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「バリューマップ」と「顧客プロフィール」をフィットさせ続ける(バリュー・プロポジション・デザイン)

「バリュー・プロポジション・デザイン 顧客が欲しがる製品やサービスを創る」を読みました。

新規ビジネスのマーケターとして、顧客や製品の理解を助けるフレームワークに興味を持ちました。

本書は、スタートアップ企業や既存組織の新規事業開発で「新しいビジネス」を作るためのフレームワーク「バリュープロポジション」についての本です。フレームワークの解説から、活用プロセスの説明、具体例を、豊富なイラストを使ってわかりやすく説明している本でした。

バリュー・プロポジション

本書によると、バリュー・プロポジション(価値提案)とは、製品やサービスから顧客が期待するベネフィットと定義されています。

バリュープロポジションを明確にするには「①価値の創造(Create Value)」と「②顧客の観察(Observe Customers)」をフィットさせる必要があります。

①価値の創造

価値の創造は次の3つの視点で考えます。

Value Map(バリューマップ)
ⅰ. 価値提案を基に作られる製品とサービスのリスト
ⅱ. 製品とサービスがどのように顧客の恩恵になるか
ⅲ. 製品とサービスがどのように顧客の悩みを取り除くか

まずは、この3つを出来る限り具体的に沢山書き出します。そして、3つについて書き出したものを、それぞれ顧客から見た重要度に従って順位付けをします。

②顧客の観察

顧客の観察は次の3つの視点で考えます。

Customer Profile(顧客プロフィール)
ⅰ. 顧客の仕事
ⅱ. 顧客が達成したいこと、顧客が求める具体的な恩恵(ゲイン)
ⅲ. 顧客の仕事に関係する悪い結果、リスク、障害(ペイン)

バリューマップと同じく、この3点について、なるべく具体的に沢山書き出し、重要度に沿って優先順位付けをします。

フィット(Fit)

製品やサービスから顧客が期待するベネフィットを提供するために、「①価値の創造」と「②顧客の観察」をフィットさせる必要があります。

フィットを考える際は、下記の2つの視点が大切です。

フィット(Fit)
ⅰ. 顧客にとって欠かせないゲインに応えているか?
ⅱ. 顧客にとって深刻なペインに応えているか?

この2つの視点で「①価値の創造」と「②顧客の観察」で書き出した内容を見比べることで、製品やサービスを通して顧客が本当に必要とする価値提案を生み出していくことができます。

3種類のフィット

フィットのプロセスは「理論」「市場」「利益」の3段階あります。

3種類のフィット
ⅰ. 理論:問題と解決のフィット
ⅱ. 市場:製品と市場のフィット
ⅲ. 利益:ビジネスモデルのフィット

バリュープロポジションのフレームワークを使って「ⅰ. 理論」と「ⅱ. 市場」のフィットを見つけ、最後に「ⅲ. 利益」のフィットをさせるにはビジネスモデルキャンバスというより多くの要素を考慮したフレームワークを活用することが有用です。

まとめ

新しいビジネスを生み出す際は、綿密な計画を立てるよりも、まずは、バリュープロポジションのアイデアを出し、出来る限り実際の顧客の声を聴きながらビジネスを育てていくことが大切だとわかりました。

より具体的なビジネスモデルを考えるフレームワーク「ビジネスモデルキャンバス」を使用する前に、まずは何よりも「①価値の提案」と「②顧客の観察」が重要だと感じました。

マーケターとして、上記2点のフィットを常に探し続けていきたいです。

オマケ:本書の無料お試し版(p100)もありました!