第1章:何もかもがうまくいかなかった新婚時代(第4節 会社員を卒業しよう)
《おむすびで人生が変わった話マガジン》の第1章です。
1章はおむすびと出合う前、そして出合った当時のことを書いています
第1節 念願のはず。なんで結婚しちゃったんだろう。
第2節 「鮭おむすびください」
第3節 転機となる出合い
そして今回が第1章最終節(第4節)になります。
会社員を卒業しよう
アサーティブな在り方を学び、自分の氣持ちや考えを実は押さえ込んできたこと、体を大切に扱ってあげてこなかったこと、何よりも誰よりも自分を後回しに扱ってきたことが次々に暴かれていきました。
仕事ばかりにかまけて来たのは「男の人に負けないように」「女であることを自分で恨めしく思っていた」わたしがいたから。
なぜそんな大人になったのか。
筆頭で浮かんだのは父でした。
父はよく言っていました
「誰のおかげで飯が食ているんだ」
母へこんなことをよく言っていました
「お前の仕事は趣味だろう(食っていけないだろう)」
そして母からは
「お父さんはあなたが生まれた時 ”女か” って言ったのよ」
と聞かされていました。
刷り込まれ刷り込まれ、男に負けないように、父に認められるようにしてきたわたしは「仕事をする」ことが唯一見返せる方法だと思ってきたんですね。
「負けてたまるか」「絶対認めて見せる」って。
それは「愛して欲しい」の裏返しでもあったのだろうと今は思います。
だけど女性が男性と同等に仕事を任せてもらうには、多くのことを犠牲にして仕事の環境を作らないとならないと感じていましたから(実際、夫との時間、自分の時間は皆無)歯を食いしばって24時間のうち寝る時間以外は仕事に注いできました。
仕事で成果を出すために、お金をたくさんもらえるようになるために、体から出ているSOSすら無視し、必死で食らいついていました。
自分の体を労ることから逃げる口実にもしていたんです。
「仕事があるから」って。
「忙しいから仕方ない」って。
男の人に”負けないように”仕事をするのが女性としての働き方じゃぁない。
今のわたしが望んでいる仕事の環境じゃない。
自分を大切にしてあげられるのは自分しかいない。
アサーティブな在り方を知り学んだことで自分を大切にしてこなかったことが顕在化しました。それは同時に「女であるわたし」を認め、女として生きることは男に負けるということではないということを知ったんです。
そもそも男と女の勝ち負けの話なのか? 違う!自分を大切にする生き方をすることそれだけでいいじゃないか。そんな生き方をしてみていいじゃないか。
パワーゲームから降りた瞬間です。
そして女性としての自分を取り戻した時「この人(夫)の子を産もう」と思えたのです。
それはもう、突然でした。
今まで避けて来た自分の体の違和感と向き合おう。
病院、行こう。
そう決めて産婦人科へ行き、検査、不妊治療をスタートさせました。
それは同時に会社員を卒業することでもありました。
パワーゲームから降りよう、本当の自分なんてわからないけどとにかく今の在り方はわたしが望んでいる在り方じゃないことだけはわかる。この違和感だらけの環境から離れたい。子どもを授かる努力をしよう。
ただそれだけでした。
先なんて何も決めていなかったし、わかりませんでした。
退職届を提出し、至る所から「次はどこへ行くの?」と聞かれました。もっとお給料の高いところへ、もっとポジションの高いところへ転職すると思われていたのだと思います。
「いいえ、どこにも行かないです」
「え?どうすんの?」
「決めてないけど・・・自分でなんかやろうかな」
そんな言葉が自然に出ていました。
会社員を卒業しようと決めました。もう戻るのはやめよう。
今思うと、会社員を卒業しようと決めたあの時からわたしは自分を取り戻す旅が始まったように感じています。
おむすびを食べて泣いたあの瞬間、本当のわたしからのcallingが始まったんじゃないか、と今なら思えるのです。
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第2章 子どもが教えてくれたこと へ続く
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