リモート会議をファシる技術
こんにちは!プロダクトマネージャーのひまらつ(@himara2)です。
プロダクトマネージャーはハブとして働くことも多く、会議のファシリテーション(進行)をする機会が多くあります。ファシリテーションはそれ自体難しいですし、リモート会議ではさらに難易度が高まると感じています。
このnoteではリモート会議の難しさ、そして少しでも良いミーティングにするために自分が意識していることを書いてみます。
参加者が意見を出しやすい場をつくる
ミーティングの種類にもよりますが、自分は基本的に全員が意見を表明できるのが良いミーティングだと思っています。アイデアを発散するときでも何かを決めるときでも、多角的な意見が多く出る方が前進します。
ところがリモート会議で参加者が多い場合、お互いに牽制しあって対面のときよりも発言が少なくなる傾向があります。これはリモートの画面越しだと他のメンバーが喋り出す気配を感じられず、言葉が被ったときにグダるのを避ける気持ちから来ているのではないかと思っています。
発言しやすい雰囲気を作るために、次のようなことを意識しています。
バイネームで振る
誰が答えても良い質問の場合、逆に全員が遠慮して答えにくくなります。そこで、次のようにバイネームで指名します。
こんな感じです。ポイントは指名する人の名前を、最後ではなく質問の途中で挟んでいることです。
ファシリテーターと違って発言の機会が少ない参加メンバーは常に集中して流れを追えているわけではありません。いきなり質問を振ると焦らせてしまうので、途中で名前を挟み、その後に質問の内容を繰り返すことで良い形で質問をパスできます。地味ですが特にリモートでは有効に感じています。
ちなみに、これは「ひるおび」というワイドショーで司会のホンジャマカ・恵さんがやっている方法を真似しており、心の中で「恵式」と呼んでいます。
喋りやすいタイミングを作る
ファシリテーターが話し続けていると、気になることをツッコんだり質問したりするタイミングが参加者側で計りづらいです。この対策として「今喋れる」というタイミングを作れると良いです。
自分がやってるのは進行中に定期的にお茶を飲むことです。お茶を飲んでいるのは画面上で全員がわかりますし、飲み終わるまでは絶対に次の話がはじまることもないので発言のターンを他の参加者に渡すことができます。テーマが切り変わるタイミングで、ここまでの内容に疑問や質問がないかを振り返って聞くのも有効に感じています。
事前にドラフトを展開して書いておいてもらう
思考のスタイルは人によってまちまちです。話しながら考えるのが好きな人もいれば、じっと考えてアイデアを練る人もいます。
あらかじめ会議のゴールやアジェンダをNotionに書いて参加者に展開しておくことで、各々のペースで考えてもらえます。8割くらい決まっていて最後の2割を詰めるような会では「自分はこうしたいと考えている」というドラフトを書いておくと、自由に考えてもらうよりも議論の対象が明確になります。
↓Notionベースでの会話については以前こちらでも書きました
ファシリテーターが自分で議事録をとる
議事録をとるのは新人の仕事ではありません。進行している人がNotionを画面共有し、参加者から出た意見をそこに書いていきましょう。
画面に写されている場所や書き込まれていく場所をみて、参加者は「いま何の話題なのか?」の理解をあわせられます。なにか他サービスの参考情報などが出た場合はその発言者にリンクを付けてもらうと後で振り返りやすいでしょう。できるだけ「同じもの」を見ながら進行することを意識しています。
ミーティングで話していると次に向けたアクション案が出ることがあると思いますが、それも話しながらタスク化します。microCMSでは議事録の末尾に「Next Action」のコーナーを作って、そこにミーティング中に出たタスクを並べます。担当者も話し合って決め、Notionのメンション機能を使って誰のタスクかをわかるようにしてミーティングを終えるようにしています。
大人数が参加するミーティング
全体会のような参加者が多いミーティングの場合、全員に話を振ることは現実的ではありません。そういったタイプの会議では別の形で参加しやすいように工夫します。
チャットを活用する
SlackのHuddleやGoogle Meetのコメント機能を使って、参加者が気になったことをコメントしてもらうようにします。大人数の前でマイクをONにして割って入るよりはチャットに書くほうが抵抗が少ないかと思います。
話の区切りが良いところでチャット欄を振り返り、書いてもらった質問やコメントに答えていきます。質問を深掘りするときは質問者に尋ねて、マイクONにして話してもらってもよいでしょう。
リアクションしやすい場にする
HuddleやGoogle Meetには絵文字でリアクションできる機能があります。コメントよりもさらにハードルが低く、良いと思ったことや共感したことを表明できます。これを積極的に使ってもらうのはかなり有効です。
リモートで喋っているとちゃんと音声が届いているのか、意図が伝わっているのかとても不安になります。一人でもリアクションしてくれると安心感がかなり得られるので、積極的に反応してあげると良いと思います。
余談ですが、前職のヤフーにいたときは「実況」という文化があり、朝礼などで部門長が話したこと文字起こししてSlackに投稿してくれる人がいました。聞き手が興味があるものはコメントにたくさんのスタンプがつき、どこで盛り上がったかが可視化されていました。1クリックで反応を示せる最もハードルが下げられたリアクションで、とても好きな文化でした。
リーンコーヒーを採用する
少し種類は変わりますが、特に事前にテーマを設けないタイプのミーティングもあります。プロダクトについて雑談する、会社の気になっていることを話すなど。事前にアジェンダを設けないミーティングに良い方法で、「リーンコーヒー」という手法があります。
リーンコーヒーでは会の冒頭で参加者全員が気になるトピックを出し、そのトピックについて投票します。そして票数の多いトピックについて話し、数分経ったら次の話題に移る、というフレームワークになっています。
リーンコーヒーの面白いところは集まったメンバーによってトピックが変わってくること、そして投票で内容が決まるので誰も興味のないことを話している時間をなくせることかと思っています。
仕事をしているとアジェンダにあげるほどではないけどちょっと気になるな、ということがあったりします。リーンコーヒーでは誰も興味なければ票が集まらずアジェンダ化されないので、気軽に意見出しできます。トピック出しで書くことで「私はこれに関心があります」という意思表明になりますし、そして自分が気になっていることは他メンバーも同じように思っていたりするものです。
↓リーンコーヒーの詳細はこちらの記事が詳しいです
おわりに
会議、とくにリモート会議のファシリテーションについて自分が意識していることを書いてみました。いろいろ書きましたが、要は参加者が思ったことを言える場にしたいということです。集合知を活かして良いものづくりをしていきましょう!
プロダクトマネージャーをやりながら学んだことを「PdM日記」と名付けて書いてます。よければ読んでみてください:)
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