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希望を叶えるためのリハビリ〜チャッピーにもう一度会いたい〜

こんばんは。
よしながです。
バレンタインの季節ですね。

この時期になると、
毎年、病院で働いていた時に、担当したAさんのことを思い出す。

理学療法士として 病院に勤務していた頃、(十何年前。。早いなあ。)
私が担当する 患者さまのAさんは、
数週間以内が山 だと、医師に言われる状況だった。

ある日、Aさんの リハビリ途中に、

「チャッピーに会いたい。。」

Aさんから ボソッと 心の声が小さく漏れ出た。

酸素5〜6ℓ/min吸入下 血圧も低く、
ベッドをあげて 頭を起こすこともできない全身状態で、
声を出すことも、かなり厳しい状態の中、

「もう一度、チャッピーに会いたい。。 」

と、本当に小さな声だったけれど、
想いを噛み締めるようにもう一度 つぶやいた。

チャッピーとは、Aさんは飼っている愛犬。

このAさんの想いを どうにか叶えたい。

まずは、医師に
Aさんにチャッピーを
どうしても会わせさせてあげたいとお願いし、
Aさんの状態がどれくらい回復すれば、病院の外に出て、
チャッピーに会ってもらっても良いか を確認
した。

その時のAさんは、予断を許さないような状況だったが、
もし、リクライニング車椅子に30分安定して座れるようになり、
(背もたれ部分を倒すことができる車椅子)
3階から玄関まで 車椅子で移動することが出来れば会わせても良い
という許可がおりた。

次に、ご家族さまに
愛犬チャッピーを病院の前までお連れすることをお願いできるか
を確認したところ、ご快諾いただいた。

あとは、Aさんが、
チャッピーに会うために、座る練習をしたいかどうか。

このとき、Aさんはベッドを起こしたり、寝ている姿勢を少し変えるだけでも
血圧が低下したり、酸素飽和濃度が低下するほど、
全身状態が芳しくない状態だった。


Aさんに
「チャッピーに会うために 座る練習します?」
と伺ったところ

今まで見たこともないような、
嬉しそうに まっすぐな目で、うなずいて、
「会いたい」
と かすれるような小さな声だったけれど、
強い意志が込められている声だった。

理学療法(リハビリテーション)時、
魔法の呪文のように「チャッピー」「チャッピー」と つぶやかれていた。

チャッピーと会うことを提案するまでは、
ベッドの中で 凄く息苦しそうな中、
ただただ、 身体の辛い状況に耐えているように見えたけれど、
(そんな時でも、いつも私に笑顔を向けようとしてくれていた素敵な方で)
チャッピーに会う目標ができた時から、
前向きな意欲が、伝わってきて、
身体に負担がかかるリハビリも、なんだか 楽しそう
に見えた。


数週間のリハビリの後、
後輩2人にも手伝ってもらい、万全の体制で、
酸素ボンベと点滴台とともに、常時、バイタルサインを確認しながら、
リクライニング車椅子に乗って、
病院の玄関で 愛犬チャッピーに会ってもらうことができた。
本当に本当に嬉しそうで、
Aさんが喜んでくれたことが、私も本当に嬉しかった。

リクライニング車椅子

その1週間後に、
「チャッピーからの贈り物だよ。貰ってくれなきゃダメだよ。」
とバレンタインデーにチョコレートをいただいた。
(なんだか その言葉がとってもお洒落に感じた)
凄く嬉しそうなその笑顔に こちらが凄く嬉しくて。

とっても笑顔がチャーミングな80代の男性。


不思議なもので、この日を境に、みるみると元気になっていった。
退院してチャッピーにまた会う と決めて。


もう自宅には帰れない とご本人は思っていたけれど、
数ヶ月後に、ご自宅に退院なされた。


欲望」や「希望」 は、

人を動かす原動力だなと 改めて思い、

自分の気持ちに正直に、

欲や希望を 声に出してみる
ことは

実現させる強い活力に繋がる

と 感じた とても大切な想い出の一つです。

希望 を叶えるお手伝い ができる可能性がある
この仕事に出会えたことは、
私にとって、本当に幸せだと感じる。

良いバレンタインを♡!
(なんて言ってみたりして。。)

最後までお読みくださりありがとうございます。


hikari整体サロン
吉永光恵


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