学内誌にエッセイを掲載していただいたり、学内の読書感想文コンクールで入賞したりもしました。

こうした学生生活の中で、人よりも、ちょっとだけ文章を書くのが得意という意識が自ずと芽生えていたのだと思います。そうしてそのまま成長し、中学生頃からはライターや編集者を夢見るようになりました。

そんななか、駅で目にしたポスターの「編集・ライター」という文字に惹かれました。ポスターにはパンフレットが付いていて、自由に持ち帰りできるようになっており、気になったのでそれを持ち帰ることにしました。

編集者・ライターを目指すなら、面白そうな授業!と思いましたが、16万という大金が必要であることを知り、中学生だった私は、「受けるのはもう少し先でもいいかな」と考えました。

それから10年以上が経ち、私は社会人2年生となりました。2、3年目はもう仕事にも慣れてきて、これから将来のことをどうしようか考え始める時期です。頭の片隅には、いつか編集・ライター養成講座を受けようという思いがあり、でもお金がかかるし、土曜日に通うので大変なのではないかという心配もありました。

入社2年目が終わりに差し掛かった頃、受けるなら早い方がいいのではないかと思い、説明会に行ってみることにしました。土曜日に通い、課題も出ますが、受講生は平日仕事をされている方がほとんどなので、課題は仕事に支障をきたすほど負担にはならないようにしている、という説明を受けました。

これだけの大金を支払うのは初めてで、少し勇気がいりましたが、編集者・ライター界のプロの方から学べるということ、同じ業種を目指す仲間と出会えることに期待し、受講を決めました。

中学生の頃には支払えなかった16万円を支払えるだけの貯金も今ならある!また、現職はほとんど残業がないので、今の環境下では土曜日も無理なく通えるし、課題も取り組みやすいと考えました。

そのうえ、これから〇期生と語る上で、どうせなら切りの良い数字がいいなと思っていたところ、なんと偶然にも40期だったので、驚きです(笑) これを逃したら41期生になるので、私は40期生に滑り込みたい!という謎の願望もありました。受講するタイミングとしても良かったと思います。

受講してみて

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講座は毎週土曜日、13時~15時、15時20分~17時20分の、2時間×2コマ。授業ごとに先生が変わります。

基礎から体系的に学ぶ

総合コースということで、未経験の方も対象にしていたので、編集・ライター職の知識を基礎の基礎から教えていただきました。

正直なところ、私は大学時代に新聞部とメディアクラブに所属して、新聞や雑誌を制作し、さらに編集プロダクションで本を制作するアルバイトもしていたので、編集・ライターの基礎はここで大半のことを学び済みでした。

総合コースは初心者の方にもわかるよう、体系的に学ぶスタンスとなっています。基礎を知っている私としては、前半の座学は”既に知っている”話が多かったように思いました。

既に編集者やライターである方は、こうした体系的な学びは必要ではないかもしれません。実際に私が受けてみて、そう思うところがありました。

文章を書く力や編集力って、実際にやっていって身についていくものだと思います。日々業務をこなし、回数を重ねることで、力がついていく。座学で聞いているだけでは、やっぱり意味がないと思います。

未経験だけど目指したいという方には、短い期間で体系的に学べるのでおすすめですが、単純に文章力をつけたいという方は、総合コースではなく、実践的に文章力を鍛える、文章力養成講座などを受けたほうが良いかもしれないです。

業界最前線で活躍する先生のお話を聞ける

それでも、業界最前線で活躍されている方から直接お話を伺える機会は、日ごろほとんどないので、そういった意味ではとても貴重な経験になりました。

こんなに著名な先生方のお話を毎週聞けるのは、すごく贅沢なことです。先生方が日ごろお仕事をするなかで、起こった経験をもとにお話ししてくださるので、自分の仕事にも活かせると思います。

仲間と出会える=コネになる

一番受けて良かったと思ったのは、同じ志を持つ仲間とたくさん出会えたことです。新型コロナウイルスの感染が広がる前は、授業が終わった後、生徒同士や先生と、みんなで名刺を交換したり、居酒屋でごはんを食べてお話ししたりしていました。

職業柄、人が好きで、話を聞くのが好きという方が多いようで、皆さん、初めましての方なのに気さくに話しかけてくれて、いつの間にか友達になっているのです。みんな一人で受講に来ているはずなのに、数回授業をすればみんな友達。先生に質問したり名刺を渡したりするために、授業後、先生の前にはいつも行列ができて、その並んでいる間にも前後の人とぺらぺら喋っていました。

講座側でも何度か飲み会の場を設けてくださり、先生や生徒とコミュニケーションをとることができます。40期は新型コロナウイルスの影響で、全体の飲み会は一度しか開催することができませんでしたが…でも修了後も、コロナが落ち着いたらまた飲み会の場を設けるそうなので、楽しみにしています。

