企業変革のジレンマ
『企業変革のジレンマ』構造的無能化はなぜ起きるのか
宇田川元一
✔︎自分たちの会社や組織を少しでもよくしていこうとする人々、よりよい未来を次の世代へと託そうとする人々のために、言い換えれば働くことに誇りを持とうとする人のための本である。
✔︎一人ひとりは優秀なのに、どうして企業としての成果が生み出せないのだろう。
✔︎企業変革とは、経営層、ミドル層、メンバー層によらず、組織に集う一人ひとりが、考え、実行する力を回復すること、そしてそれぞれが、その企業をよりよりものにしていけるという実感を持てるようになることである。
✔︎変革とは「経営」を回復することである。
✔︎変革とは「対話」すること。対話とは「他者を通して己を見て、応答すること」
✔︎経営危機に直面した企業ほど明確な問題意識が形成されてはいないが、緩やかに迫る死を感じながら変革をせねばならないという感覚。
✔︎自ら考えられず、実行できないという構造的無能化の状態から抜け出し、未来への適応力を身につけていくこと。
✔︎チャールズ・デュヒッグの『習慣の力』で紹介されるロンドン地下鉄のキングクロス駅の大火災の事例に見る無能化した組織
✔︎組織の「断片化」が進むことで問題が見えにくくなり、変化の兆しも見出せず、組織の考える能力が著しく落ちていく。その結果、新たな戦略や施策を実行することもできないという「不全化」に至り、それを紐解くことができない「表層化」によって、悪循環が生まれる。
✔︎センスメイキング=組織の中で多義性が認知され、その内容について解釈がなされ、意味が形成されるという一連のプロセスのこと。
✔︎企業変革に必要な3つの論点
①多義性②複雑性③自発性
多義性=「わからない」壁を乗り越える
複雑性=「進まない」壁を乗り越える
自発性=「変わらない」壁を乗り越える
✔︎ドラッカー
「われわれは、分析においては革新的、理念においては理想的な、方法においては保守的、行動においては現実的でなければならない。」
✔︎リチャード・ルメルト「戦略の要諦」
戦略とは困難な課題を解決するために設計された方針や行動の組み合わせであり、戦略の策定とは、克服可能な最重要ポイントを見極め、それを解決する方法を見つける、または考案することにある。
✔︎ポジティブ・デビアンス
困難な状況において、例外的にその問題を乗り越えてポジティブな行動をとる人
✔︎自発性の創出
1.聞き手の悔しさや違和感を思い起こさせるエピソードが語られている
2.何をすべきという具体的な内容や結論を示してはいない
3.聞き手の危機感をあおっていない
4.リーダー自身の迷いや悔しい思いも率直に語られている
✔︎変革はどうしてこれほどまでに難しいのだろうか。それは、変革することには合理性がないからだ。
✔︎変革は今日のためではなく、明日のために行うものである。だからこそ、そこには誇りがある。
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