世界は広いと思った話

私は最近、「神様のバレー」という漫画をアプリで読んでいる。

そのアプリでは一日に数話が無料で読めるという今ではよくある方式がとられている。

無料で読めるのは嬉しいのだけれども面白いと思ってしまったが最後、続きが気になるのだ。


一日で読める話数には限界がある……だけど読みたい……でも課金はなぁ……。


そんな気持ちを解消するための方法として、達成報酬というものがある。これは指定されているサービスに契約したり、アプリを起動したり特定の画面まで進める事で報酬をもらうというもの。

もらった報酬で気になる漫画の続きが読めるので、今すぐにでも続きが読みたい私にはやらない手が無かった。

そして私が選んだのは……。




「impossible kart」というゲームアプリを「5-4」までクリアするというもの。



はじめまして、驚異の評価率!

早速インストールにかかるのだが、何とこのアプリGooglePlayStoreでの評価が「1.1」!!!

ここまで低いのは初めて見るかもしれない……!!

これは中々に期待ができそうだ……。


という事でインストールを終え起動。


クソゲーのお約束

ところで世の中には「クソゲー」と呼ばれる類いのゲームが数多く存在する。

そしてこれら「クソゲー」にはよくある共通点みたいなものがあるのだが

その内の1つが、

「プレイヤーで設定できる事が極端に少ない」

というもの。

クソゲーとされるものには結構当てはまるものが多いのではと思う。

そして1.1の評価がついている「impossible kart」もご多分に漏れず、設定できるのは「効果音とBGMのオン・オフ」のみ!!!

しかも!「同時にオン・オフ」だ!!!

BGMだけ消して効果音はつけておく、なんて器用な事はできない。

BGMと効果音は一蓮托生。どちらかが消えるのならば、残されるもう片方も消えていく。優柔不断はお断りな作りとなっている。

果たして評価通りのゲームなのだろうか…?


開幕から不安しかないが、さっさと報酬が欲しいのでゲームを始めていく。



固定観念をぶっ壊せ!!!

ゲームにおける一番始めのステージとは、チュートリアル的な面も兼ねていると思う。

例えば、スーパーマリオブラザーズ。

ジャンプと移動のシンプルな操作で、敵を倒したりブロックからアイテムを出現させ攻略を簡単にさせる等、今後進めていく上で必要な要素がちゃーんと体験できるようになっている。


だが「impossible kart」は違った……。



1-1を選択すると、進め方について説明が表示される。

なるほどなるほど、障害物にあたると即ゲームオーバーで、ジャンプは3段までできるんだな……。

マリオみたいなものか?簡単そうだぁ!!


表示されていた画面をタップするとゲームスタート。

始めに指示がなされていたように自動で移動がなされていき、障害物となる「トゲ」が見えたので、ジャンプをさせる。


「FAIL」という文字とボロボロになったキャラクターと車の絵が表示される。





ん????


ちゃんと避けられるようにジャンプをしたつもりだったが、ぶつかってしまったらしい。


リスタートわ押すと、「×1」という表示。残機なのかもしれない。

再び1-1を始め、先程のトゲ。次は避けられるように、ジャンプ!!



FAIL。



なるほどなるほど。こりゃあ評価「1.1」ですわ。

とにかくタイミングがシビアなのだ。慣れてくれば一段ジャンプでも避けられるが……。

そんなものを開幕から設置するなぁ!!!!!


初めて遊ぶ人が心折られず、かつ必要な要素の体験が行える作りが始まりのステージのスーパーマリオブラザーズがいかに良くできているゲームなのかという事を実感する。

……。

だが逆に、この「impossible kart」は今後もこんな感じですよ~と示しているという意味ではこのシビアさが1-1からあっても良いのか?

1-1とはそのゲームの最低限の操作でクリアできるものという気持ちはある意味、ゲームプレイヤーの固定観念であり怠慢なのかもしれない。

そうだ!いつ誰が決めたのだ!!

始まりのステージから慣れが必要な程のシビアなタイミングの操作を要求してはいけない、と!!!

だから、「impossible kart」は悪くない!!!


