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日本将棋連盟北海道支部連合会すすきの支部
全国的にも珍しい、飲食店に拠を構える『すすきの支部』。
お酒を嗜みながら、将棋に興じる駒の音が今日も聞こえてきます。
すすきの支部の立ち上げは2017年4月。
支部員の中心は20~30代。平均棋力は初段~二段。
大会では勝つ方が珍しい(笑)、とても強豪とは言えない支部ですが「こういう将棋の楽しみ方があるんだ」と筆者に教えてくれた場所です。
支部長を務めるのは、すすきの支部の本拠地『tabibitoキッチン』のオーナーである川合将太。
彼は将棋を覚えたのが、20代になってからという晩学派。
とはいえ将棋の面白さに目覚めてからは、メキメキと腕を上げ、現在はアマチュア三段の腕前に加え、普及指導員の資格を取得。
すすきの支部のフランクな雰囲気は、彼の人柄によるところが大きいです。
こぼれ話。
『tabibitoキッチン』には、師範の野月浩貴八段をはじめ、多くのプロ棋士・女流棋士が訪れます。
筆者が一番印象に残っているのは、日本中の将棋ファンが涙した、木村一基九段が初タイトルとなる王位を獲得したシリーズ。
札幌での第二局に敗れ、連敗スタートになってしまった直後、憔悴しきった表情の木村九段が『tabibitoキッチン』を訪れました。
この時に頂いたサイン色紙は、今でも店の個室に飾られています。
後日談では木村九段曰く、盟友である野月浩貴八段、行方尚史九段に「ムリヤリ連れ出された」とのこと。
そこで気分転換をできたことが、王位獲得の原動力になったとか、ならなかったとか。