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就活で「盛る」ことの是非について

目次


はじめに

就活で「盛る」ことの是非について、しばしば議論になりますよね。

実はあるサイトによると、面接官300人にアンケートを取った結果、約6割の面接官が「就活生が話を盛っている」と感じたことがあるそうです。
https://journal.rikunabi.com/p/advice/25761.html

まあ、そりゃそうだよねって感じはしますよね。就活では「自分を大きく見せたい」と思うのは自然ですし、そういうことはよくあることなのかなと思います。人事の友達に聞いた話によると、就活期には「副キャプテン」の肩書きを持つ大学生が大量発生したりするみたいです。

なぜこういった話題がよく取り上げられるのか考えてみました。

1つは、自分が「嘘をついている」と後ろめたく感じるから。2つ目は、他人が嘘をついていい成果を納めたときに「ずるい」と感じるから。あとは、看破されるリスクが怖いから。など、こんなところかなと思っています。

1つ目と2つ目は、ある意味似ているのかもしれません。後ろめたさを感じつつも、他人がそれで成果を出している姿を見て、「自分も同じことをすればもっと良い結果を出せたのではないか」と感じてしまう。

こういった葛藤を抱えながら就活を進めるのは、気持ち的にしんどいですし、良い結果につながりにくいのではないかなと思います。

そこで今回は、僕の見解や、本で学んだことを整理してみました。

書籍の紹介

ぼくが就活に対する考えがクリアになったのは、こうした本との出会いからです。興味があれば読んでみてください。



個人的には「盛る」行為は部分的にアリ

僕個人としては、「盛る」という行為は「部分的にアリ」というスタンスです。

そもそも、就活の基本って、自分を採用することで企業にどんなメリットがあるのかを伝えることでした。そのために自分を見せ方を工夫してきましたわけです。

僕は、自己分析で見えた今の現状と、理想像(ありたい姿)を結んだベクトルの範囲内であればよいと思っています。

「盛る」のではなく、「スピン」させろ!

そういうわけで、「盛る」という表現でない適切な言葉がないかなと考えていたんです。そんなときに、『苦しかった時の話をしようか』を再読して、これだ!と思う表現に出会えたので引用させていただきます。

スピンとは、同じ事実を言うのに切り口や見せ方を変えるだけでインパクトを増すやり方を指す。 (中略) ペン一本をそのままに見せても”細い棒”にしか見えないが、高速回転させれば”丸い円盤”のように大きく見せることもできる(中略)ブランドの設計図は、今の君の等身大を正確に表現するものではないと、明確にしておくことだ。近未来のなりたい自分をデザインすることがむしろ正しい。

「苦しかったときの話をしようか」森岡毅

僕はこの「スピン」という表現がすっとなじみました。就活でエピソードを作るときは、本質(現状や、理想とするイメージ)は変えず、見せ方を考えたりするという「スピン」という言葉をイメージして取り組むといいのかなと思います。

現状と理想の範囲内がベスト

この表現でいくと、当然NGなのは、自分の現状やありたい姿と大きく乖離する場合です。普段から目線が泳ぎがちな人が「100人のメンバーを統率して文化祭をまとめ上げました」と話しても、信ぴょう性が疑われます。

仮にそれが事実だったとしても、説得力を持たせるのは難しいでしょう。また、自分の理想とかけ離れたエピソードを話してしまうと、一貫性がなくなります。結果、志望動機や自己PRと噛み合わずに浮いてしまいますし、何より熱意が伝わりません。「たいしてやりたくない行動」を語るからです。

以上を踏まえると、自己分析で見つけた自分の現状と理想像を照らし合わせ、その中で「理想ならどう行動するか」を混ぜて話す程度なら問題ないのかなと思います。

さいごに

もちろん、「等身大の自分を表現した方がいい」と思う人もいると思います。それは素晴らしいことですが、就活ではやっぱり不利になってしまいもったいないです。僕は「就活は自分のメリットを伝える場だ」という割り切りを大事にしていました。なので、自分の本質を偽るわけではないので、過度に気にせず柔軟に取り組んでもらえたらいいのかなと思います。

これは余談なんですけど、自分の理想像をあたかも自分の行動のように繰り返し語る練習をしていると、脳が擦り込まれていくんですよね。「物語思考」という本で学んだのですが、人の脳は自分の行動を見て「自分はこういう人間なんだ」と知覚するみたいなんです。だから、理想と現状の範囲内で「スピン」を加えて自分のブランドを定義して行動していくことは、自己成長にもつながるはずです。

今回は、就活で「盛って」話してもいいの?というテーマについてまとめてみました。少しでも考えるヒントになっていたらうれしいです。


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