何年も前の今日、娘と息子の入院。
今日はクリスマス。
ときは何年も前に遡る。
札幌での子育て時代。
息子をおんぶして、娘の大好きなプーさんのトレーナーを着て、長靴を履いた私は、大きな病院の小児科の前で、熱を出して、ゴホゴホ嫌な咳をする娘を心配しながら、診察の順番を待っていた。
本当に心配で不安だった。
ときはクリスマスも近く、ちょっと前には娘のバトンの発表会が終わり、本当は家族で楽しいクリスマスを迎えるはずだった。
手作りのリースも作ってあった。
突然、娘がマイコプラズマ肺炎になって、2日目には息子が熱を出した。
母親の勘は当たる。
なんとか入院させてもらった。
先生は、自宅に帰らせたそうだったけど、怖くて怖くて、なんとか入院させてもらった。
4〜5日、と言われていたのに10日もかかって、やっと退院させてもらえた。
夫は年末で超絶多忙。
気遣うより気遣われたい時期。
子どもを病気にさせた、と叱られた。
集合住宅では、直前に揉め事があり、誰も頼りにできなかった。
本当に心細かった。
でも、なんとか乗り切った。
夜は床にゴザを敷いてお布団を敷いて眠る生活だった。
考えてみれば、今の娘の年より、たった二歳しか年上でなかった。
若かったなあ。
昨日、娘がお腹にいるときに、ピアノのレッスンに通っていた、ちょっと寂しい想いをしながら一人で歩いていた狭い通りを、車で通った。
当時免許を持たなかったのに、今やどこでも行けるようになった。
なんと、生徒たちのためのお買い物をするための帰り道。
当時の自分を思い出して、笑ってしまった。
寂しかった私が、ここにいるから、住んでいられる、とまで言ってくださる方もいらっしゃるし、あれこれあったにしろ、今はなんとか教壇に立ち、人の役にも立っている。
若い頃に心細い想いをした分、若い人にもちょっとだけ優しくなれる。他所から来た人の気持ちもちょっとはわかる。
今日、保護者の方と進路についての面談をしていて、ああ、わかる、わかる、とついつい、自分より若いお母さまが愛しくなった。
精一杯、お子様方を育てさせていただこう。
若いときのたくさんの経験や若手母親だったときの子どもたちへの想いを支えにして。
経験、って、しておくものだなあ、とつくづく思う。