果物の有効活用
パイナップルを買う度にパイナップルの芯や皮を勿体無いなと思いつつコンポストに入れていたのだが、この間、なにげにググってみたらパイナップルティーというのが紹介されて居た。試しにやってみたら、味も悪くなかった。
リンゴの皮とかも紅茶と一緒に淹れてアップルティーにしたりしている。そろそろ紅玉とか出始めているので、皮を剥いて、芯も取って、これを白ワインとシナモンとクローヴ、グラニュー糖と一緒に炊いてコンポートにするのだけど、その時に剥いた皮や芯等も一緒に入れて炊く。そうすると林檎の皮の赤い色も抽出されるから炊いたリンゴがきれいなピンクに染まる。
この炊いた林檎とその煮汁を熱々の状態で、煮沸消毒した瓶に詰めて、しっかり密閉して保存しておく。それで炊いて瓶詰めに入りきらずに残った煮汁は別の容器に取っておいて、熱をしっかり冷ましてソーダなどで割って飲むと美味しい飲み物になるし、一緒に煮出した皮や芯なども当然捨てない。ここには林檎の味と香り、それに白ワインの香りや酸味、シナモンやクローヴなどの香りもしっかりとある。これを紅茶を淹れる時に、ポットに一緒に入れてあげると、アップルティーになる。
コンポートの類いは作っておくと非常に重宝する。
例えば、よく冷やしたイチジクのコンポートはそのままデザートとして食べても美味しいし、何か別のデザートと組み合わせるだけでさらに美味しさを拡げてくれる。よくありそうな取り合わせだが、例えば、ヴァニラ・アイスクリームにラム酒やブランデーに漬け込んだレーズン、それによく冷えた無花果のコンポートを添えるだけで、いつものアイスクリームとは違った楽しみ方ができる。
ドライフルーツの類いも、ブランデーやラム酒に漬け込んで常備しておきたい。長時間置いても悪くなるものじゃないし、かえって美味しくなる位だ。ちょっとリキュールなどを使うだけで洋菓子の味のグレードが数段上がる。飲み物でもそうだ。例えば、ホットココアとか飲む時にちょっとだけコアントローとか効かせただけで印象が変わる。チョコレートとオレンジは相性が良い。
そういえば、昔、行きつけの喫茶店で12月になるとシュトーレンを出してくれるお店があったけど、酔っぱらってしまうのではないかという位にブランデーを使っていて、とても美味しかった。香りというのは凄く大事で、例えばザッハトルテというお菓子があるけど、あれはアプリコットの風味がさりげなく効いているから味が際立つのであって、もしそれが無かったら、ただのチョコレートケーキでしかない。
季節の果物などでジャムをあらかじめ作っておいて、紅茶を飲む時に添えて、ロシアンティーにして楽しむというのも良い。寒い地域の美味しい紅茶の飲みかただ。
香りと記憶とは密接な関係があるようで、お茶に浸したマドレーヌが記憶を呼び覚ますように、冬の寒い季節、外を見ると雪が深々と降り積もる中、果物が実る時期に仕込んだジャムと一緒にサモワールで淹れた紅茶を啜る時、当然、そこには生活の知恵として、身体を暖め栄養補給するという事もあるのだろうけど、何よりも新鮮な果物が実る季節への憧憬があって、その記憶を呼び覚ますという事もあるのかも知れない。