「創造性」を高めて新たな価値を生み出す ヨガで訓練していく
創造という言葉からは、何か閃く才能、天才的な発想力のようなイメージがあるかと思いますが、「創造性」「創造力」とは、ゼロから考えてうまれるものではないと言われています。経済産業省によると「職場や地域社会で多様な人々と仕事をしていくために必要な基礎的な力」として提唱している社会人基礎力の中の一つであり、「疑問を持ち、考え抜く力」と定義づけていて、この「創造性」「創造力」こそが、新しい価値を生み出す力であると位置づけられています。AIの台頭や次々と画期的な技術やサービスが広がる現代において、いかに新しい価値を生み出すことができるか。社会において、重宝される力であることには違いません。今回は、創造性、創造力について話していきたいと思います。
モーハン:業種問わず様々な業界、企業でも「価値創造」、「イノベーション」といった言葉が掲げられるように、新たな価値を生み出すことの重要性が問われているなと感じます。
ヒマギリ:確かにどの企業でも、常に新たな事業やサービスに挑戦しているよね。
モーハン:「新しい価値を生み出す」ことって、そう簡単にはできないことだと思います。既存の仕事も地に足つけつつ、覚悟と信念をもって新たなことに挑戦していくには企業にも、働く人にも忍耐と体力が必要で、具体性を持たないと実現がとても難しい目標だと思います。
ヒマギリ:目的・目標の軸をしっかり定めて取り組んでいけるといいよね。まず「価値」の基準が何かを見ていきたいね。名声や成績、美貌、収入などに価値を置く人もいる。でも本来、人の価値を決めるのは、他者の命をどれだけ尊ぶのかという知性の高さにある。その知性の高さこそ、創造性・創造力の種になるものだと思う。
モーハン:価値の基準、そういった視点で考えたことはなかったですね。知性の高さが創造性・創造力の種であること、詳しく教えてください!
ヒマギリ:創造性・創造力って、未来のイメージだと思っている人が多い。
明治時代の歌人・文学者である与謝野晶子の言葉にも「創造は過去と現在とを材料にしながら新しい未来を発明する能力」とあるように、過去と現在から生み出されるもの。これはヨガの教えとまったく同じ。これまで紡いできてくれたたくさんの人の命を尊びながら、過去自分に与えてもらったものをどれだけ今、現在に使おうとしているか。そこから未来に必要なものが見えてくる。
モーハン:ヨガで学んできました。いま生きているのは、産み育ててくれた両親のおかげ。両親もまた同じであること。過去、紡いできてくれた人たちの命を尊ぶこと。それを今に活かすこと。それが知性の高さであるということですね。
ヒマギリ:知性を高めて、感謝を忘れないということ。それが創造性・創造力を高めてくれるはずです。
モーハン:今、社会で求められていることが、5,000年以上も前から受け継がれてきているヨガの教えにある。あらためてヨガから学ばせてもらうこと自体が、尊いことなのだなと思います。知識だけでなく、体を使うアーサナから学べることが本当に素晴らしいことですね。
ヒマギリ:ヨガを伝えてきてくださった先人たちへの感謝。ここを忘れてはいけないね。ヨガの練習では、太陽礼拝がある。マットの中、決められた「今」の中で、決められた感謝にまつわるポーズを繰り返す練習がある。何度も何度も練習を繰り返すことで、自分の癖や自分ができることが見えてくる。また次のポーズに挑戦するときに、自分というものを、どのような体の使い方、意識の使い方にしていくのか挑戦していく。そうすることで、創造性・想像力を高める訓練ができる。
モーハン:決められた、過去から受け継がれたきたポーズを、今という状況の中で、疑問を持ち、考え、体を使って挑戦していくことを繰り返していくんですね。太陽礼拝の練習をまたさらに深めていけそうです!
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