「やすらぎの郷」名シーン超厳選10選!!
一年間放送してきた「やすらぎの刻 道」がついに終わります!これはもう、やすロスですよ!80代が書いたシナリオを80代が演じるトンデモドラマが終わっちゃいますね。高齢者にターゲットを絞った内容ながら現役大学生の私は前作「やすらぎの郷」からハマりにハマってしまった!通算101個目の記事となる今回は!前作「やすらぎの郷」から厳選に厳選を重ねた名シーン(迷シーン)を10個選んでみます!!
「郷」にあって「刻」にない魅力、それは地獄のラブロマンス。。。
・菊村栄(石坂浩二)が井深涼子(野際陽子)にフィクションに事実を混える危険性を伝えるシーン
井深涼子さんは濃野佐志美(こいのさしみ)という名前で正体を隠して小説家デビューするんです。が、小説内容は本人の体験談や聞いた話ばかりで知る人からすると暴露本みたいになっちゃってるんですよね。それを菊村栄が自分が過去に自分の母の口癖を脚本に載せて流行語までいくんだけど、母を傷つけるだけだったと熱弁するんです。この熱さはきっと倉本聰さんも似たような経験をしたんだろうなって思うリアリティがありました。けど、井深さんは何も響いてないような顔してるんですよね。それがより深く感傷深くて印象的でした。野際陽子さんは放送中に亡くなるんですけど、劇中では最終回まで健康なキャラクターで、確かに健康そうに見えるから素晴らしかったです。なのに、「やすらぎの刻」ではやすらぎの郷最終回後辺りすぐ急逝されたような語りだったんでちょっと悲しかったです。
・高井秀次(藤竜也)が菊村律子(風吹ジュン)の位牌の違和感を全く感じる事なく手を合わせるシーン
高井秀次っていうキャラクターは高倉健さんみたいで凄いカッコいいんですよね。けど、だいぶアホなところもあって、個人的には一番魅力的な好きな人です。で、律子さんはすでに亡くなってるんだが、菊村先生もめちゃくちゃなんで若い頃の水着写真を遺影にしてるという。。。どうせ誰も来ないって思ったんですかね。なのに秀さんは普通に手を合わせてるという。全員カオスでおかしみがありました。風吹ジュンの実際の若い頃の写真なんだけども、これは倉本聰さんの所有物ってのも最近知って、ほんまいかれてるんだなぁ思いました。。。
・菊村栄がアザミ(清野菜名)とつまるところデートの待ち合わせをしていた際にやすらぎの郷住居者にバレて近くのカフェから覗き見されていたシーン
20前後と80前後が恋愛するというシルバーファンタジーが繰り広げられるんだけども、(最終回で同年代彼氏持ち判明。稀に見るクソ女役だがそりゃそうだろ。)で、ウキウキしながら待ってるところをやすらぎメンバー5人?くらいが微笑みながら見てたんですよね。老人の可愛さが全部出てましたね。「やすらぎの刻 道」ではアザミは全く出てきてませんけど、一年通して恨みを表してるの「やすらぎの郷」を観ていたら分かるんで面白いなぁと。詳しくは4月に書く予定の「道」編で。
・犬山小春(冨士眞奈美)のスピーチからの自殺そして水谷マヤ(加賀まりこ)の涙
石坂浩二さんの仕事量が半端ないドラマですけど、冨士眞奈美さんが出演する三週間分は完全に主役奪ってましたね。犬山小春というキャラクターは芸能界きっての嫌われ者なんですけど、ニューヨークの老人が「老人になってからでも夢は叶えられる」と語ってくれたよっていう放送枠15分ほぼ全部使った凄まじい感動的スピーチ回があるんですけど、この数日後に犬山小春は自殺するんですよね。で、遺書を最も仲悪かったマヤに贈るんです。マヤは号泣するんです。なんだけど、遺書を送ってきた事じゃなくて「自分(マヤ)が死んだ時にメッセージを送りたい人がいない」ことに気付いて泣いてるんですよね。この一筋縄にいかない人間の哀しさをえぐく切り取ったドラマ他にあります?私20代ですけど、胸打たれました。
・ナスの呪い揚げ
ひょっとしたらやすらぎファン投票やったらこれが一位になるかもしれないですね。謎の伝統「ナスの呪い揚げ」ですよ。ナスを油に入れる際に死んでほしい人の名前を叫ぶという陰惨な行事です。。。妙な馬鹿馬鹿しさとドラマにしちゃ細かすぎるルールが面白かったですね。九条節子さん(八千草薫)というキャラクターは八千草薫に原節子を足したような聖人みたいな人で「私は悪い子なのよ」とか言うんですけど、めちゃくちゃ可愛いんですよね。
・大納言(山本圭)が真野六郎(ミッキーカーチス)菊村栄に奥さんについて考えるシーン
