傷あと や 古傷 〜痛み や 皮膚の引きつり や シワ〜 後編 マッサージ方法
よしながです。
前回の続きの古傷のお話です。
目次
①皮膚は伸びる そして 滑る(前々回)
②手術後や怪我の傷口は、皮膚や筋膜などの 伸び具合 や 滑り具合 を低下させる(前々回)
③皮膚の 伸び具合 や 滑り具合 は 自然回復が 難しい(前回)
④傷口の影響は、後々の痛みにつながる(前回)
⑤皮膚へのアプローチ&マッサージ方法(今回)
(*ここでは 創部ソウブを、わかりやすく傷口と表現します)
です。
前回までの記事はこちら
では、続き。
⑤皮膚へのアプローチ&マッサージ方法
では、どうやって、皮膚の問題にアプローチするか です。
皮膚の動きの問題によって起こることは、
普段、皮膚が突っ張って動きづらいだけでなく、
長時間 同じ姿勢をとっていると動き始めに身体が動かしにくいと感じるなど、
寒さや天候の影響でジンジンもしくはシクシクと痛みが出ることなど、
があります。(皮膚が問題でない場合もあります)
皮膚の滑走性や伸張性が悪くなることで、
痛みを感じやすくなったり、
浮腫みが出現し、血行も悪くなります。
皮膚の伸び具合や滑走性を改善させるために、
・ストレッチ
・マッサージ
・リズミカルな関節運動
を行います。
古傷や傷あとに対してのアプローチ方法の前に、
今、受傷 や 手術を受けた直後 の方に関しては、
受傷・手術直後から 傷口が発生してから治癒していく過程の2〜3週間に、
関節や身体の可動域を再獲得するために
「創傷治癒の過程を考慮した」リハビリテーション を行うことがとても大切です。
特に、傷口が広い場合や、深い場合、
また骨折などで固定期間が長くなるほど、
早期リハビリテーションの内容が非常に重要になります。
・浮腫の管理
・皮膚や筋や腱など組織の滑走性の確保
・血流の促進
治癒過程を阻害しない(傷口が再度 開かない)ことを大前提 とした上で、
・傷口部分近くの関節や、傷口より末梢部分を可動範囲いっぱいに動かす
ことなどが大切です。(血流を促し、皮膚や筋や腱の滑走性を促す)
*受傷状況や疾患によって安静状況の違いや、骨折などで動作制限が必要な場合には、医師の指示のもとで行なってください
この度は、古傷 をテーマにしていますので、
傷は すでに塞がっている状態 という前提でお話します。
(*急性期に皮膚のすべりにアプローチする際に、傷口が開いてしまうのは本末転倒ですし、傷口が開かないようにまた、傷口に菌が入らないように留意して行う必要があります)
皮膚に対してのアプローチ方法
1. 優しく なでるように さする
2.傷あと に隣接する関節を可動範囲いっぱいにゆっくりと動かす(ストレッチ)
3.傷あと部分に 直接触れてマッサージする
4.マッサージした後は、傷あと よりも心臓に遠い関節をリズミカルに動かして血行を促す
です。
1&2 1. 優しく なでるように さする 2.傷あと に隣接する関節を可動範囲いっぱいにゆっくりと動かす(ストレッチ)
1.と2.は、一緒に行います。
傷あとに隣接する関節を動かして、
ストレッチした状態でキープし、
その周辺の皮膚全体を手のひらで撫でるように さすります。
(腕の部分であったら、手首から肩までさすってあげましょう)
この時に、皮膚をさする方向ですが、
シワができているところから、シワを伸ばす方向に向かいます。
シワができているところは、基本的に皮膚の動きが低下しています。
動かす方向がわからなければ、両方向に皮膚をさすってあげることで
皮膚に動きを出してあげましょう。
強くおさえると、皮下組織まで容易に押さえてしまいますので、
やさしーく さすってあげる ことがポイントとなります。
3.傷あと部分に 直接 触れて マッサージする
(1) 傷あと部分を指で押さえる (写真②)
(2) 傷あとに触れている指の 周囲の 皮膚を反対の手で囲むように押さえる(写真③)
(3) 皮下組織の上を 皮膚が滑るように、②の手が動かないようにしながら①の手を前後左右に動かしてマッサージする。(写真⑤〜⑦)
*皮膚を動かす際に、傷あとから指がズレないようにする(写真❌印)
4.マッサージした後は、傷あと 部分より心臓に遠い関節をリズミカルに動かして血行を促す
滑りが悪かった皮膚が動き始めたら、血流を促すために、傷あと部分より心臓から遠い関節をリズミカルに大きく動かしてあげましょう。
1回に数回で良いので、1日に何度も動かしてあげます。
また、皮膚の可動性がすごく悪かったものが改善された場合に、再度くっつく力が働いて、むくみが起こりやすくなりますので、浮腫の管理のために、リズミカルに関節を動かすことで、浮腫も予防します。
また、傷あとのマッサージが滑って難しい場合に、
皮膚を小さくつまんで動かす という方法もあります。
(つまむのは、人には しないようにしましょうね)
怪我をしていないくても、年を重ねると皮膚の伸張性や滑走性は悪くなります。
膝の裏部分や、首の部分、体幹部分などご自身で、右から左に皮膚を小さくつまんでの皮膚の動きを確かめてみてください。同じ幅でつまめないところは、皮膚の動きが悪くなっています。
皮膚の動きを改善させて、痛みやシワ、動きやすさに
アプローチしてみましょう。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
hikari整体サロン
吉永 光恵
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