七煎目:ぶくぶく茶の歴史を教えてください
琉球文化としてのぶくぶく茶
ぶくぶく茶は、琉球茶道の一形態であり、琉球王国時代から伝わる伝統的な茶の湯のスタイルです。”道”と呼ばれますが、日本の茶道とは異なる独自の文化と歴史を持っているものです。
琉球茶道の起源は、15世紀から16世紀にかけての琉球王国時代にさかのぼります。当時、琉球王国は中国との交流が盛んであり、中国文化の影響を受けながら独自の文化を築いていました。この時期に、本土からは振り茶の習慣が、中国からは茶の文化や茶の道具がもたらされ、琉球で独自のスタイルで発展していきました。
琉球と日本、2つの文化の融合
ぶくぶく茶の名前は、茶碗の中で茶を攪拌(かくはん)する際に生じる「ぶくぶく」という白い泡からきているといわれています。この見た目が、ぶくぶく茶の特徴です。
ぶくぶく茶の茶道具は、琉球漆器や琉球陶器などの伝統工芸品が使用されます。ぶくぶく鉢と呼ばれる泡立て用の鉢やお茶をふるまう茶碗を入れる器には、琉球漆器が使われます。また子供の腕ほどもある茶筅の大きさは、ぶくぶく茶独特のものです。
しかし、もともとは日本各地で飲まれていた振り茶を主として発展したもので、中国から伝播した本来のお茶文化とは少し異なっています。使用する道具も現在では日本の茶道に近しい道具も多く使われており、琉球と日本、2つの文化の豊かな融合ともいえます。
琉球茶道は、琉球王国の滅亡とともに一時的に衰退しましたが、現代においては再評価され、伝統文化の一環として大切にされています。琉球茶道の茶会は、観光イベントや文化体験の一環としても行われています。
琉球茶道は、今では琉球文化の一端、そして日本との交易を伝える重要な歴史の一部なのです。