【ポエム】～見上げた青空～

憎しみの気持ちを
心に宿し続けて生きることは
なんとつらいことだろう

理不尽に傷つけられたその心は
あれから痛みがいつまでも
波打つように続いているというのに

傷つけた者はすぐに忘れて立ち去る

傷つけられた者はその痛みから
憎しみを宿した故に
苦しさから逃れられず
涙が枯れるまで泣いてのたうちまわる

苦しさから　つらさから
なんとか逃れようと　術を探し続ける

あきらめてたまるか！！

この人生まで台無しにされてなるものか！

その言葉を何度も繰り返し
何度も這い上がる

もがいて　もがいて気づいたこと
それは　傷つけた者を無理矢理にでも
心の中で「無」の存在にしていくこと

心にあらわれるその声を
その姿を　罵声を
何度も何度も
「無」の存在にしていこうと試み続ける　
たった一人の心の戦いだ

年月を費やして
やっと「無」の存在にできた時
その心に巣くっていた憎しみが
少しずつ消えてゆく　

たった一人の孤独なつらい戦いを
勝ち抜いたその心は

穏やかで　澄んでいた

生きてゆける
そう強く感じた

久しぶりに見上げた空はとても青かった