「自己肯定感」の話
私は人に自己肯定感が低いと言われる。
まあ、確かに、自己を肯定することは少ない。
というか、自分を否定する癖がある。
人格形成の時期に置かれていた環境のせいでもあるかもしれないが、おそらく私の性格上の問題だろう。
私は自分のことをどうしようもない人間だと思う。
要領が悪く、何をやっても人未満。学生の時からそうだ。
人より秀でたものは何もない。
“秀でたもの”なんてたいそうなものじゃなくても、人と同じ土俵に立つことすらできない。
人と比べても仕方がないとか言われることもあるが、そもそも人と比べずに生きていくなんて無理だろう。
SNSが普及したこの世の中、人のキラキラした生活が死ぬほど目に入る。
そんな私には付き合って1年半ほど経つパートナーがいる。
失礼な話だが、正直、私を好きになるなんて特異な人だと思った。
しかし、彼は私のことを本気で“素敵な人”だという。
私がいつもの癖で卑下した発言をすると、本気で悲しそうな顔をするし、真面目に怒ってくれる。
ここまで愛されていると思えたのは人生で初めてかもしれない。
そして、その悲しそうな表情を見て自分を変えねばと思った。
彼は比較的自己肯定感が高い人間だと思う。
割と何かが起きてもさっぱり流せるタイプで、凄く器用に生きてるように見える。私と対極の人間。
そんな彼と一緒にいると自分にはない色々な考え方を知れる。それは私にとってかなりプラスなこと。
たまには彼の考え方を聞いて「どうして私はこう考えられないのか」とかネガティブになることもあるが、その考え方を知っているのと知らないのでは大違いではないだろうか。
もちろん、この自己肯定感の低さというものは、これまでの人生の中で私が積み上げてきた経験からなるもので、一朝一夕で変わるものではない。
彼と付き合って1年半、出会ってからは3年半ほど経つが、未だに自己肯定感は低いと思う。
でも、発想として、「違う視点で見る」ということ、
具体的には「彼だったらどう考えるだろうか」という視点を手に入れた事は私のこれからの人生を少し生きやすくしてくれたような気がしている。
未来に光が射したような、そんな気がする。