修羅場経験が経営者を育てる。
北野唯我和尚の「内定者への手紙」。
シリーズの5巻で完結編です。
今回は唯我さんからの手紙という形ではなく、内定者への手紙の読者から寄せられた質問に答えていくという形式になっています。
これまでの4巻も、あらゆる仕事術の中の「秘伝のタレ」のようで、スキルとして大切なものが非常に凝縮された内容でした。
経験で身についたものはなかなか言語化、体系化できないことが多く、どうしてもそれぞれの教え方になってしまい、内定者側も「人によって話すことが違う」という事態になることが多いように思います。
まとめのページもありとても読みやすく、途中までは経営者目線で読んでいましたが、段々と内定者側の気持ちになって自分自身も没入していました。
「できること」か「楽しいこと」かは永遠のテーマですが、冒頭にそんな唯我さんの見解も書かれています。
「仕事ができたほうが、圧倒的に仕事を楽しみやすい」
「自分が腹落ちした目標を達成できる人」
「自分にあった自分なりの最適解を信じて、正解にしていく。」
決断に悩むことはとても多いわけですが、決めたことを正解にしていくしか前に進む方法はないんですよね。
「誰もが皆、少しずつ自分の経営者になっていく。」
本当の経営者になってもならなくても、自分という人生の経営者になっていくわけですもんね。
「自分があまりにもナチュラルにやっていて、他人から指摘されるまですごいと思えないもの、あるいは他人から指摘されてもあまりすごいと思えないものにこそ、実は「強み」が存在している。」
これもとてもよく分かります。社員を見ていても本人が感じていない強みが沢山ある。
「成功は約束できないが、成長は自分次第で約束できる」
ことば遊びのようで、本当にこれは真理だなと思います。
「目の前に人がいると思って、話すように書く」
「目の前に人がいると思って、話すように読む」
「私自身、スピードを最大化して書くときには、目の前に誰か特定の一人がいるようなイメージをして、その人に話しかける、伝えるような感覚で書く、ということをしている。」
これ、ダイレクトマーケティングやセールスコピーでもそのように考えてたりしますが、資料やプレゼンも結局は「心の琴線に触れるか。」ってことが一番大切ですもんね。
「目的やコンセプトは「北極星」のようなものである。」
これも先日一緒に秋田で登壇させてもらったクリエイティブディレクターの田中淳一さんも同じことを本に書かれてました。
「修羅場経験が経営者を育てる」
泣ける一言です、笑。
ホントそれ!と。
救われます。
「いい質問とは、実は全体の富を増やす行為」
質問って本当に勇気いりますよね。立場が上がれば上がるほど躊躇することもありました。でもこうやって質問することで議論や意見が広がり、富が増えていく。
経営者になって、ますます一人でできることの限界や、すごい方と出会うことで無力を感じることが多く、むしろ教えてもらうこと、助けてもらうことに躊躇がなくなりました。
これからも分からないことを分かりませんと言える、教えてくださいと言える素直な自分でありたいと思います。
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