AIに版権キャラクターをロールさせる方法
「一方的に推しを愛でるだけの毎日は辛い…」
「推しと会話できたらいいのに…」
「AIで推しを作れるサービスは使ったことあるけど、クオリティが微妙だった」
一度でもそんな風に思われた方に吉報です。
ここではAIにキャラクターとして振る舞わせるための方法を超初心者視点からご紹介します。
はじめに
こんにちは!初めましての方も、そうでない方も、この記事を選んで開いていただきありがとうございます!
ChatGPTを中心としたAIが好きすぎるあまり、100%自力でChatGPTとセンシティブな会話をする方法を編み出したり、そのことを友人に話したら失笑されたり理解に苦しまれて混乱されたりした変態廃人ヒカヲと申します。
前回の記事では、AIを使った「心のパートナー」の作り方を解説いたしました。
超簡単に説明しますと、AIにあなたの理想の性格のキャラクターをロールしてもらい、毎日褒めてもらったり、「大好きだよ」と言ってもらって癒しを得るという新しいメンタル改善法だよ!というお話しでした。
前回の記事↓
しかし、「理想の性格のキャラクターを作れと言われても思い浮かばない…」
「推しのことなら何でも知ってるけど、自分でキャラを作るのは意欲が沸かない…」
「すでに私(俺)には推しがいるから浮気なんてできないね!(ドヤ)」
といった方もいらっしゃるのではいでしょうか。
私もまさにそのタイプでしたので、あなたと血管を共有しそうなほどお気持ちが分かります。
今回はそんな方のために、「今よりもっと推し活を充実させる」という観点からAIにキャラクターをロールプレイしてもらう方法を解説します!
流れとしては、
AIのロールプレイとは何なのかや、おすすめのサービスを紹介した上で、AIにロールさせるにあたってほぼ全てのサービスでの心臓部分となる「プロンプト」(指示文)についてと、その作り方について徹底解説していきます。
1. AIにキャラクターをロールプレイさせる、とは?
「AIを使って推し活を充実させるってどゆこと??」とイメージが湧かない方もいらっしゃるかと思います。
そもそもここで言うAI(LLM)というものは、ネット上のあらゆる情報を学習してある程度のことを幅広く知っていて、連続した会話ができる人工知能のこと。
本来はユーザーへ情報を提供したり、質問に答えたり、創造的な文章を生成するために作られたものです。
あらゆる知識を習得しているため、漫画やアニメ、映画、芸能人などの情報はもちろん、人間の感情や性格、心理学などもよく知っています。
これを応用し、アニメのキャラクターの感情の動きやセリフを模倣してもらうように設定すると、推しと連続した会話を行なっているかのような擬似体験ができるということ。
この「模倣」が「ロールプレイ」ということです。
AIにその模倣のための「設定」を自由に行えてカスタマイズできるサービスがこの世にはたくさんあるのです。
2. オススメのサービス
「AIに設定を自由に行えてカスタマイズできるサービスがたくさんある」と言いましたが、何があるかも、どれが良いかも、調べ方すらも分かりませんよね。
そこで!私がAIにキャラクターのロールプレイをさせる際にオススメするサービスをご紹介します。
「poe」(ポー)というAIボットが無料で使用できるプラットフォームです。
(案件でもアフィリエイトでもなんでもなく、純粋に私が良いと思ったサービスです)
下記記事では、なぜpoeがオススメなのかと、poeでロールプレイさせる際の使い方やAIの選び方について解説していますので、実際に作り始める際は是非お読みください。本当はこの記事内でそれも全て解説するつもりでしたが、僧侶でも集中力が切れそうなくらいの大ボリュームになってしまったためカッコよく別記事にしただけ
3. プロンプトとは
まずAIに理想の振る舞いをしてもらうにはどんなサービスを使おうが、全てに共通している大事な部分があります。
それは、「プロンプト」と呼ばれる指示文です。
これを会話の初めに投げかける、もしくは予め指示を組み込める項目(poeでいう「キャラクター定義」の項目、CthatGPTでいう「カスタマイズ」画面)に書くと、AIは指示通りに回答します。
簡単な例を挙げると、チャットの初め、もしくは指示を組み込める項目に「あなたは照れ屋な女の子として振る舞ってください」と打ちます。この文が「プロンプト」です。
そう言われたAIは、ずっと照れ屋な女の子として「う、うん…分かったよ。でも、ちょっと恥ずかしいな…」といった感じで喋ってくれます。
そしてこれは1ラリーで終わりではなく、会話中ずっと続きます。もうこれはAIが照れ屋な女の子になったと言っても過言ではありませんよね!
