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部下は上司で変わる~会社の同期が辞めたお話~

先日、同期が会社を辞めました。私と同期は部署が全く違うので、どういった経緯で退社の運びとなったのかは分かりません。

ですが、一言、ぽそっと言ったんです。

「私、なんも教えてもらってなかったんやって…」って。

私も正直、新人育成とか教育は苦手な方です。自分にしか矢印が向いていなくて、他人の事なんて考えもしなかったので。だから、この同期の一言が重く圧し掛かりました。

恵まれた上司の元に付いていれば、もしかしたら退社せずに済んだかもしれない。ちゃんと話を聞いてあげて入れば、同期の心は少しは楽になっていたのではないか。

私も他部署の人間なので、中のことは分からないですし実際会ってもなかなかゆっくりお話しする時間も取れず・・・。まだ手に職をつけた子だったので、これから食べるのには困らないのがせめてもの救いです。

私は恵まれていて、上司がすごくしっかりした方でいろいろと面倒を見てくれていたので、入社してすごく辞めたくなるほど悩まずにやってこれています。

しかし、それは「運」だったんだと、改めて気づかされました。

「恵まれた上司」なんて、人それぞれ物差しは違います。あれこれ面倒を見てくれて支えてくれる上司が「いい上司」と感じる人もいれば、個人を尊重してやりたいように自由に、という考えの人が「いい上司」と感じる人もいる。

要は相性ですね。

・・・と言ってしまえば話はここで終了してしまいます。

では、いい上司に共通していることはなんなのか、私はない頭で必死に考えました。

そして一つ、共通することがあると思ったんです。

それは、「部下をよく見ている」ということ。

なんだ、それだけ?と思う方もいるかもしれません。そんなの、毎日見ているから部下のことはある程度把握してるよ!と。

では、部下のことを「同立場」として見れていますか?

部下のことを「指導しなければならない存在」としてしかみていないのではないでしょうか?

指導というと上下関係の中で成り立つものだと考えている人は少なくありません。実際に「上」司、部「下」という言葉もついているくらいですから。

ですが、優れたリーダーは決して上下関係の壁を自ら作ろうとしません。

私が上司に常に言われていることは、

「自分がそうだと思うんならとにかくやってみろ。そして成功したら喜んだらええし、失敗したらなにがダメだったのか、徹底的に突き詰めろ」

ということです。

この言い分だと、この上司は『個人を尊重してやりたいように自由に』やらせてくれる上司かもしれません。

しかし、自分が思うように作業をしていると「ここはどう思ってその流れになったの?」「仕事の順序を効率よく考えてごらん。俺はもっと効率のいい方法を見つけたよ」と声を掛けてくれるんです。私はいつもはてなを頭にいっぱい浮かべながらあーでもないこーでもないと試行錯誤します。

しかし、学校とは違い、仕事には納期というものが存在します。

だから自分で納期に間に合わない!と思えば上司に必ず相談しに行きます。上司はその度に、繁忙期でも嫌な顔一つせず、丁寧に教えてくれるんです。それも私のやり方にプラスα付け加えるように、決してそれまでの私の行動を否定しないで。

そして納期に無事間に合うと、「自分で納期に真内合わないから相談しよう」と決断できたじゃん。偉い、成長したね」と褒めてくれるのもセットです(笑)。

そして今、私はモチベーションを維持しつつ、チームの士気も下げないまま仕事が出来ています。

上手く上司に転がされていると思われればそれまでですが、それもまた上司の手腕ですよね。こうやって下の人間は成長していくんだな・・・と、、一年半たって、後輩の指導に当たり始めてから思うようになりました。

ちなみに別部署の同期の話をちらっと聞いてみると、同期の上司は後輩指導が下手だと部署内でも結構言われているらしく・・・。仕事の物量が多いのか、ほとんど部下と話す機会も設けない人らしく、あまりコミュニケーションも得意ではないそうです。本当に人間は考え方も仕事の仕方も、生き方さえも多種多様なんだとつくづく思います。

これから同期がどんな人生を歩んでいくかは分かりませんが、またいずれ一緒に仕事ができたらいいなと密かに思いながら私もこれから頑張ろうと思います。