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動物

先日、ミニブタカフェに行った。重度のアレルギー体質の私には一大イベントである。

先の二月末にアレルギー物質を感知する神経を切除する、という手術をした。根本的な解決である。

というわけで一生縁がないと思っていた“動物と戯れる”が叶った。

猫カフェがイメージとして強かったが、近くのショッピングモールにミニブタカフェがあることを知った。気まぐれな猫ちゃんに比べ、人懐っこいミニブタは動物初心者に向いてそうだと思った。

実際行ってみると、まぁなんとかわいいこと。
ほとんど幼稚園だった。
生後数ヶ月のこぶたが多く、譲渡場も兼ねているということもある。スタッフの方は幼稚園の先生みたいだった。はちみつ色の店内に木のモチーフで入口に大人の膝上程の仕切りがある。

よっこらと飛び越えると、ひたすらにぶたが人に愛でられ、ぶたが人を癒す空間。

わらわらと寄ってくるぶた。
なんやみんないるなぁと寄ってくるぶた。
ぶたがぶたを呼び、私の膝の上は6,7匹でひしめきあうことになった。

初めは硬かった私も、硬いなどと言ってられない。ふひふひと鳴くこぶたの口元はこそばしく、ほんのり湿ってあたたかい。カフェとは言うものの、帰り際にひとくちオレンジジュースを頂いて終わりだった。ずっとぶたに夢中。

少しの膝裏のしびれと、多幸感で満たされて退店した。生きて動くものはとても暖かかった。

兄弟を紹介された。2匹兄弟と4匹兄弟が揃って私の膝の上に落ち着いてくれていた。

君たちはどこか幸福な人間にもらわれて、そこで惜しみなく愛されて、何も恐ろしいことを知らないままで終わってゆくといい。

でも、兄弟とは、もう二度と会う事は無いね。

なにかの偶然で君たちがもう一度出会っても、互いを思い出したりするのかしら。

私のひざにいる6匹を撫でながら、少しだけそんなことを思った。