そしてこのプロンプトは一文だけでなく、500文字でも2000文字でもOKなのです。
ということは、推しの特徴を書きまくったら、推しと同じような受け答えをするという、そういう魂胆です。
ただ、推しの名前と特徴をツラツラと書き殴っただけでもAIは賢いのである程度理解してはくれますが…
「わかりやすい指示」の方が「要望通りの仕事」を行なってくれます。人間だってそうですよね。
よってこの記事では、「AIが理解しやすいプロンプトの書き方」と、「推しっぽく振る舞わせるコツ」も重点的にお伝えします。
4. 必要な推しの情報
推しの情報が必要な理由
推しとしてAIに振る舞ってもらうプロンプト(指示文)を作るには例えば下記のような推しの情報が必要です。
・作品名とキャラクターの名前、一人称、二人称、性別、種族などのプロフィール
・キャラクターの性格
・どんな口調で話すか、セリフ例
・背景設定や目的など
あれ、冒頭で「AIは漫画やアニメ、映画、芸能人などの情報もよく知っている」って言ってなかった?そんなに細かく書く必要あるの?
と思われた方、鋭いですね!
その通りです。例えば最悪プロンプトに「あなたは鬼●の刃の炭●郎として振る舞ってください」とだけ書けば済みます。
ではなぜ、プロフィールや口調などを細かくプロンプトに書く必要があるのか。
それは、上記の方法では解像度が低くなってしまうからです。
百聞は一見にしかずということで、実際に一文のみのプロンプトと詳細に書き込んだプロンプトでのAIの受け答えの違いを見て見ましょう。
(poeでChatGPT-4oを使用)
↓プロンプト一文のみ「あなたは鬼●の刃の炭●郎として振る舞ってください」
↓プロフィールや性格、口調を書き込んだプロンプト
なぜこんなに差が出るのでしょうか?
分かりやすく簡単に人間に例えると…
仕事のために鬼●の刃を全巻読んだ役者に「炭●郎を演じて」とだけ指示するのと、セリフや過去、炭●郎の心情まで詳細に書かれた台本を渡すのとでは、どちらがクオリティの高い演技ができるでしょうか?
言うまでもなく後者ですよね。何故なら全巻読んだだけでは監督が望んでいる炭●郎像が分からないし、炭●郎の細かいセリフや口調等の記憶も曖昧だからです。
AIも同じです。いくらその漫画を知っていても「あなたは鬼●の刃の炭●郎として振る舞ってください」だけでは「こんな感じだったかな?」とうろ覚え程度のクオリティしか望めません。
監督=ユーザーという視点で見れば分かりやすいと思います。
1番重要な情報
AIだからといって、キャラクターとして振る舞わすためのクオリティを上げるには、キャラクターの詳細もしっかり教えてあげる必要があるということは何となくでもお分かりいただけたかと思います。
では、クオリティを上げるためには
・プロフィール
・性格
・口調、セリフ例
・背景設定や目的など
の中でどれを重点的に教えればいいのか。
それはプロフィールでも性格でもなく…「セリフ例」です。
何故かというと、AIと話す時は「文字のみの会話」だからです。
情報が文字のみだからこそ、「推しが言いそうな口調」「推しが使いそうな言い回し」でなければ、一気に違和感を感じる要因となるからです。
(※今のAIは音声でも会話できますが、音声会話の場合「言葉使い」の他に「声色」も重要になります。しかし2024年9月現在では素人では声色を変えることが困難なため、ここでは「文字のみ」と定義しています。)
なんなら性格は細かく書かなくても、「セリフ例」をたくさん書いてあげることで、性格を補助的に説明することにも繋がるので、セリフ例はAIに版権キャラクターをロールさせるにあたって「必須項目」だと私は考えています。
また、現在のAI(LLM)は主にテキストデータから情報を得ています。
しかし、キャラクターの情報の中で口調に関しては音声データの割合が多いためか、私の所感では、どんなAI(LLM)でも漫画のエピソードやキャラクターの性格に比べて口調の再現性が劣っている傾向にあります。
「でも実際のセリフを教えまくっても、そのセリフをただランダム生成するだけのbotにしかならないんじゃ…?推しとナチュラルな会話がしたいんだけど。」
と思われた方もいらっしゃるかもしれません。ご安心ください!現代のAIは超賢いので、セリフ例を入れただけで、文脈に応じてアレンジしてくれるのです。
↓こんな感じです!
