お前は仕事で憂さ晴らしするな!?
今、教師席に座っている。
高校生が、中間考査後の勉強に来る。
玄関入って来るので、順番に話しかける。
今日のテスト、どうだった?
よくできる生徒に、
頭がいい奴やいいよな、って言われたら、どう思う?
などなど。
どうも教師席に座って、生徒たちとあれこれやっていると気持ちが晴れ晴れとしていく。
女性同士の会話。同年配でも高齢者でも、ときに閉塞感のある話になってしまうことがある。
昨日、思い切って(ほかの記事で、スーパーのお寿司を買いに行って教室で食べた話を書いたけど?)、一人で出掛けた。以前は、一人で出掛けた!と言って糾弾されて、そうではなかったアリバイをあれこれ挙げる羽目になったが、昨日は正真正銘一人で出掛けた。
教室が終わってから出掛けるので、開いているお店は限られてくる。
一軒目、たくさん人がいるからあきらめた。
二軒目、人がいないからそちらにした。
本当に久しぶり。
一時は結構詰めて行っていたので、これでは常連でもなく、ちょっと行きにくい感じ。でも受験期など大変な時期になっていたので、まあ仕方がなかった。
第一、以前より味が落ちた感じ。
その店長さんが独立されるということをスーパーで会って知ったことがあった。それから一度は行った。
その場所を見ていたら、まだ看板が以前のお店のままだった。
あれこれお互いのことを話していた。
私が十年前に開業したこと。
不安がなかったか?と訊かれた。
もちろんあったけど、目の前のことに必死だったこと。
それに、私が頑張っている姿を見せる必要があったこと。だから、一生懸命だったこと。
そして、思わず、
コンサルさせて!
と話し、その場でちょっと思い着いたやるべきことをさらっと伝えた。
そのときに、開業当時を思い出した。
何にもわからなかった。
気分転換を兼ねて本屋さんに行き(本屋さんに行くと、その時その時に頑張っていることとの絡みで行く場所が違い、どこのコーナーにも思い出がある。)、その頃は、もっぱら経営書の当たりをうろついていた。
稲盛さんの本を手に取ったのもそのときだった。
先日、本棚を整理していたら、本棚一段全部稲盛さんの本で埋まっていた。同様に埋まっているのはピーター・ドラッカー。古本で赤いシリーズを購入し、おまけに、『マネジメント』は英語版まである。ハマっていた時期を思い出す。富山まで勉強会に出掛けた。その時の楽しさ。英語版を教えてもらったときの雰囲気を思い出した。
思えば一生懸命だった。
指導は、そこそこ自信があった。そのときどき、生徒が差し出す課題を一生懸命に指導すればいい。なんとか高校や大学に入ってもらえばいい。
国語は深ーい解説をしても大丈夫だし、それを英語や数学にも応用させていけばいい。
ただ、経営は、初心者だという思いからなかなか抜け出せなかった。
ご自分の力がどうってことない人ほど人のやっていることを評価なさらない。褒めていただける方とそうでない方が両極端だった。
自分の経営力も外に出るとわかってくる。
それも面白かった。
勝手にコンサルしてみて、ああ、それなりに頑張って来たなあ・・・、と思えた。
ただ、最近、生徒にも話しているが、私はちょっとばかりゆっくりモード。家庭的なことが生活の中での比重を占める割合が多くなっている。おそらくこの傾向は五月いっぱいくらいは続くだろう。
この時期をこういう風に過ごしてみることにした。
次の年度に前年度の疲れや精神的な澱みたいなものを残してはいけないと思ったのである。
初夏の風は、ちょっと自分を取り戻すために感じた方がいいような。
だからパジャマも縫うし、文章も書こう。
私はどうも大きなことに堪えたりしないようである。
小さいほんのちょっとした感情論。その揺らめきを感じてはしんどくなる。
アドラーも言っているように、大抵の悩みや人間関係から来るものらしい。
ということで、私はあれこれあっても、教師席に座って指導をするとなんとかなる。背筋が伸びて、気持ちもしゃんとして、他のあれこれがどこかにぶっ飛ぶ。
でも、昨日は家に帰りたくなかった・・・。
ああ、これでは昭和のお父さんたちが飲み屋による姿と同じではないか!?
家に憂さを持って帰りたくなくて飲みに行く・・・。
とはいえ、私は車だし、それでなくても宴会はウーロン茶で乗り切るタイプ。
でも、昨日はノンアルコールのワインを飲んだ。
アルコールが入ってないと、これもまたあまりおいしくはない。
私の好きなのは、日本酒のおいしいのである。
一度、木箱入りの、何かを受賞したという素晴らしい日本酒をいただいた。私にと言っていただいたものだったから、どうしても私が飲まなければならなかった。飲んでみた。
そしたら、とってもおいしかった。
それからしばらくは日本酒にハマった。
家の中で日本酒をお風呂に持ち込んだときには怒られた。
銘柄を当てられるほどには詳しくないが、どこかに銘酒があった場合、試してみたくなるほどには好きである。
沖縄出張に行ったときに、こともあろうに、ホテルの朝食バイキングの片隅に、日本酒があった。セミナーは13時から。ほんの一口だけだから大丈夫だろう・・・、と思って、じーまみー豆腐がおいしかったのもあり、調子に乗って飲んでみた。
すると、朝食が終わる頃にはふらふら。疲れがピークの時に出掛けたので、酔いが回る回る。
部屋に着くや否や、お酒を抜こうとバスタブにお湯を張り、大急ぎで入ってから、とにかく出掛けるまで眠ることにした。
もう少しでセミナーに遅刻しそうだった。
ついでに、その前の札幌の出張の時には千歳空港で飛行機に乗り遅れて、一日千歳で過ごすという人生で最も恥ずかしいとも思われることをしでかした。
あれこれあった出張事件だった。
当時、経営者になりたくて、勉強に行っていたと思う。
仕事なんて簡単。
そんなことより大変なことが世の中にはたくさんある。
そんでもって、
仕事で憂さ晴らししてるんじゃないの!?と思ってみたりしている。