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プロダクトマネージャーの2.5年間を振り返る

この記事は プロダクトマネージャー Advent Calendar 2024 の10日目の記事です。昨日は『【ネタバレ有】PdM採用面接での質問集』(@toitechさん) でした。

こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(@himara2)です。

プロダクトマネージャーを始めて2年半が経ちました。右も左もわからない状態から先輩たちの本を読み、他のプロダクトマネージャーの方と話し、現場で試行錯誤しながら少しずつ理解を深めているうちにあっという間に月日は流れました。

私は学んだことは書き留めておきたいタイプで、プロダクト作りに関する新しい学びはnoteに書くようにしています(「PdM日記」というタグをつけてまとめてます)。このnoteでは多少は理解が深まったプロダクトマネージャーの仕事について、これまで書いた記事を引用しながら振り返ってみたいと思います。

最近はプロダクトマネージャー関連の記事や本もよく見かけます。同じプロダクトマネージャーという名前でも会社によって全然仕事内容が違い、私の書いている内容も人によってはズレた内容になるでしょう。私のキーワードはこんな感じです:

興味関心のキーワード:
BtoB、SaaS、スタートアップ、toB、エンジニア出身、デザイン・ビジネスに興味あり、PLG、CLG、便利なものを作りたい、個人開発、チーム開発、組織文化

近いものがあれば参考にしていただける情報があるかもしれません。それでは本文に入ります!

プロダクトマネージャーのしごと

プロダクトマネージャーの仕事を分解すると「決める」と「つなぐ」。それぞれの下に「仕様」「ロードマップ」、「会議進行」と「組織文化」になる
プロダクトマネージャーの仕事を4つに分けてみる

自分が見てきたプロダクトマネージャーの世界を簡素化して表現すると上図のようになります。
大きく「決める」「つなぐ」という仕事があり、それぞれ「短期・長期」と「単発・継続」でさらに細かく分かれるイメージです。この4つに分けて見ていきます。

1. 仕様を決める

まずは「仕様決め」です。プロダクトはユーザーの課題を解決してナンボですが、解決する方法は無限にあります。選択肢がたくさんある中で筋が良いものを選ぶ。ユーザーの課題を理解し、エンジニアやデザイナーと相談しながら最適な解を探していく仕事です。

使いやすいデザインとは何か?昔から興味のあった問いを深掘り、整理したのが以下の2つのnoteです。それぞれUIで考えるポイント、UXで考えるポイントの整理といえるかもしれません。

仕様をどこまで複雑にするかのバランスも重要なテーマです。超柔軟に作ることは必ずしも正解ではありません。技術的な運用負荷が高まりますし、ユーザーも理解しづらいものになってしまいます。
「こういう場合は用途を限定し、こういう場合は柔軟にする」基準が欲しくなります。その基準を自分なりにまとめたのが次のnoteで、SimpleとEasyで分けて整理しました。

2. ロードマップを決める

仕様が「どう作るか」なのに対してロードマップは「何を作るか」です。ここを間違えるとどれだけ優秀なメンバーがいても成功することはないので超重要です。

何を作っていくかを決めるには「ユーザーの理解」と「会社の戦略の理解」の両軸が必要です。noteではインタビューへの取り組みや、戦略とは何をすることなのか?を深掘りして書きました。

ユーザーや会社の状況をよく把握したとしても、未来のことを決めるのは困難です。失敗は避けたいですが、絶対に間違えないタイミングまで待っていると機を逸します。
意思決定とは不確実な状態のなかでベストを選び、それを正解にしていく作業です。これはプロダクトマネージャーになってからよく考えるようになって面白かったのでnoteに自分の考えを書いてみました。

さらに、私の働くmicroCMSという会社ではPLG戦略を掲げています。PLGはProduct-Led Growthの略で「プロダクトでプロダクトを売る」戦略です。入門書は良書があるのですが具体的な体験談はあまり見当たらなかったため、会社で実践した内容を振り返って書いたりもしました。

3. その場のつなぎ役になる

プロダクトマネージャーは多くの専門職を橋渡しするジェネラリストです。「つなぐ」仕事も多く、日常でいうと会議のファシリテーションなどがそれにあたります。私の会社はフルリモートワークで働いており、会議の進行ももちろんリモート。リモートにおける進行術でまとまってる記事が見当たらなかったので自分で書きました。

また、会議以外でも人を巻き込んで話す場面がよくあります。以下のnoteではSlackで質問したり、話が進んだスレッドに新しい人をメンションで呼ぶ際に気をつけるポイントをまとめました。