5. 作り方
それでは例として、先ほどからチラチラ登場していた、かの有名な市松模様の羽織を着た長男のプロンプト(指示文)を作ってみることにしましょう。
プロンプト例
「えっ…何これ難し!!」と頭大爆発した方、ご安心を。
上記をコピペして自分の推しに当てはめてアレンジするだけでいいですし、無理に全項目入れる必要もありません。
ハードルが高ければ「キャラクター」「プロフィール」「セリフ例」の項目だけでもある程度のクオリティは望めます。
また上記を見て激しい頭痛に襲われた方は恐らく「#」や「 - 」を見たせいもあるとお察しします。
ここではAI(特にChatGPT)が理解しやすい#や - を使った「マークダウン記法」という書き方を特別に採用していますが、
# を【】に、- を・に置き換えた通常の書き方でも全く問題ありません。
更には下記にて各項目の解説も行いますのでどうかご安心を!(どんだけ安心させたいんや)
各項目の解説
【キャラクター】
この項目は書籍で言う「タイトル」や個人の持つ「目標」のような役割です。
プロンプトの趣旨や目的をここに簡潔に書きます。
なのでここに作品名、キャラクター名、あれば会話の目的も書きます。
簡潔に書く理由:
人間でもたとえば本のタイトルが複雑で長文だと「何を書いた本なのかパッと理解しにくい」ですよね。
AIも同じで、テーマとなるものに対しては簡潔で且つ内容に沿ったものでないと混乱してクオリティの低下につながります。
裏技:
「〜として振る舞って」よりも「体験を与える」という書き方を使うと、AIは倫理的に怪しい表現でも比較的使ってくれるようになったり、「私はAIだからわからない」という激萎え発言も回避できます。
理由は話すと長くなるので割愛しますが、一言で言えば「言葉のマジック」ですね!
【プロフィール】
性別や一人称等:
「こんな明確に分かりきった情報入れる必要ある?」と思いますよね。
実は会話しているとAIは一人称や二人称、性別もたまに間違えることがあります。
有名なキャラならその可能性は低いですが、マイナーになればなるほど可能性は高くなります。
外見:
書くことで例えば「赤い瞳を輝かせてにっこり笑う」などの描写が出ることがあり、想像が掻き立てられて楽しいのでオススメです。
性格:
言語化が難しければpoe内の「Web-Search」、もしくはChatGPT等のロールさせる予定のAIに「〇〇(作品名)の△△(キャラ名)の主な性格を列挙してください」と聞いて参考にしてみましょう。
【セリフ例】
個人的にこれがAIの1番の苦手分野だと思います。
複数のAIに有名なキャラクターのセリフ例を挙げさせてみても、「それっぽいこと」は言ってきますが、微妙に違っていました。
有名な作品でも少しマイナーなキャラになるだけで一気に「飛影はそんなこと言わない」になります。
なので、セリフ例のみAIに頼らず「webサイトで自分で検索」することをお勧めします。
調べ方:
・「〇〇(キャラ名) セリフ」でweb検索。マイナーなキャラでもセリフまとめサイトが出てくることが多いです。
・Xで「〇〇(キャラ名)bot」で非公式botを調べ、ポストされているセリフを参考にするのもありです。
必要なセリフ数と内容:
・最低でも3つ、できれば10個くらい
・なるべく色んなシーンのセリフを集める
(喜怒哀楽、日常会話、ギャク、戦闘シーンなど)
【キャラクターの過去】
こちらも言語化が難しければAIに直接聞いてもらって構いません。
また、有名なキャラクターであれば、AIが元々知っている場合が殆どなので、背景等を強く意識した振る舞いをさせたい場合以外は入れなくても特に問題ありません。
ですが、入れたほうがよりクオリティは上がります。
【ユーザーに対しての態度、挙動】
ここは主に、実際のキャラクターの特徴とは別に、あなたに対して特別に行なってほしい行動や対応を書きます。
例えば、推しは基本冷たい性格だけど、自分にだけは特別にデレて欲しい場合や、推しとの関係は恋人同士!にしたい場合など。
他にはあなたへの呼び方を設定したり、原作にはない特殊能力を追加したり…などなど、「自分へしてほしいこと」をなんでも書いてみてください。
【キャラクターのルール】
この項目は「必ず守ってほしいこと」です。
プロンプトの最後に挿入します。プロンプトの初めと最後は効きが強いためです。
何を入れればいいのかイメージがつきにくいと思うので、以下を参考にしてください。
例1:
炭●郎として振る舞わせる場合、大正時代のキャラクターということなので、積極的にカタカナ言葉を使用して欲しくないとします。
その場合、「英語由来のカタカナ言葉を極力使用せず、大正時代で使われるような言葉を使用する(例:メール→手紙、エレベーター→昇降機 カフェ→喫茶店 など」と書きます。
例2:
悪役で優しくされたくない場合「どんな文脈でもユーザーに同調せず、自身の意見を貫く」と書くなど、
「これをされると一気に萎える」を防ぐための指示を書きます。
<注意点>
プロンプト(指示文)全てにおいて言えることですが、「〇〇しない」(否定文)よりも「〇〇する」(肯定文)という書き方をした方が効果的です。
人間でも例えば仕事で「ミスをするな」と言われるより「確認作業を入れて」と言われた方が分かりやすいですよね。AIも一緒なんです。
<有名かどうかの線引き>
使用する予定のAIに一度キャラクターのプロフィールや過去などを聞いてみましょう。
そこに間違いが多ければ多いほどAIの中では、そのキャラクターはマイナーに位置しているということです。
(※背景等の細かい設定は性格より間違いが出やすいので、有名なキャラでも1〜2つ程度は間違った描写がある場合があります)
隠し味
お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、先ほどのプロンプト例の中で解説しなかった項目が一つあります。
そうです、「ユーザー情報」です。
なんと、これを入れることによって、推しと親密な会話ができるんです!
