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『日々是好日』が教えてくれたこと

今日は面接がある。
面接前の大切な朝に、私は森下典子さんの『日々是好日』を読み終えた。

ずっと前から気になっていた本。
2002年に発行されたこの本を母の本棚から引っ張りだしてきた。カバーの取れた単行本は色褪せて、所々にシミと落書きがある。
多分まだ小さかった妹か弟の落書き。
キレイとは言えないけれど、断捨離好きの母が10年以上も大切にしていた本だ。

本を読んで泣いたのは初めてだった。
しかも「まえがき」で声を殺して泣いた。
この本を読んで大切に読もうと思った。

 何か特別なことをしたわけではない。
どこにでもある二十代の人生を生き、平凡に三十代を生き、四十代を暮らしてきた。
 その間に、自分でも気づかないうちに、一滴一滴、コップに水がたまっていたのだ。コップがいっぱいになるまでは、なんの変化も起こらない。やがていっぱいになって、表面張力で盛り上がった水面に、ある日ある時、均衡をやぶる一滴が落ちる。そのとたん、一気に水がコップの縁を流れ落ちたのだ。

森下典子, 日々是好日, 2002, p.6-7

なにか特別なことをしないと
そう思っていっぱいいっぱいに背伸びをして頑張ってきた。
そしてもう頑張らなくてもいいと思えたとき、肩の荷が降りたような安心感とともに、喪失感や後悔が押し寄せてきた。
今までの頑張りはムダだったの?
もう一度ゼロからのスタート?!
そんなふうにポツンと1人、どこに行けばいいのか立ち尽くした瞬間にぴったりとこの本に出会った。

なんでもない平凡な日々が、一滴一滴コップに溜まって、いつか溢れるときが来る。
そしたら溢れた水を心に流して、その水の中をプカプカ浮いてみるのもいいな。
そんなことを想像したらすごく救われた気がした。

ムダなことはないもない。
いつか「あっ」ってわかるときがくる。
すべてが繋がって気持ちが報われるような、そんな瞬間がやってくる。
そう信じて目の前のことを大切に過ごしていこう😊

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