「女王はかえらない」を読んだ中三女子の感想
2015年の『このミステリーがすごい!』大賞受賞作だというこの本。
図書館でたまたまパラっと読んで、妙に印象が強かったから借りてきただけなのですが・・・。
それを知って、「見抜いた!自分、センスいい!」と言いたくなりました。
小学校で繰り広げられる派閥争い、権力闘争。
それだけでも十分面白いのに、ミステリー要素を絡めているのがすごいなぁと思います。
まんまと騙されました(笑)。
真相が明かされていなくても素敵な話なんですけどね。
特にメグと主人公が話しているところとか、キュンキュンします。
ただ第三部「真相」があることで、ミステリーっぽさというか、なんか、ぞっとする感じが大きくなるなって。
第二部「教師」で扱われている事件は一見第一部とは何の関係もないのに、きっちり筋を通してまとまられていてすごく良かったです。
でもやっぱり、この本で一番好きだったのは第一部「子どもたち」ですね。
クラスでの派閥争いの典型というか、逆に面白そう!って思います。
まぁ実際、こんなクラスにいたらたまったものじゃないでしょうが・・・。
私の小学校時代がこんな闘争とは無縁だったから、ですかね。
ちょっとした憧れ(?)みたいなものがあって。
マキやエリカのように女王の位置を争うどころか、末端の末端にすら存在しない図書室の住人でしたから。私は。
そもそもそういう権力があまり存在しない小学校でもあったんですけれど。
元々の女王だったマキを陥れるエリカの手口、細かすぎだろって思うんですよ。
そして巧みだ。
実際にはエリカが全部仕組んだわけではなくて、エリカにとって幸運なことがあったせいだということも「真相」を読むとわかるのですが、こういう処世術もあるんだな、みたいな。
なんだか、そのことに感心しました。
ともかく、面白かった。
ゾクッとする雰囲気も含め、記憶に残る一冊です。
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