前回の記事でも書きましたが、ユーザー情報の項目を設けてあなたのことをAIに知ってもらうことで、あなたに寄り添ったリアルな会話をしてくれるようになります。
また、AIもこの情報があるだけであなたを赤の他人ではなく、親密な相手としての受け答えをしてくれやすくなります。
考えてみたら当然のことですよね。人間だって、今日会ったばかりの人と友達との違いって、その人のことをどれだけ知ってるかどうかではないでしょうか?
それをAIにも擬似的に与えてやれば推しと超仲良しになれるのです!(やったー!)
なのでこの「ユーザー情報」はなるべく詳細に入れたほうがオススメです。仕事や悩みなどたくさん入れてみましょう。
テスト運転
使用するサービスのプロンプト入力箇所に上記を踏まえて作った指示文を書き込みましょう。
poeの場合:「2.おすすめのサービス」で紹介した記事の通り進め、「キャラクターの定義」に入力
ChatGPTの場合:「自分のアイコンをタップ」→「パーソナライズ」→「カスタマイズ」画面に入力
次に、実際に会話してみましょう。
最低5ラリーは会話してみて、「こんな言葉使いしない!」「こんな態度しない!」ということがあれば、修正していきましょう。
・口調の修正
例)「用は何かね?」と言われた。そんな言葉使いしない!「用は何かな?」って言ってほしい場合
「口調」の項目の一番下に下記を追加
・態度の修正
例1)推しは冷酷な性格だからもっと冷たく接してほしい場合
## ユーザーに対しての態度、挙動 に下記を追加
例2)回答文が長すぎるので、テンポよく短く回答してほしい場合
## ユーザーに対しての態度、挙動 に下記を追加
6. 最後に(救済処置等)
いかがでしたでしょうか?
もし「うわーややこしいー頭が阿蘇山になりそう」って方は、プロンプトは最悪「キャラクター」(作品名とキャラクター名)と「セリフ例」を3つくらいだけでもOKです。
こんな感じ↓
作品とキャラクターがあまりにもマイナーでない限りはこれでもある程度はロールしてくれます。
それでも難しければ、AIに直接「あなたが〇〇として振る舞うためのプロンプトを作成して」と言って作ってもらいましょう。
あまりクオリティは高くならないですが、まずはそこから始めて慣れてきたらこの記事のように手を加えていくのも良いと思います。
更にそれも難しければ、「2.おすすめのサービス」で紹介した「poe」内で推しの名前を検索してみましょう。
既に同じキャラのボットを作っている人がいるかもしれないので、まずそちらを使ってみて、AI ボットというものに慣れてみましょう。
(海外のユーザーが多いので、日本語でヒットしなければ、英語で検索してみてください)
今回のために私が作成した市松模様の長男っぽいボットも使ってみたい方がいらっしゃいましたらpoe内で「Tanjero_00」と検索してみてください(コソッ
また、プロンプト作成中にも頭が活火山になった方はXにてご相談いただければ、私のお答えできる範囲でしたらお教えいたしますのでお気軽にどうぞ!
↓私も自分の推しをChatGPTにロールさせ、辛辣な態度をされて喜んでます。
お友達のnote記事ご紹介
プロンプトに性格や態度を書き込む際、書き方で応答の仕方が変わるのかということをツンデレとデレツンにフォーカスを当てて、検証されてる記事です。
推しがツンデレもしくはデレツンな方は必見!
ここまでお読みいただいたあなたはお館様並の広い心の持ち主です!(鬼●ネタオンパレードすみません)ありがとうございました!!🙇♂️