やすらぎ名物と僕は呼んでるんですけど、2017年に嘘みたいな合成で釣りをしてるシーンがよく出てくるんです。そこで、「天国があるとして、みんなはどの姿なんだろう」という話をしていたら岩倉正臣さんが(大納言)急に真面目なトーンで「妻なら死ぬ間際の妻と逢いたい。話したかったことが沢山ある。」って涙目になるんですよ。凄く感動的なのにマロに全然響いてないんですよね。「若い女に逢いたいに決まってるだろ!」って。この対比が余計に泣けてくるんです。が、マロはマロでふざけてる性格が大好きになっちゃうキャラクターなんです。
・ハッピー(松岡茉優)のわいせつ事件
これをわざわざ取り上げると嫌な人もいるでしょう。ネットでは賛否否否否否くらいでしたけど、、、ハッピーが強姦されて秀さんや伊吹五郎さん辺りのメンバーが犯人をボコボコにしに行くってのをお盆一週間使ってやりやがったんです。こんな酷い話をよりによってお盆にやるのかと。恐らく倉本聰さんの姪がそういう事に遭ったからドラマを使って復讐したという感じなんですかね。で、その後もハッピーは明るいキャラクターなんですけど、ハッピーという役名がまぁ意地悪いじゃないですか。それで、「やすらぎの刻」ではハッピー辞めて一切出てこないんです。実情としては松岡茉優さんあれから2年さらに売れて忙しいだろうしギャラも跳ね上がったでしょうから降板なんでしょうけど、(常盤貴子さんもギャラ高いから降板なんだろう)ドラマ的には明るくしてたが、やっぱキツかったんやろなみたいに余計に悲しくなっちゃいます。まぁけど、この話をやる意味はあったと思いますよ。ドラマだからって現実を直視するべき時もありますって。
・生意気なシノ(向井理)
シノって絶対あの人じゃん。倉本聰作品主演やった事あるし。。。韮川とかもさぁ。。。このドラマは井深さんに注意したにも関わらず、ほぼ匿名できる中傷が多すぎる。そして、何故か許されてる!。。。終始生意気な奴とボコられてましたが、モテ男であるというは認められてるんだなぁとバランスの取り方が上手でしたね。やすらぎ世界では九条節子、高井秀次が2トップなんですよ。原節子と高倉健だと思えば分かりやすいでしょ。この二人のオーラが一斉にやってきてシノを小さく見せるのが脚本も演技もバチバチでプロの芸だなぁ思いました。
・大道洋子(大原麗子)の回想シーン
最終回直前これは泣きましたね。「このドラマはフィクションですが、各々お察し下さい」で終わったドラマだけあって、ほぼ特定できる下り何度もありましたが、これはそのままでしかないんだもの。「大道洋子の孤独死からこのような事態が二度と起こらないようやすらぎの郷は設立された」と知らされるんですよね。で、あの大原麗子さんの「少し愛して 長く愛して」のあのCMがそのまんま流れるんです。倉本聰さんのこの作品の制作意図を明かした訳ですよね。なんで芸能人が住む老人ホームなんてニッチな設定のドラマなんか作ったんだろって謎が一気に開けるんです。大原麗子さんによって。凄く暖かい瞬間でした。
・やすらぎ体操
最後はこれにしました!「やすらぎの刻」でもそうですけど、時折尺調整かどうか知りませんが、突然流れる。「老いダンス」です。テレビ体操みんなの体操パロディみたいなパートとやすらぎ出演者が頑張って体操してるシーンが流れるんですけども、「人生100年年金に頼るな!」ってシーンは松岡茉優というね。そして、振り付けがめちゃくちゃ難しい!松岡茉優だからギリ出来てるんですけど、僕も出来ないし、高齢者が出来る訳ないんですよね。ボケの角度がシュールすぎる。サイコで最高ですよ。最後ウサインボルトのよくやるポーズで終わるんだけど、「ジャマイカのポーズ」と言い張ってるの最高ですよね。八千草薫さんが決めるのだが、可愛さしかない。
という事で!客観的にはもっと取り上げるべきシーン沢山あるんですけど、良くも悪くも僕が大好きなシーン10選でした。放送から3年。亡くなられてる方結構多いんですよね。この作品に誇りを持って満足して逝けたならいいんですけど。。。要するに二度と再現出来ない訳です。このドラマは瞬間瞬間が美しいなと思います。ドラマじゃなくて「人」を描いてるからでしょうね。最終回でも「木が伸びるには根が必要。ドラマは見えない根こそ大事に書け。」みたいなメッセージが展開されるんですけど、倉本聰さんの作り方は時代には合わないんでしょうけど、僕は好きですね。倉本聰さんの作ってきた時代にまた戻ってくれることを僕は期待しています。多分一生記憶に残り続けます。大好きです!是非観てください!!!
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