第二話 母親がいなくなった②
母の持ってきた大きなバッグには私の着替えなどが入っていた。学校を休んで堂々と遊んでいられることに喜んでいる私とは対照的に、それから数日間祖母は忙しそうにしていた。
後から知ったことだが、その間祖母は父と話し合いを進め、長距離ドライバーの父は小学生の私の世話は出来ない、姉は中学生だったためそのまま実家に残る、私は転校させて祖母の家で引き取るという事になったらしい。
母は蒸発してしまったのだ。
家を出ることは父も姉も知らなかったようだ。祖母でさえあの日私が駄菓子屋で遊んでい