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学習障害をもつ長女ー学校の対応②ー

違いを感じた通級までの道のり

新たな小学校へ転校した長女。転校時の学習環境・手法に関しての配慮は以前記事に書かせていただきました。(長女の読み書き困難(ディスレクシア)は見え方と音が原因だった⁈④-小学校入学-

小学校へ転校したのか3年生。3年生での配慮は
・音読→デイジー教科書での代用
・テスト→問題文の読み上げ、問題文に斜線を引いて読みやすくする工夫
     でした。
・通級
この内容は、私が転校前に配慮してほしいことを伝えて実践してもらったものがほとんどですが、前の学校との違いを一番に感じたのが通級です。

通級とは、日本の義務教育における特別支援教育の制度の一つで、通常の学級で学習しながら、通常の教育課程に加え、又はその一部に替えて個別的な特別支援教育を受けることの出来る制度とされています。

通級は前の小学校から使用してました。その始まりは『通級してみますか?』の一言からです。その時は、勉強の遅れを取り戻すための個人授業だと思ってお願いをして、週1回(1限)の通級を使うことになったのですが、通級に関してそれ以降説明はなく、突然通級で使ったプリントを持って帰ってきました。

その時は始まったんだな・・・と。通級の先生からはそのプリントにちょっとしたコメントが書いてあるだけで、なぜその内容をしているのか説明などはありませんでした。

正直、持って帰ってくるプリントの内容が私がやってほしい内容とは違うもので、先生は何を目的にして授業内容を決めているのか分かりません。

私自身もこの時点で先生をコンタクトをもって話し合えばよかったのですが、私も大学院と次男の出産後だったので余裕がなくモヤモヤを抱えたまま転校することになったのです。

そして、転校した小学校でも通級を使ってみましょう。という話になりました。

後日、担任から通級を使用するにあたって2つのお願いをされました。1つ目はWISCの検査を受けること。2つ目は個別指導案作成にあたり両親が現在の生活環境や困っていること、子供にどうなってほしいのかを記載するプリントを渡されたことです。

びっくりしました。以前の小学校ではこんなプランニングしていなかった事もそうですが、私たちがどうしてほしいのか、意見を聞いてもらえる場が学校からもらえることに。

担任にはそのことを素直に伝えました。そうしたら『お母さん、通級というのは学習の遅れを取り戻すことが目的ではないです。子供さんが将来困らないようにするために支援を考え行っていくものですよ』と言われたのです。

正直、自治体でこんなに違うものなのか・・・。と感じました。子供の状況を検査で客観的に分析し、学校・家庭でのすり合わせを行って、プランを作成してく。その中で、子供に合わせて何を学習させればよいのがを考える。

納得です・・・。

自分が忙しいことを理由に、私は学校との関係構築を疎かにしていました。関係構築にはうまくいかないことも多くありますが、行動を起こさなければ何も変わりません。大きな反省です。

そして遅れを取り戻すという考えを納得して切り捨てることが出来ました。

潔く切り捨てるという考え方

私は、この切り捨てるということはとても重要なことだと考えてます。

学習障害をもっている人は、もともと字を読んだり、書いたり、計算したりすることが難しいのです。それをみんなと同じ方法で訓練させてもできないのです。

なので、学習の方法や内容はこの子にとっては難しいと判断したら切り捨てることにしています。

しかし、簡単に切り捨ててはいけません。そのためには切り捨てるための根拠・理由がいります。根拠を持たせるためには分析が必須です。分析をするためにはデータが必要です。ここでのデータは検査結果と言えるでしょう。

分析にはある程度の慣れが必要だと思います。慣れるまでが大変ですが切り捨てることが出来れば、出来ることが見えてきます。

何でもかんでもやる必要はないのです。出来ないことは切り捨て、出来るような工夫で補うことでできることが増えてきます。

通級使って長女に劇的な変化がみられたわけではありません。しかし通級をを使用するまでに得られた気づきは、私にとって大きいものになりました。

WISC結果からの見えてきたもの

もう1つ、通級を使用する際にWISC検査を行いました。これも以前の小学校では行わなかったものです。

WISCとは児童生徒用の知的検査のことです。

知的障害があるのかをいるだけでなく、その子の得意・不得意が分かる検査でとても日々の学習に役立っています。

詳しい内容は『WISC』で調べると分かりやすく書いてあるので、調べてみてください。

長女の検査結果は、ワーキングメモリー指標が非常に低い値、その他の指標は平均という結果でした。

全体のバランスが取れていないといった感じでしょうか。だからこそ本人の情報処理の特性に合わせた学習支援が必要であることが分かります。

結果には、聴覚的情報に関心をむけつつ複雑な情報を処理しながら記憶していく一連の過程に工夫が必要と書かれていました。これだけ読むと、じゃあどうすればいいの?と思ってしまいます。ですが支援の方針も書かれているため分かりやすくなっていると思います。

長女の結果をもとに実践している具体的な内容を、記載しておくので参考にしてみてください。

【支援内容】
・視覚や聴覚、同時に複数の情報を処理することが苦手
 →複数の情報に優先順位をつけて順番に対処してく経験を意識的に行う。
  例)手順書をつくる。一番これがわかるのが割り算のひっ算です。
    割り算のひっ算は、割る数と割られる数を見つけ、掛け算、引き算
    学年が上がってくると余りや小数など複雑化してきます。なので
    手順書をつくりそれを確認しながらひっ算をするように伝えて
    います。
    また、長女は読んで理解することが苦手なので、出来る限り短文で
    図や絵を多く取り入れるようにしています。

・知的好奇心が旺盛で興味・関心が言葉や行動にも表すことが出来る強み
 →様々な体験を通して知的好奇心を広げるフォロー
  例)自然の中で様々な体験をさせる。もともと感受性の強い子なので
    自然の中から様々なことを感じてほしいと考えました。また
    短期的な記憶の袋が小さいこともわかり、うまくエピソードを
    つけて記憶させないといけないので、思い出をつくりながら学習を
    させています。例えば、都道府県を覚えるときは、ただノートに
    書くだけでは書くことだけに集中してしまい、その漢字を何と
    読むのか、どの場所にあるのか同時に学ぶことが難しいです。
    そこで、優先順位を考えます。漢字や場所を覚えるより、
    都道府県の名称を覚えることが先です。そのため、都道府県の歌
    に合わせて名称を覚えさせます。一緒に歌ってあげると楽しみ
    ながらあっという間に覚えてました。次に場所です。場所はパズル
    です。次に漢字。漢字自体はもともと書けなくてもいいやっと切り
    捨てしてあったので、覚えたければ覚えればいいやくらいの感覚
    で。この場合、『音楽やパズルを一緒にやる』というエピソードが
    つくので記憶に残りやすくなる。

こうした中で、担任とテストではどの程度を求めるのかを話し合い評価してもらっています。都道府県でいうなら回答はひらがなOKぐらいかな。

色々な工夫をすることで、出来ることが増えてきます。しかしそれを自分自身で行うことはまだ難しいです。手順書も作ったけれど使っている頻度はかなり少ないです。

こればかりは、本人に意識づけるしかないのかな・・・。今の悩みですね。

『これがあれば、こうすれば出来る!!』って自分の中に落とし込めればいいのですが・・・。なかなか・・・。

挫けることもありますが、少しずつと言い聞かせ・・・。

     

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