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ひかるの読書感想文④『プロフットボーラーの家族の肖像』(著:いとうやまね)

今回感想文を書く本は、5冊目に読んだ本ですが、少し順序を変えて先に感想文を更新します。

今回読んだ本はこちらの『プロフットボーラーの家族の肖像』


今まで読んだ本の中でもとくに、選手個人について、とりわけプライベートにフォーカスした本です。著者はいとうやまねさん。他の本は読んだことがありませんが、『蹴りたい言葉: サッカーがしたくなる101人の名言』はサッカー本として本屋さんに並んでいるのをよく見かけます。

サッカーとフィギュアスケートを中心に記事や本を執筆しているジャーナリストさんですが、少し変わった視点で文章を書く方との評判。たしかに、サッカーの代表戦を国歌という視点で切り取って1冊の本にするのは、かなり変わり種のように感じます。機会があったら読んでみたいな。


戦いの場に身を置く父とそれを支える家族。
彼らは何を考え、どう生きてきたのか。
テレビ画面では決してわからない、生身の人間としての姿、喜びと苦悩を抱える一人の父親としての姿が、少しでも伝わればと思う。
いとうやまね『プロフットボーラーの家族の肖像』より


この本は家族の中でも、「父」という存在にフォーカスを当てた本です。各選手の生い立ちを振り返りながら、サッカーを始めたきっかけとそれを支える家族の存在、家族の中での「父」という存在、そして今「父」として自分の息子や娘たちとどう向き合っているかを、選手自身の言葉を軸にまとめられています。

今でこそSNSの発展により、色々な人を身近に感じられるツールが増え、Instagramでもサッカー選手が自分の家族の写真を添えて、微笑ましいエピソードを発信してくれることがあります。

選手個人の人となりや家族との生活を垣間見る機会も昔増えてきたように思いますが、この本を読むと、より「選手も1人の人間で、子どもにとっては〝父親〟なんだよな」ということを感じることができます。今子育てや、子どもとサッカーとの関わりについて少し悩んでいる方にはおすすめの一冊です。


一方で、私にとっては文章の書き方という点で全く別の観点で学びになる本でした。

それは、「人の言葉を正しく使って、自分の意見を書く」ということです。

実は、私のこの読書活動にあたり、感想文というかたちで文章を書くポイントとしてこんなアドバイスをいただいていました。



この本はまさに、このアドバイスを体現しているような構成になっています。

著書のいとうやまねさんの「サッカーはこうあってほしい」「こういうものではないか」という考えがあり、それについてはあとがきの一部分に述べられています。

ただそれを、主観だけで書いてしまうと「いちライターさんの持論」で終わってしまって、すごく内容の薄い文章になってしまう。

そこで、実際に起こった出来事とそれを経験してきた選手自身の言葉を使い、最後に少しだけ自分の意見を少しだけ付け加える。そうすることで、「伝えたいこと」がきちんと読者に伝わるような本を作ることができるんだなと、勉強になる一冊でした。



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