私が愛してやまない小説『りゅうおうのおしごと!』のスゴさ
こんにちは、hikkyです。
私は読書が苦手です。すぐに飽きてしまう。
なので、情報のインプットは基本的にYouTubeのビジネス系動画から仕入れます。
本を読んでいる人の知識や考え方を拝借しています。
良い時代になったものです。
とはいえ、小説を読むのは苦になりません。
村上春樹、アガサ・クリスティなどが好きです。
が、私が一番にこよなく愛しているのが、タイトルの『りゅうおうのおしごと!』です。
最新刊は発売日に必ず買って、その日のうちに必ず読みます。
ジャンルは何と言いましょうか…
将棋ロリラブコメ?
これだけ聞くとヤバそうですが、まあヤバいはヤバいんですが。笑
スゴイのは、第一に将棋小説として一級品。
ラブコメとしても一級品。
『りゅうおうのおしごと!』の何がそんなにスゴイのか、私なりの考察を、まだ読んでいない方にも伝わるように書き連ねてみます。
①将棋の描写がとにかく熱い
主人公は十代後半で、将棋界のトップ『竜王』である九頭竜八一。
よくある厨二病的なチートキャラではあるのですが、将棋以外はとにかくダメダメです。
精神状態によっては、将棋までダメダメなこともあります。
毎回必ず将棋の描写があるのですが、これがとにかく熱い。
熱量がものすごい。
「将棋って、そんなに熱いもんなの?」と思われましたか?
熱いですよ。生半可な熱さではありません。
アマチュア初段程度の私でも、大会などに出た時に、本気で将棋を指して負けると、ムチャクチャ悔しいです。
奥歯を噛みしめ、コブシを握り、自分の弱さを受け入れるのはツラいです。
調子が良い日に3~4局指すと、次の日、熱が出ます。本当に。
性能の悪いコンピュータに無理な負荷をかけると、熱を持つのと同じです。
将棋のプロというのは、将棋に勝つことに人生のすべてを賭けている人たちの集まりですから。
プロにとって将棋に負けるということは、人生を否定されることと同じです。
私が負けた時の悔しさとは比べ物にならないでしょう。
そんな熱さが見事に表現されています。
きっと将棋を知らない人にも伝わっているので、これだけの人気があるのだと思います。
1冊の中に「熱い!」という表現を必ず入れることに、作者の白鳥先生はこだわっているようです。
②将棋界のエピソードを上手く取り入れている
これは将棋ファンには胸熱です。
例えば、本作の中で描写される将棋の対局は、モデルになった対局が存在するケースが多いです。
数えきれないくらいありますが。
例えば最新刊の12巻の対局では『△7七同飛成』という手が「そんな手があり得るのか!!??」と、熱さのピークを迎えます。
将棋を知らない方でも熱さは伝わると思いますが、これは実際に現実世界で起こったことです。
『△7七同飛成』で「あれか!」と思われた方も多いはず。
「天才の手だ」「人間じゃない」「ソフトを超えた」と全プロ棋士と将棋ファンが震えた、藤井聡太七段の一手です。
あまりに凄まじい内容だったため、伝説の一局となっています。
その他にも、登場人物のキャラ設定が実在するプロ棋士を参考にしている、ということも多い。
これもいっぱいあり過ぎて書き切れないですが。
例えば『さばきのマエストロ(巨匠)』という肩書きを持つキャラが出てきます。
これは『さばきのアーティスト』の肩書きを持つ、久保利明九段というプロがモデルです。
藤井猛九段や近藤正和六段など、他の棋士の要素も入っていますが。
振り飛車党、護摩行、娘を溺愛、などトレースの仕方が実に細かい。
清滝桂香というキャラのエピソードも、特に感動です。
モデルは飯野愛女流初段。
これは私が所属する、日本将棋連盟すすきの支部の師範・野月浩貴八段とお会いした時にお聞きするまで知らなかった。
このエピソードを読んで飯野さん本人は号泣したそうです。
野月先生は、作者の白鳥先生とも交流があり、『りゅうおうのおしごと!』のアニメの監修もされていたので、裏話などもお聞き出来て、とても幸せでございました。
③作者の取材と情報収集がとてつもなく深い
②とカブってきますが、細かい将棋界のエピソードがてんこ盛りです。
「ずいぶん雑よね、今日の将棋は」「出直しだ。顔を洗って出直しだ。笑」
『りゅうおうのおしごと!』の一節なのですが、元ネタがなんのことだかわかった方は、かなりの将棋通です。
藤井猛九段と加藤一二三九段(ひふみん)が、調子の悪い羽生さんが名人戦で不甲斐ない将棋を指しているのを評した言葉です。
「全然だめだねwww」「どうしちゃったんだろうねwww」
と、控室で羽生さんが笑い者にされている、なかなか衝撃的な場面です。
プロの将棋とは殺し合いであり、弱肉強食であり、プロ棋士とは将棋に魂を捧げた人外であり、恐ろしい世界だ、ということを表現しています。
かなりマニアックです。
YouTube上のすべての将棋動画をフォローしないと、辿り着かないレベルです。
「ここまでフォローしているのか…」と震えます。
取材と情報収集があまりにも深い。
将棋を題材にしたマンガや小説は数多くありますが、取材が浅いものは将棋ファンならすぐにわかります。
「テキトーに書いてやがるな、読者と将棋を馬鹿にしやがって」と。
そういうマンガはすぐに終わります。
『りゅうおうのおしごと!』や『三月のライオン』などは、取材や表現に一切の妥協がないことがわかります。
ただ『ハチワンダイバー』は変態的すぎて、私程度では、もうよくわかりません。笑
④ラブコメとしても完成度が高い
ラブコメとして王道です。
登場する女性キャラが、総じて個性的で魅力的。
そしてだいたいみんな主人公のコトが好き。王道ですね。
私は天ちゃんと万智さんが好きですが、それぞれが推しを持って読める、というのも大事な要素だと思います。
大人な女性が好きでも、ロリコンでも楽しめます。私はノーマルです。笑
おまけ:影響受けまくって楽曲制作
私の記事をよく読んでくださる方には御馴染みの『あなたの心にダイレクト向かい飛車』。
テーマは『将棋』と『恋愛』です。
「将棋は恋愛に似ている」という深浦康市九段の有名な言葉があるのですが、本当にそう思います。
私が作詞作曲を手掛けましたが、歌詞に『りゅうおうのおしごと!』の影響がめちゃめちゃあります。
『心の角道』というフレーズはパクりました。笑
一応世の中に出る作品なので、事前にちゃんと『りゅうおうのおしごと!』を発行するGA文庫に許可を取りましたよ。
GA文庫さん、神対応でした。その節はありがとうございました。
白鳥先生、聴いてくれないかなあ…
ファンレターと一緒にCD送っちゃおうかな。
白鳥先生、もしこの記事をご覧になってくださっていたら、上の記事も読んで頂ければ幸いです。
私の人生のすべて、と言っても過言ではないシリーズです。
取り留めもなく『りゅうおうのおしごと!』への愛を垂れ流しました。
是非読んでください!
「アニメ見たよ」「マンガ読んだよ」という方も、本で読むと深さが全然違うので、是非小説で読んでください!(2回目)
ここまでご覧頂き、ありがとうございました。
またご覧ください!!