4. 組織のハブになる

ファシリテーションはその場のスキルですが、プロダクト作りは長期戦。長い目で見て強い組織・チームを作っていくのも重要です。例えばプロダクトマネージャーとデザイナーは役割の多くが重なっていますが、お互いの役割を定義できてると滑らかに連携できそうです。そう考えて書いたのが以下のnote。

その他、組織づくりでいうと以下のようなことも自分の中で勉強が必要な箇所でした。

  • 同じ価値観を共有して前に進むためのバリューをどう使うか

  • 「オレについてこい」タイプではない自分がどう人を巻き込んでいくか

このあたりのnoteは自分向けすぎるのかPV数でいうと全然ですが、どれも自分的にはハッとした内容です。

振り返りはこんな感じです。

経験したことをnoteに書いてみて

振り返ると2年半で24本のnoteを書いていました。内容を見てみると時期によってかなりやっている仕事が違います。プロダクトマネージャーはその場に応じて立ち回りを変えることも多いので、その時点の関心事を言語化して書き留めておくのは復習もできて良い気がします。

かなり自分に特化した内容もありますが、もしどなたかのお役に立てていたらうれしく思います。

おすすめ本紹介コーナー

いろいろな分野を勉強する上で感銘を受けた本をざっくばらんに紹介していきます。

プロダクトマネージャー全般

全体像を抑えるのにまずはこれから。プロダクトマネージャーの仕事の全体像が見えます。余裕があれば同じシリーズの「EMPOWERED」も合わせて読むと理解が深まります。

作るものの総量「アウトプット」とユーザーに届く価値「アウトカム」は違う。どう違うのか、なぜその差が生まれるのか。ものづくりへの取り組み方が分かります。

名著です。上の2冊含めてプロダクトマネージメントの本は崇高なことが書かれていますが、この本はリアル。制約のある組織でどう動くか、自信をなくしそうなときはどう考えるか。よくある悩みを赤裸々に書き、それとどう折り合いをつけるかが書かれています。プロダクトマネージャー初めて半年くらいの時に読むと良い気がします。

考え方

人間にはバイアスがあり、先入観により認知が歪む。それを乗り越えるのが集合知で、いろいろな観点を持ったメンバーをどう揃えてどう活かすか。組織のなかの意思決定について学べる一冊です。

一番良い選択肢を選べたのは頭が良い人でも経験豊富な人でもなく「何度も考え直した人」。一度決めたことはひっくり返しても良い。それが検証した結果であるならば。決めたレールをグングン進むのが強いリーダーだと思っていましたが、柔和な路線でも良いんだと思えた一冊。

戦略・組織

わたしたちは目標から逆算して考えてしまうが、今ある資産を活かしてどう積み上げていくかの考え方もある。今時点ですべてを見通すのは無理がある。不確実な中で前に進み、偶然の出来事やつながりを追い風にする。今の時代によくあった考え方な気がします。

読み物としてもめちゃ面白い。会社とは何か、ビジョンとは何か、人材とは何か。起業する際は何かしらの志があるはずだがいつの間にか市場の評価が気になり、投資家の目線で会社を論ずるようになっていく。人を成長させるなんてことは他者には無理で、マッチング度の高い環境や役割を用意するまで。本質とはこういうことかと震えました。

マーケティング

マーケ界でおなじみの一冊。匿名化された多数のアンケートから傾向を読み取るのではなく、N1、つまり特定の一人を深く掘り下げることで顧客を理解していく。個人的にはふわっとしがちなブランディングを定式化しているところが大変面白かったです。ブランディングは継続に効く。

この本だけでなく森岡さんの本はどれも面白い。マーケ部門として頑張るというよりはマーケとプロダクトが繋がった組織を作る。広告やプロモーションに限定せず、本当の意味のマーケティングを学べる一冊です。

文章・UXライティング

漢字とひらがなのバランス、箇条書きの有用性、句読点の打ち方など実践的なUXライティングが学べる本。これをチームメンバーで呼んで管理画面のライティングを見直したりしました。キャッチコピーは目を引くことが重要だがUXライティングの目的はそこではない。

ナタリーで教えていた文章術を詰め込んだ本。Webサービスというよりは記事に関するものだが、時制の表現など美しくて簡潔な日本語が学べる。上述の本もそうですが日本語の例で具体的に教えてもらえる本はありがたいですね。

エンジニアリング

技術そのものというよりは開発に対するマインドを教えてくれる本。Microsoftで働きながらエースといわれるエンジニアは何が違うのか、それを観察してうまくまとめられている。まず問題を切り分ける、大事な2割のタスクに集中する(残りの8割はどうせ変わるから)というのはとても重要。

おわりに

書いてきたnoteやお世話になった本を振り返ってみました。来年はAI活用が本格化する年になりそうで楽しみです。最後までお読みいただきありがとうございました!


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