この職種は本当に個性的な方ばかりです。そこがまた楽しいところで、自分の知らない、マニアックな趣味話を熱く語ってくれて、話を聞くのが面白かったです笑

そういう出会いがあるので、これからフリーランスを目指す方は、人脈づくりに役立てると思います。編集・ライター職の求人も、先生が募集をかけてくれたりするので、就職や仕事につながるかもしれません。

自分のレベルを確認できる

説明会で言われたとおり、課題は平日仕事をしていても、無理なくこなせる程度のものでした。後半は自分の卒業制作と並行しながら進めるので、少し大変にはなりますが、先生もそれを考慮して課題を出してくださいました。

文章を書く課題のほかに、企画を考える課題もありました。卒業制作が近づくと、卒業制作の企画を考えて、みんなの前でプレゼンする授業もあります。

特に実践的に文章を書いていくのは、後半の少人数クラスです。少人数クラスでは、3つのクラスに分かれて、毎回1〜2週間かけてテーマに沿った文章を書き、提出します。私のクラスでは、モノや場所を紹介する記事、生徒同士で取材し合う記事、気になる人へ取材する記事などが、課題として出されました。

どの課題ももちろんフィードバックをしてくださいます。私は一応経験者ではありますが、今までプロの方にちゃんと文章を見てもらったことは、あまりありませんでした。企画の仕事は社会人になってからは行っていませんので、企画の課題も上手くできているのか自分では判断できませんでした。

でもフィードバックを受けることで、自分の今のレベルを確認することができました。課題の中で、思いがけず先生方から褒めていただけたことがあり、それは自信になりました。「このまま雑誌に掲載してもいいレベル」などと、評価していただけた時は、単純なのでこれからも頑張れそう!と思いました笑

一方で、容赦なくダメ出しをくらうこともあったので、どこが良いのか、悪いのか、どこをどうしたらもっと良い文章になるのかを知ることができました。

編集者・ライターとして活躍されている方に、直接自分の文章や企画を見ていただけたことが、自分のレベルの認識につながりました。それは一つ大きな収穫だったかなと思います。

新しい気づきを得られるかも

課題の中で特に楽しかったのが、生徒同士で取材し合って、相手について記事を書くものです。学生時代を含めて、これまで多くの方々を取材してきましたが、自分が取材されたことはありませんでした。初めて取材されて、取材されることの楽しさに気づきました。

授業中に取材し合った後、先生が「やってみてどうでしたか?」と聞くと、生徒はみんな口をそろえて「楽しかった!」と言っていました。人はみんな自分の話を聞いてほしい生き物なのだと、自分のことをいろいろ聞かれて話すのは楽しいものなのだと実感しました。

それに、相手が書いた記事を読んで嬉しい気持ちになりました。私の話をくみとって、その人の言葉で書いてくれている。感動がありました。取材されて自分のことを記事にしてもらうのは、嬉しいものだと改めて感じました。

ポートフォリオができる

この講座の集大成がなんと言っても卒業制作でしょう。企画、取材アポ、取材、執筆、見出し作成まで一人で取り組みます。

コロナの影響で取材アポを取れるのか不安でしたが、私は以前から憧れていた横尾さんに取材することができたので、嬉しかったです。この記事はnoteでも公開しています。

取材して書いた記事は自分のポートフォリオの一つになります。最優秀作品に選ばれた場合は、記事が雑誌『宣伝会議』に掲載されます。40期では、最優秀賞は2作品、優秀賞は7作品が選出されました。雑誌に掲載されれば、記事が業界の方の目に触れることにもなるので、これもまた仕事につながる可能性があります。

私は残念ながら優秀賞でしたが、受賞しなかったとしても、作品は自分のポートフォリオ、財産となります。

今回、卒業制作により久しぶりにがっつり取材記事を書いて、嬉しかったのは、取材した横尾さんから喜びと感謝の言葉をいただいたことです。読者からの反応はもちろん嬉しいけれど、それと同時に取材相手に喜んでいただくこともすごく嬉しいものだと実感しました。

これからも、取材相手に喜んでもらえて、読者にも役立てる、そんな記事を書いていきたいと思います。

おわりに

40期は新型コロナウイルスの感染拡大によって、予定通りには進みませんでした。2019年12月から受講し、途中で思いがけず間に休講が入ったり、途中から自宅でのオンライン授業になったりしました。2月までは毎週のように受講生同士で飲み会に行っていたけど、それも叶わなくなりました。

先生や生徒と接することに意味があると考えて、途中から次期に移行する人も多かったのですが、私は早く終わらせようと思い、オンラインでの受講を続けました。

途中はこれからどうなることかと不安もありましたが、なんとか終わらせることができ、ほっとしました。修了式は予定より2カ月ほど延びましたが、教室とオンラインが選べる形式にしてくださいました。

思いがけず社会が大きく変化する中での受講となりましたが、前から気になっていた講座だったので、やりたかったことを一つクリアできて良かったです。

将来どうなっているかなんてわからないけれど、これからも文章に携わる仕事で、人や社会の役に立っていけたらなと思います。




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