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六煎目:振り茶とはどんなお茶のことですか

振り茶とは


「振り茶(ふりちゃ)」とは、茶葉を茶筅で泡立てて飲む習俗の総称です。古来からの庶民の茶の楽しみ方として継承されていました。現在では、一部の地域でしか残っていない珍しい風習になっていますが、まだまだ多くの人々に愛されています。

「振り茶」の由来については、多くの資料や習慣がなくなった現代では明確ではありません。ただ、「振り茶」という名称は、番茶を茶筅で泡立てて食べるもしくは飲む習俗を意味し、中国から茶葉が伝わる前から薬草などを煮出して泡立てて飲んでいたともいわれています。江戸時代には、北陸の浄土真宗の寺院では講の席で泡立てた茶が振る舞われたとの記録もあるようです。

現代の振り茶


現在、振り茶の代表的なものには、沖縄の「ぶくぶく茶」、富山県朝日町の「バタバタ茶」、島根県出雲地方に伝わる「ボテボテ茶」などがあります。「バタバタ茶」は、煮だした黒茶を茶筅で泡立てて飲む習慣で、富山県で現在も楽しまれています。中国のプーアル茶と同じ種類の後発酵茶を使用するため、独特の香りと味があります。 「ボテボテ茶」は、島根県出雲地方に伝わる振り茶の一種で、番茶を茶筅で泡立てたものに、炒った米や麦などを入れて食べるものです。 さらに、岐阜県美濃地方では「ボテ茶」とい、番茶を泡立てたものに、麦飯や麦芽などを入れて食べる振り茶もあります。

ぶくぶく茶も振り茶のひとつ


前述した通り、「ぶくぶく茶」は、沖縄県で飲まれる振り茶の一種です。(諸説あります)
煎り米を煮だした湯と茶湯を混ぜて泡立て、その泡を茶湯に盛って飲みます。

振り茶の中で作法が確立されているのは、ぶくぶく茶だけです。 かつては、ぶくぶく茶は王族や貴族の間で飲まれる高級なお茶でした。1719年、第13代尚敬王(しょうけいおう)の時代に中国からの使節である冊封使(さっぷうし)をもてなす席で供されたという記録が残っています。貴族の気分で優雅に飲むのも、また一興かもしれません。

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「ぶくぶく茶とは|福を呼ぶ、琉球伝統の茶道」普段着物研究所
https://www.daily-kimono.tokyo/p/blog-page_22.html


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