My LOVE ベン・ガンは「素直で、本質は押さえているけれど、表面的な部分を綺麗に整える事には固執しない」(宝島)
スティーブンソン著小説「宝島」を読みました。
主人公たちが裏切ったり裏切られたりしながら、宝島を目指すお話。海賊たちが生きる世界、その時代の独特な雰囲気を感じる異世界の物語だった。
個性的なキャラクターがたくさん登場したが、私が一番好きだったのは、仲間に取りこのされて宝島に3年間一人で住んでいたベン・ガン。
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ベン・ガンの可愛いポイント①
「チーズのひときれでも持ってはいないか。」
「人間どこにいても、おれにいわせりゃ、なんとか生きてはいける。しかし、たまには人間なみの食い物がほしくて、たまらなくなる。おまえ、チーズのひときれでも持ってはいないか。」
ベン・ガンが3年ぶりに人間に出会って、すぐにチーズを食べたいと言っている姿。また、その後に移動しながら相手の返事がないにも関わらず話つづける姿がなんだか愛らしくみえた。
3年間の孤独と島での暮らしを想像すれば、今コロナの影響でしている外出自粛はなんともないように思えてきた。
人と話すこともできる。人間らしい食べ物も食べられるから。
ベン・ガンの可愛いポイント②
飾らないけれど、大事なところはしっかりしている
ベン・ガンの愛らしさは、小説中のこんな描写にも表れていた。
ベン・ガンのごどんな舟がわかってもらうには、人間がつくった一番最初の、いちばんできの悪いコラクルといえばいいかと思う。だが、それはコラクルの最大の利点だけは、ちゃんと持っていた。超軽量で持ち運びがらくなのだ。
ベン・ガンの船(コラクル)は、綺麗で高性能な舟ではないけれど、大事なところだけは押さえている。
「飾らないけれど、大事なところはしっかりしている」という在り方に、どことなく惹かれた。
ベン・ガンの可愛いポイント③
照れて鰻のように身をくねらせて喜んだ
また、あるシーンではベン・ガンが照れた時に鰻のように身をくねらせて喜ぶ。
そうやって、全身で素直にわかりやすく感情を表現する人間に対して、親しみを持てるなと思った。
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こんな理由から、私が「宝島」の中で一番好きになったのはベン・ガンだ。
彼のように、素直で、本質は押さえているけれど、表面的な部分を綺麗に整える事には固執しないような人になりたいなと思った。