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オーダーメイド物語【納品作品】

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ご依頼によりオーダーメイドで綴らせていただいた『この世ならざる物語』
運営しているクリエイター

記事一覧

【オーダーメイド物語】三原色の迷宮、蒼穹の響音

 なにがあろうとも、《惑いの森》に近づいてはならない。  その最奥には、赤に青に黄に緑に…

ひかたかりん
3週間前
1

【オーダーメイド物語】彼方より想う《楽園へ至る病》

魔女の蔵書で知ったことのひとつに、《楽園へ至る病》というものがある。 世界には、《楽園》…

ひかたかりん
1か月前
5

【オーダーメイド物語】星々の果ての旋律

あまねく星々の只中で、透明な夜を結晶化させたようなその方の姿に息を呑む。 心臓を、いや魂…

ひかたかりん
1か月前
5

【オーダーメイド物語】歯車屋敷の螺旋の主

 祈りを捧げるより他にない、夜明けを迎えるにはあまりにも遠い宵闇の頃。  世界を飛び回る…

ひかたかりん
1か月前
2

【オーダーメイド物語】旅する花追人の小さな事件簿

 その日、同郷の友人が旅先から送ってくれた手紙には、千年に一度しか咲かない《翡翠月華》の…

ひかたかりん
1か月前
2

【オーダーメイド物語】瑠璃の鏡に己を問いて

――近く遠く囁くような『声』がする。 魂へと染み込むようにやわらかく優しく温かく語りかけ…

ひかたかりん
1か月前
6

【オーダーメイド物語】琥珀の夢、破魔の言の葉

 宵闇の中、ナナカマドが灯す朱金の炎が鮮やかに舞う。  屋敷の門が開くのを待って、やんごとなき隔世の住人たちが厳かな空気を引き連れて帰っていくのを、私は治癒院の主として見送った。  彼らからはシャンララとこの世ならざる澄んだ音がこぼれ落ち、尾を引きながら消えていく繊細なる旋律は、聴く者に心地よい余韻を残す。  やがてその背が時の向こうへと溶けていき、照らすナナカマドの灯りも儚く消えて、そうしてこの度の治療が無事に終えられたことを確信したところで、ようやく安堵の息をもらした。

【オーダーメイド物語】翡翠に咲く蓮、呪枷の鳥籠

★前作 ◆翡翠に咲く蓮、呪枷の鳥籠  ぬかむるほどにどろりと濁り溶けた闇の中。  漆黒に染…

ひかたかりん
3週間前
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