まあそんな事したらほとんどの人はそのゲームを投げ出すだけなんですけどね。

実際、報酬がぶら下がってなければ私もプレイしない。


だがまさか、神様のバレーを読みたくてプレイしたゲームで、神様のバレーの中で出てきた話を実感するとは思わなかった……。(漫画内で、「エースプレイヤー」に対する固定観念にからめた戦法の話が存在する)


まだまだシビア!1-2以降のステージ達

いきなりつまずいたが、1-1はクリア。

5-4までが目標なのだがステージの画面を見る限りでは、5-4は最終ステージに位置しているっぽい。

報酬を得る条件を満たすという事は、このゲームをクリアするという事になるようだ……。 



この時の私にはまだ自信があった。

というのも、過去にも報酬をもらうためにアプリゲームの条件を達成まで遊んだ事が何度かあったからだ。

アクションゲームで条件に挑むのは初めてだったが、できると信じて疑っていなかった……。

というわけで、1-2。

1-1でつまずかされた「トゲ」は2段ジャンプで安全に避ける。さらに進むと先には大きな穴。

ここでいきなり最大数の3段ジャンプで穴を越える。(2個目のステージでもう3段ジャンプが必要となった事がさらに不安を掻き立てた。)


穴を越えると、謎のバネみたいな黄色いアイテムが落ちている。避けるか悩むがとりあえずはぶつかってみた。

するとめちゃくちゃ跳ねるではないか。

なるほど。「バネ」はマリオとほとんど同じ仕組みなのだな。

跳んだ後に、今度は「紫色のバネ」が。こっちはぶつかったらどうなるのだろう?

黄色のバネと跳べる高さが異なるのかな?なんて事を思いつつ接触。 

その直後、画面外まで跳んでいくプレイヤー。



FAIL。


ゲームオーバーアイテムだったらしい。

おい!!!!

まあよく見てみると、黄色のバネと比較してボロボロな作りに見える。

だから察知すれば避けるという選択肢も取れなくは無かった。


……。


なんてなるか!!!アホォ!!!!


まさかの初見殺しではあったが、ゲーム再開。

今度は紫バネは避けて進みステージクリア。

ここで私は今まで感じていた不安と、起きた出来事がリンクし察する。


このゲーム、絶対に意地が悪い……!


と。

そしてそれは当たる事となっていく……。


鳴りを潜めずやってくる初見殺し達

1-1、1-2で得た事をもとに、1-3、1-4は何とかクリア。

新たに迎えた2-1。

さっきまでの「トゲ」と「紫色のバネ」を避けつつ、穴を飛び越えつつ進んでいく。

そろそろゴールというところで、突然に崩れる地面。


FAIL。


は?

遂にきた。何の前触れや示しもなく行われる行為。これを初見殺しと言わずしてなんと言おう。

これが出たことで何が始まるのかというと、今後は地面がいつ崩れてもおかしくないという事になる。

つまりは少し平坦そうな道が続く場合、バッタの如くビョンピョコ跳ねて備えなければならないという事。

車のゲームなのになぜか昆虫みたいな行動をとる事に。わお。


だが私は予見していた。このゲームは意地が悪いと。そして2-1の崩れる地面。

そこから私は予測する。絶対にゴールを利用した初見殺しが出てくると。


案の定当たる予感

2-2でそれは行われた……。

とにかく崩れる地面に備えてバッタ走法をしつつ進めていく。

何度か失敗しつつも、遂に2-2のゴール目前まで。

ここで獣のごとき勘が働く。

「やけに道が長いな……」

そもそもこのゲーム、ゴールポールみたいなものをにたどり着くと動きがスローになる。

そして、のろのろと進み城みたいな建物の入り口に着くとステージクリアとなる。

のだが、2-2はポールから城までの道がやけに長い。長いのだ!!

そして私は気づく。スローの間でもジャンプできると!


それらが指し示すものとは……。


 

音もなく崩れる地面。


や、やりやがったぁ!!!


ゴールと思わせて油断するタイミングを狙った初見殺し。

だが甘かったな!私はこれは察知できたからバッタの如く跳ねて無事に避けたのさ!!

そう、これはもはやアクションゲームから通開発者の構想読み取りバトルになっていた!!!


まだまだあるよ!楽しい仕掛けがさ!!

2-○ステージはとにかく「崩れる地面」と「紫色のバネ」の応酬だった。

油断すれば即FAILなのだから、たちが悪い。

後、幽霊みたいなものが2-3からは出てくる。

それつながりだが、2-2でゴール直前に崩れる地面の初見殺しを出しておいて、2-3で地面にあまり触れないようにするためにバネを使うと最後幽霊に当たるように配置されているのは中々に性格が悪かった。


そんなこんなで2-4までを終えて新たに3-1へ。

ここからは「上昇する床」が出てくる。これ自体はゲームオーバー要素がないが使い方を間違えるとFAILにつながる。

後、2-3から地味に登場している幽霊みたいなものが頻出するようになる。


100回以上リトライ!?3-3の恐怖。

3-1、3-2はそれまでに出てきた仕組みを組み合わせフルに使ったステージとなっていたが、3-3は違う。(意地悪なのは共通している。)

