雪と草木が織りなす真冬の自然美。早春賦にのせて
二十四節気は立春を迎えました。
晴れて少し日差しの暖かさを感じると、頭の中で流れるの「早春賦」。
続いていた雪の日が一旦落ち着いて気温が少し上がると、ポタポタと屋根から落ちる雪の声がします。
そんな 音の春 に風情があっていいなぁ…なんて思うのですが、屋根にどっさりと積もった雪や長く伸びた氷柱が落ちる音は肩をすくめてしまうほどびっくりするものです。
春は名のみの風の寒さや
谷のうぐいす歌は思えど
時にあらずと声もたてず
暦の上では春を迎えてもやはり春は名のみ。
日差しは暖かく感じるのですが、雪に囲まれた北の大地の風は冷たくて、うぐいすの歌が聴こえるのはまだまだ先。
木の上でちゅんちゅん鳴いているふくら雀たちが可愛らしい今日この頃です。
関東に住んでいたので大好きな春の花の便りが届くと、肌寒さの中にふわりと薫るあの早春の時期がとても懐かしく、ちょっと羨ましいのが本音。
春と聞かねば 知らでありしを
聞けばせかるる 胸の思いを
そう、北海道の花咲く春はまだ先だし、まだ雪も降りますよ と呑気に思っていたのですが、立春と聞いてしまったからちょっぴりそわそわしてきたり。
この冬も撮り貯めた雪景色の写真を何かに残さなきゃ…
雪国以外の友達はもう梅やら早咲きの桜やらチューリップの写真にシフトしているなぁ…
と。
いかにせよとのこの頃か
今の時期、この そわそわ をどうしたら良いのでしょう。
そしたら先月までに撮り貯めた雪景色をnoteに残しましょうか。
寒いのも雪かきも苦手。
でも、北海道暮らし5年目。凍てつく早朝の冬景色もひっそりとした場所で雪を纏う植物の姿も美しいことを知ってしまったから、暗くて寒い早起きも毎年頑張れます。
極寒の地域の冬景色を見ている方には物足りないかもしれませんが、私が好きな雪と植物たちが織りなす姿を今回のnoteに残したいと思います。
冬枯れて朽ちた植物たちが雪に埋もれた姿に、自然美とはまさにこのことだと感じる瞬間です。
さまざまな格好で朽ちた植物たちは、白い雪の上に面白い影を作っていたり、陽を浴びてキラキラと光る雪を纏っていたり。
木々を抜けて歩いていると、笹が沢山茂っています。
笹は常緑の植物なのですね。
こんな風に四季が移ろい周囲が変化したからこそ、変わらないでいるものに気付かされることがあります。
初夏に背の高い木々にくるくると巻き付いて白い花を咲かせる蔓紫陽花。
あちこち雪の上に落ちています。
巻き付いたまま、先の方だけ折れかけて綿帽子をかぶった花たちもいます。
歩いているのは大沼国定公園。
湖面が凍結している時期はその上を歩きます(ちょっとおっかなびっくりしながら)。
ひっそりとした湖畔で時折すれ違うのは、大きなレンズを付けて小鳥を探していたりトレッキングポールやスノーシューを使ったりして散策を楽しむ方々。
湖が凍結していない場所にはこの冬も白鳥たちが来てくれていました。
雪の上で寝ているこもいて、気持ち良さそうだけど寒くないのかな…と毎年思ってしまうのです。
朝8時過ぎの大沼湖畔。
この時は−12℃くらいだったかな。
植物たちについた霜が光る光景はサンキャッチャーが沢山集まっているかのように見えて、寒さが苦手な私も「寒くて良かった!」と思えてしまいます。
到着したばかりに見た枯れすすきたちは朝の光に照らされ、キラキラと輝いてとても綺麗でした。
1時間くらい歩いて戻ってくるとさっきより周りが明るくなっているのと解けてしまったのとで輝きは少なくなっていて、やっぱりあの時撮っておけば良かったな…と思ってしまう。
分かっていたからこそちょっぴり悔やまれる、撮影タイミングあるある。
こんなに冷え込んでいるのに、太陽の光って凄いといつも思うんですよね。
雪のない季節はきっと湿地か小川が流れている場所。
モコモコっと積もった雪が可愛い。
市内にある日本庭園の雪景色。
ナナカマドの紅い色に白い雪のコントラスト。
花の咲かない季節だからこそ、この光景が一層美しく感じるのだと思います。
よく見るとトゲトゲした枝。
この木何の木かな。
急に晴れてきました。
桜の芽、だいぶ膨らんできていますね。
例年ならあと2ヶ月ちょっとで開花です。
氷解け去り葦はつのぐむ
さては時ぞと思うあやにく
今日もきのうも雪の空
ここ数日、昼間はヒーター要らず。
車道の雪もだいぶ解けました。
それでも道路脇は除雪の雪が高く積み上がっていますし、歩道もボコボコツルツル。
根雪はそう簡単に解けません。
3月がの終わりまでは、またドカっと降ったり、数日降り続くこともあるでしょう。
暖かくなったからといって、さて 芽吹きの春が来た!手放しに喜べませんが、暫し春の雪と思って楽しみましょうか。
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