ウニみたいな太陽みたいな障害物が出てくる。

そしてここからがこのゲームの本領発揮といったところか。


とにかくこの「太陽(ウニ)」の当たり判定がシビアななのだ。

まずトゲよりもサイズが大きい。そしてその大きさゆえに避けるためのジャンプが少しでも遅いと、即FAIL。

この当たり判定の感覚に全然慣れる事ができず、100回以上は挑戦した。(冗談抜きで。自分がゲームが上手くないというのもある。)


本当に難しかった。ここで心折れてれば幸せだったのかもしれない……。

だがその時の私は、崩れる地面の初見殺しを避けた事とかもあって、変な脳内物質が出ていたのかもしれない。めげずに何度もトライし3-3をクリアした。してしまったのだ。


さらにさらにシビアな3-4

3-4は開幕から意地悪だった。

「太陽(ウニ)」の配置が完全に初見殺しでしかなく、あれを事前情報無く初めから避けられる人はいないのではないだろうか?

ここととにかくリトライした。してしまった……。

そんなこんなでクリアをする。

気づけば折り返し4-○以降のステージ

4-○でも初見殺しは健在。

例えば、4-1の新ギミックに触ると特定のブロックの実体化がオン・オフされるという「赤色!ブロック」がある。


これ、初見では触らなかったが故にFAILとなった。

だって3-4までをクリアした経験によって、怪しい見た目のものに触れる事への疑心暗鬼がうまれてしまったのだから……。

たとえるなら幼い頃は虫に触れたのに、物心ついてから駄目になってしまう心境に似ているのかもしれない。


とにかくある意味では数多のステージをクリアしてきたプレイヤー心理を突いた初見殺しになっているのかもしれない。(私にはよく効いた。)

まあここまでクリアしてきた自分にとって4-○の新ギミックは可愛いものだった。

突然床からトゲが出てこようが、前述した「赤色!ブロック」だろうが理解すればなんて事ない。

こうして迎える最終ステージ。

5-○。


このゲームの真髄、当たり判定シビアなのに移動速度速すぎロケット君

5-1で挨拶がわりにとぶちかまされるのが、↑で書いた

「当たり判定めちゃくちゃシビアなくせに移動速度速すぎて完全初見殺しロケット君」

だ!!!


これは絶対に初見で避けられませーん。

あ!って思ってジャンプのためにタップしたら当たってるのだから。



つまり、これの対処法は覚えるしかない。

うげぇ、煮詰まってきたぞ~。

遂に色が意味をなさなくなるバネ君

なぜか5-○では黄色いバネも即ゲームオーバーのギミックとなった。

今まで通りの感じで触れて跳ぶと、背景だと思っていた月にぶつかるからだ。


何を言ってるか分からないって?


私もあんまり分かっていない。


これも固定観念だろう。いつ誰が背景と言った?

そこにあるのだから触れたらアウトの障害物でしょうが!

危機感が!足りてないよ!!


うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁああああああああ!!!!!!!!!!!!

もうね、このゲームをよく表していますね。


初見殺し×初見殺し=5-2

ロケットは初見殺しと言ったな。

それではそのロケットとロケットを掛け合わせてみて5-2で登場させてみてはどうだろうか?





や、ヤバすぎる……。





ヤバいというのは簡単すぎるって意味だよな?





……。





すぅ~~~(息を吸う音)





タイミングがシビアで!!!難しすぎてヤバいんだよぉ!!!!!!!



という事で、3-3で登場した「太陽(ウニ)」なんて可愛いすぎて目に入れられちゃいそうな程に格の違う極悪ギミックの登場で~す。

数値で表すなら実に3倍(当社比)の難しさだ!!


まさかのロケット×ロケット。

どういう事かというと

無題30_20210720042051

縦に2発並んだものが来た少し後に

無題30_20210720042102

さらに量が増えてお得!縦3発となってやってくる。

もはや3発が縦でやってくると、反応速度だけではかわせない。なぜって?キャラクターのジャンプ速度よりもロケットの通過するスピードが速いからだ。

なので解決策はあらかじめジャンプを開始ししておき、3発ロケットが通過する時にキャラクターがジャンプの最高点に到達するようにしなければならない。

おかしい。おかしすぎる。

この配置を生み出せるのはある意味天才か?


そして永遠に……

散々難しいとは言ったが、何とか乗り越えてロケット回避の成功率が70%位にはなった。

しかし、まだ関門が待ち受けていた。




君は!!!





黄色いバネ君!!!!



やーめた。やめやめ。やってられっかこんなゲーム。

ここまでやったが、この仕掛けに心が折られた。

問題の仕掛け再現絵↓

無題30_20210720042624

ジャンプをして渡った先にバネがあるのだが、5-○では黄色いバネは即ゲームオーバーギミックのため避けなければならない。

しかし避けるためにジャンプを消費すると次の足場に届かせられない。(絵だと分かりにくいのだが、穴によって足場と足場の距離がまあまあ空いている。)

開始時は味方だったのに終盤でいきなり敵となってその少し後にしっかりと心を折るという、漫画とかなら見せ方によっては大ブーイングものの展開だ。

とにかく、こればかりは本当にお手上げ!!

これにて挑戦終了!!!!

記録:5-2(途中棄権)



記事タイトル回収:世界は広いと思った

あまりにもクリアできなさすぎて、検索をかけてみた。

そしたら意外とクリアしている人がいる。

すごい。世界は広い。いかにも地雷な雰囲気漂うゲーム(初見殺しの実力付き)をちゃんとクリアしているのだ。

恐れ入りました。


このゲームの感心したところ 

散々文句を羅列したが、このゲームで感心した事がいくつかある。

まずこのゲーム、私が知らない人に説明するなら「しょぼんのアクション」に似ていると言うと思う。

しょぼんのアクション:昔ネットで流行った初見殺し満載の死に覚えアクションゲーム

「impossible kart」も初見殺し要素がもりもりで何度も挑戦してゲームオーバーになりながら覚えていく要素が強いと感じた。

しかしこのゲームには「広告」が存在する。

残機っぽいものの表示が0になってリスタートしようとすると必ずと言って良いほど広告が入る。(そのためこのゲームの作りと究極的に相性が悪い。)

私はさっさとクリアがしたいがために機内モードでこのゲームを行っていたので、広告が挟まれずにすんだ。

しかしそれを知らなかったり気にしない人もいるだろう。そうするとこのゲームの制作元には当然広告の再生に応じて収入が生まれる。

後、あまりにもゲームオーバーを繰り返すと、広告を見る代わりにステージをスキップする機能がある。

これはこのゲームの難しさとマッチしてると思う。


結局何が言いたいかって?ほどほどの宣伝に対してかなりの広告収入が見込めてるんじゃないかって事だぁ!!!(実際どうなのかは分からない。)


もう1つ感心しているのは、「意地の悪さ」だ。

これについてはまあまあ書いたつもりだが、改めて言おう。とにかく意地の悪い仕掛けが多い。

そんな意地の悪いゲームだが、クリア不可能なラインのギリギリをせめた作りになっていると思う(特に後半のステージ)

たまたま適当に配置してこうなるものではないと思うのでほどほどに労力が割かれているとは思う。

しかしそれらを覆い隠すようなチープな見た目やBGM、設定といった面々。

それすら計算の内ならやっぱり意地が悪い。


最後に

神様のバレーを読みたいが故に手を出したゲームではあったが、まさか漫画の話とリンクするような出来事に出くわすとはといった感じであった。

横スクロールアクションに対して多くの人が抱えていそうな固定観念を突くような仕掛けであったり、こちらの心理状況を想定したギミックの配置であったり。

やってる事が阿月総一みたいだな、なんて思ったり。

ちなみに私は到達すらできなかった5-4はかなり理不尽な仕掛けが用意されていた。

この仕掛けの攻略を最初に気づいた人すごすぎでしょ。

余談

残機っぽいものがリスタートする度に表示されるのだが、これは決して残機ではない。

始まりが「×2」でFAILの度に減り、「×0」から次にリスタートをすると「-1」になる。

まさかの数字はただカウントされていただけというね。

こんな細かな場面でも、固定観念を壊そうとしてくれる。

余談その2

どこのステージか忘れたのだが、途中から横に移動できる「動く足場」が存在する。

これ自体はそんなに難しいギミックではなかったのだが、たまたまバグっぽいものを見つけた。

この動く足場になんやかんやで乗れずに、足場の下側に潜りこんだ際にそのまま地面に落下せずジャンプをし続けて足場についていくことができた。

この事から、2Dゲームでもあっさりバグが起きる「動く足場」。なのでこんなのを3Dゲームに取り入れようものなら……。

そういう意味では一部で人気を博した「ファイナルソード」というゲームの「動く足場」バグが起きるのも仕方がなかったのかもしれない……。

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